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この世界の野生動物について その1

 この世界には様々な種類の野生動物が存在し、中にはファンタジーに出てくるようなモンスターを彷彿させる姿形をした野生動物も多数存在します。

今回はその一部を、種類ごとに分けてご紹介します。



『野生動物について』

 野生動物とは主にこの世界における人間の手によって管理している「家畜」「愛玩動物」「軍用動物」以外の全ての生き物を総称して呼びます。

・「野生の魔物」及び「野生の魔獣」と言ったモンスターは全て文化レベルの持たない野生に生息する動物として扱われます。一部の野生動物は自身の魔力を用いた攻撃を行うことが出来ますが、それ自体は人間が使う術式を用いた魔法とは大きくかけ離れており魔力を体外へ放出すると言う原始的な使用方法だけを使えます。

・「野生の亜人」はこの世界には存在しません。人並みの知能を持つ人型生物は全て人類に分類され、現在原始的な文明レベルで生活をする人類は世界の発展と共に今現在発見されている大陸では存在しなくなりました。

・「野生の猿」「猿系モンスター」はこの世界には存在しません。理由は不明ではありますが、人類以外の人に似た形状の生き物、特に人類以外の霊長類は存在はしません。ですが「ゴリラ」といった用語は異界人による言語持ち込みによって一応言語としては広まっており、この世界で言う架空の存在として扱われています。



『家畜について』

 この世界の家畜は太古の昔より動物が人類と共存する道を選んだ生き物であり、その種は品種配合によって完全に野生とは別物として存在しています。

・「家畜」と「野生動物」の大まかな違いは種や出生の他、身体の大きさが人の生活において管理しやすい大きさをしている事や、簡単な法的ルール・躾を理解できるだけの知能。爪や牙など武器となる部位が管理・調整をしやすい事。病気や寄生虫など人間に害のある外的要因に対し適切な処置方法が確立している事などがあげられる。

・「野生動物のテイム」について。現在帝国では帝国領土内における野生動物による飼育・保護は全面的に禁止されており、家畜・愛玩動物・軍用動物として定められた動物だけが購入・飼育することが可能となっております。過去に野生動物を連れ込み、その野生動物が暴れ人的被害が出た事件が複数報告されたことが要因とされています。また野生動物保護に関しては軍による個体数調整で管理しているため一般人が行う必要はありません。

・野生動物と家畜の食用について、結論から言えば家畜の方が圧倒的に肉質が良く非常に美味であり、野生動物の食肉は筋肉質で固く、狩りによる戦闘痕で血生臭い場合がありジビエとして楽しむ以外では殆ど推奨はされず、肉も安く販売されます。

・家畜の爪や角、牙などは殆どが品種改良によって危険性を弱められており、また人の手によって除角や削蹄、歯を削ったり切ったりしているため基本的には家畜の部位を使った装飾品などは物が小さくなる。野生動物は体躯が大きいものが多くその分角や牙など大きく、特に狩猟の難易度の高い種などはそもそも希少価値が高くなるためそう言った部位による装飾品は野生動物の方が価値が圧倒的に高く、逆に家畜のものは大量に数を揃えることに向いている。



 以上の内容から義勇兵爵による野生動物の討伐・狩猟の意味というのはただ単に人間の居住環境を野生動物から守る事や義勇兵爵による狩りを行うという欲求解消の他、軍の管理により増えすぎた種の個体数調整や希少部位の調達。さらには危険動物を討伐したという名誉を得る目的など多岐に渡り存在している。野生動物に関する依頼は年中人手不足レベルで発注されるため兵爵にとっては良い稼ぎとなっている。




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『ジェリー系』

 主に本体である体と触手で構成されており顔や手足と言った部位を持たず、胃に似た消化器官しか持たないという特徴を持つ。また繁殖方法はまだ研究が進んでいないが卵生で間違いないと言う見解を持っている。ただし分裂による増殖、幼体の状態での出産なども確認されているため未だ謎の多い種である。



・ジェリー もしくはスライム、陸棲クラゲ

 体長15~30㎝(種類によってはもっと大きな個体も存在する)

 主な生息域 砂漠地域を除く帝都領土内全域及び島国含める広域に生息


 見た目はクラゲをひっくり返したような姿、もしくはファンタジーなどでよくいるスライムのような姿。陸棲クラゲとも呼ばれていて思考能力はなく地面を這うように進んでいるか、中には宙を漂ったりする種類もいる。

 主に足元にいるこの個体を誤って踏んだ際に体内から毒性の触手を伸ばし対象を痺れさせている間に体液や血を吸う。襲ってくることはないにしても足元に注意していないと誤って踏んでしまう事故や、子供が興味を持って触ってしまうケースがありさらには帝都の街中以外ではどこにでもおりその個体数も多いため被害件数は非常に多い。

 家畜化の研究は進んでいるが残念ながら触手の無毒化には未だ成功していない。そのためジェリーを食べるためには狩りをした個体でなければ食べることが出来ない。食用としては味はないもののコリコリとした食感がするため鮮度がよければ刺身に、十分な下処理がしてあれば和え物や酢の物、サラダ、炒め物や鍋になど様々な用途で使われるため状態のいいジェリーはいい値で取引される。

 非常に多くの分類が存在する他1年で成熟しきり一度におびただしい数の産卵を行い、さらに種族的進化や退化周期が著しく短いため短い年数で様々な分類が増えたり減ったりするため絶えず研究対象として扱われている。




・クリーパージェリー もしくは陸棲イソギンチャク

 体長200~250㎝

 主な生息域 帝都領土内一部の森林地域及び市街地等日が当たりにくい場所


 見た目は大きなイソギンチャクのような姿。全身が触手に覆われ頂点に口があるのが特徴。その大きさゆえに人間すらも丸飲みにするがそもそも目も鼻もなく触手に触れない限り獲物に反応できないので、じっと動かないことで一度の捕食で数年生きていることが出来る。

 主に繁殖は単一で行われ口からまるでジェリーにそっくりな幼少個体を放出、風に漂いながら遠くに流されしばらくは大きくなるまで他の生き物に寄生し血を吸って大きくなる。2~3日もすると体長は5㎝程になりそのタイミングで寄生対象から離れ地面に到着する。その後そこに一生留まり徐々に大きくなる。その後は生ごみに似た臭いような酸っぱいような匂いを発し、その匂いに釣られた小動物や虫を捕食しどんどん大きくなりいつの間にか成体のクリーパーにまで成長する。そうなると中型の動物をなんなく捕食するようになる。

 食用にも向かず、家畜化も出来ないくせに街中にも普通に現れるためこの個体が根付く場所によっては通行の迷惑になったりダクトを封鎖したり、家畜を喰ったりと厄介この上ないため駆除依頼が堪えない。一説によれば地域レベルでジェリーの個体数が著しく少なくなるとクリーパージェリーがジェリーの出産母体となると提唱する学者がいるが真偽は定かではない。




・トレントジェリー

 体長500~2000㎝

 主な生息域 帝都領土内一部の森林地域及びホーブへプン島


 見た目は木そのものだがれっきとした動物でありジェリーの近縁種。本体は硬い外皮に覆われ、地面に根付いているように見えるが正確には触手を地面に突き刺しているだけである。一体どうして木に擬態をしようとして、触手を地面に突き刺すような進化をしたのか研究者たちは未だ謎の解明を続けている。

 ただ一つ分かっている事として、トレントの外皮はどうやらカビやキノコのような物だと判明しており、意外にも食用に適していることが判明している。湯に通すことで驚くことにプルプル食感で食べることが出来様々な調理法で親しまれている。

 家畜化はそもそもどうやって個体数を増やしているのか分かっていないため困難を極めている。採取したトレントジェリーの外皮のカビやキノコをジェリーに塗布してみたが結果としてトレントになることはない事は判明している。

 攻撃方法は主に蔓に似た触手を使って攻撃してくる。また木とは違い火で炙ったところで殆ど効果が見られない。逆に寒い時期や冷えたりすると著しく活動能力を落とすことが確認されている。木に擬態しているからか歩いたりすることはないものの固い外皮が削られると体を真横にまで曲げられるようにはなる。




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『獣弓類・四足獣系動物』

 主に四足歩行、繁殖方法が胎生である動物たちの分類。一般的に陸棲哺乳類に分類される犬や猫、象と言った動物達に非常に酷似した姿をしている。



・ウルフ もしくはダイヤウルフ

 体長 90~180㎝   体高 70~90


 主な生息域 砂漠地域を除く帝都領土内全域及び島国含める広域に生息

 見た目はどっしりとした大型犬そのもの、その躯体からは想像もつかないほど俊敏に動くことが出来、群れで行動する習性を持っているため自分よりも大きな得物を集団で狩りをすることもある。並の兵爵は決して一人で出会ってはいけない危険度の高い野生動物。

 ちなみに「ウルフ」は全般的に野生種を指すものであり、家畜化したものを帝国では「ドッグ」と呼び分けている。過去に異界人が無力化したと言うウルフを帝都内に連れ込み死傷者を出した一件があるため現在はいかなる理由があってもウルフの家畜化やペット化は固く禁止されている。

 攻撃方法は主に鋭い牙や爪で攻撃してくる。食用としては筋が非常に硬く加食部が少ない。非常に食用には向かないものの、ホーブへプン島では一般的な食料として狩猟し食べられています。帝国では主に肉よりも毛皮や爪、牙などに価値があり庶民の贅沢な装飾品として加工・販売されています。




・ワーグ もしくはウルフハウンド

 体長130~210㎝  体高 85~120㎝

 主な生息域 ホーブへプン島 グレート・ウィンチェストローズ


 見た目はウルフよりもさらに大きく、毛も深い黒毛のウルフ、ウルフとは異なり一匹もしくは番としか一緒に行動をしない。ウルフよりもどっしりとした見た目や動きをするが狩りをするとなるとウルフと同等以上の俊敏性を見せ、さらには高い知能から原初的で野性的な魔法を使用することが可能。

 ワーグに似た家畜としてセントバーナードに似たドッグ種が存在する。現在野生のワーグは帝国領土地には存在しないが、家畜化した種を逃がし野生化する問題が多発し軍はこのドッグ種の持ち込みを制限している。

 食用としては上記ウルフとだいたい同じであり、肉はホーブへプン島でその希少性から高値で取引され、毛皮や牙や爪は魔法の威力を高めると言う迷信の元、加工された装飾品が多くの魔法を得意とする兵爵達の間で大人気である。ただし紛い物も多いため注意が必要である。




・スカベンジャー

 体長 75~142㎝  体高 60~75㎝

 主な生息域 帝都領土内全域及び島国含める広域に生息


 見た目はひどく痩せ細った小型のウルフ。少数の群れ、もしくは一匹で行動をして狩りではなく他の野生動物が食べた食い残しを漁ることで生きながらえている。

 スカベンジャーには主に二種類いて、ウルフの群れの中で追い出された個体がスカベンジャーとして生きる事になった個体と、両親がスカベンジャーであり元々スカベンジャーとして生まれてきた個体の二つがある。後者の個体は場合によっては非常にずる賢いスカベンジャーである場合があるため決して侮ってはいけない。

 攻撃方法は主にウルフとほとんど同じで、肉や部位に関してはウルフよりも廉価品扱いされがちであるため、人的被害度に対し依頼の引き受け手の少ない野生動物として扱われることが多い。




・ブレードタイガー

 体長 150~250㎝  体高 90~130㎝

 主な生息域 不明


 見た目は大きな二本の鋭い牙を持った大型の猫系野生動物。現在その生態については全くの不明。貿易都市『ヴェリパドキノヴォ』の貿易品の中にあるブレードタイガーのはく製と書物によりその存在を確認。現在観測依頼が継続的に出されている。




・バイコーン

 体長 240~300㎝   体高 140~170㎝

 主な生息域 砂漠地域を除く帝都領土内全域及び島国含める広域に生息


 見た目は頭に角の生えた馬のような野生動物、主に自然界に存在する一般的な野生馬、群れで行動する習性があり基本的には野草を食べるだけで無害ではあるものの、近年匂いに釣られてなのか野菜を運搬する車を襲ったり畑に侵入して作物を食い荒らすなどの被害が増えている。さらに他の動物を見かけた時の気性は非常に荒くそれは人間に対しても同様で非常に危険な野生動物であることには変わりない。

 家畜化には成功しており、温厚な性格をした個体を「ユニコーン」と呼び分けている。ちなみに帝国では野生の個体を「馬」、家畜化した個体を「駒」とも呼び分けている。

 攻撃方法は主に鋭い角で突き刺したり突進したり、硬い蹄で踏みつけたり後ろ足で蹴飛ばしたりする。主に前後に対し危険地帯が存在するためこの個体に対しては常に横からの攻撃を意識すると比較的安全ではある。

 可食部は基本バイコーンよりもユニコーンの方が断然美味しいが、バイコーンに限って言ってもほのかな甘みとさっぱりとした脂身があり、筋肉がついており硬いもののジビエの中では人気が高い。また角も非常に高価でありながら非常に硬く、武器として加工されることも多い。




・ボア もしくはシシ

 体長350~500㎝  体高 180~250㎝

 主な生息域 砂漠地域を除く帝都領土内全域及び島国含める広域に生息


 見た目は豚というより猪そのもの、家畜化されている豚は体長120~150㎝、 体高90~110㎝程度と比較的飼いやすい大きさをしている。これは人の手によって小柄な個体を交配していったため小さな体になったが、野生個体は逆に身体の大きな個体や牙の大きな個体、獰猛な個体が交配機会に恵まれた結果、大きく狂暴な種となった。雑食なため田畑を荒らしたり家畜を襲ったりする討伐優先度の高い野生動物に指定されている。

 攻撃方法は主に突進のみだが、その速度は最速で70㎞/hにも達し、約4mもの巨体から放たれる突進はまさにトラックとの正面衝突と変わりないレベルであり熟練の兵爵でもない限りは命に関わりかねないのだ。

 肉は少し筋肉質な豚肉と言ったところだが、雑食性の為少し肉が臭い。そのためただの焼肉では美味しく食べることが出来ない。それでもその巨体から多くの可食部位を調達できるため最終的にはいい稼ぎにはなる。ボアの牙はあまり人気はない。




・マストドン

 体長500~650㎝  体高 280~360㎝

 主な生息域 帝都領土内の深い密林にのみ生息


 見た目は象、もしくはマンモスそのもの。名前の意味は「絶対的な牙」、その名の通り数mにも成長する二本のキバを武器に、全身はまるで鎧のように固く強靭な長い鼻を振り回したり、プレス機の如く鉄塊のような足で踏みつぶしたりと非常に危険な野生動物。さらに知能が高く原始的な魔法も使用が可能。

 普段は10匹程度の群れで密林の奥で暮らしているため被害は少ない。さらに言えば全体的な個体数も少なく狩猟制限がかけられている。

 だがマストドンの狩猟はいわば兵爵にとっては名誉そのもの、多くの兵爵が命を惜しむことなく挑み、その牙を手に入れる事こそが戦士の誉れ、その牙を加工した武器や装飾品を身に着ける事こそ多くの戦士たちの夢なのである。近年では密猟が問題になっている。

 ちなみに肉は馬鹿みたいに硬い。ゴムやタイヤを食べているような肉とも違う、単純に身がぎっしりと詰まっていて包丁で捌くのすらも一苦労な程である。さらに味もしつこいため調理法を選ばないと美味しく食べるのが難しい食材である。マストドンの狩猟に成功したうれしさからそのまま肉を切り出し焼いて食べようとして後悔する人は永い歴史の中で何人もいるとのこと。




・アルミラージ もしくはエピガウルス

 体長30~60㎝

 主な生息域 砂漠地域を除く帝都領土内全域及び島国含める広域に生息


 見た目は鼻の上に一本、ないしは二本の角を生やした野兎と鼠の中間のような姿をしている。非常に発達した後ろ足で走り、こそこそしながら畑に侵入し農作物を食い荒らす。角で突進したり、噛みついたり引っ掻いたりはするが危険度は低い。だが個体数が多く兵爵1年目の者が対応に当たることが多い、良くも悪くも兵爵入門の野生動物と言ったところだろう。

 家畜化には成功しているが現存する個体には角がなくなってしまい完全な兎やヌートリアに近い動物に変化を遂げた。またアルミラージの肉は非常に淡泊でありながらもゴラドンとも違う馬に似た旨味のある肉質をしている。角はバイコーンとは異なりあまり人気はない。




・ジャッカルローブ

 体長30~60㎝

 主な生息域 帝都領土内東側区域に生息


 見た目は長い耳の前に二本の鹿の角みたいな形のものを生やした兎、アルミラージと比べ生息域が狭く個体数も非常に少ない。また群れで生活をしない特徴を持つ。さらに人間を含めた自分よりも大きな生き物が近づくと一目散に逃げ、その速度はアルミラージや他の野生動物、ひいては車よりも早く逃げることが可能。そのため捕獲数も少なく情報の少なさからアルミラージの亜種、幻の生き物とも言われている。




・チュパカブラ もしくはジャイアントバット

 体長150~200㎝  体高 80~120㎝

 主な生息域 砂漠地域を除く帝都領土内全域及び島国含める広域に生息


 見た目は巨大なコウモリそのもの、木の枝や街中の民家の屋根裏にぶら下がっていることが多い。夜行性であり大きな翼膜を広げて滑空し、家畜やペットに傷をつけそこから流れる血を舐めとる性質を持つ。そのせいで家畜が弱ったり、糞害が発生している。

 元々は数が少なく、弱った家畜の原因を探っていた農家が夜地上を走るこの個体の姿を目撃したのが第一発見と言われており、その姿はまさに身の毛もよだつ恐ろしい吸血怪獣と噂されていた。今では研究が進みその正体も個体数もはっきりしている。

 攻撃方法は主に咬みついたりするものだが基本臆病なため自分から襲い掛かることはない。肉は不味いうえに可食部も少ないため人気はないが、腕と翼膜部分は非常に人気があり、防腐処理などして保存状態をよくしたものが高値で取引されている。




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『ゴラドン系』

 繁殖方法が卵生の動物たちの分類。一般的に空想の存在とされているドラゴンのような姿の他、鳥や爬虫類、恐竜のような姿をしている。皮膚は羽毛や鱗の種類が多く、四足歩行をしている体型のものから二足歩行で腕が翼になっている鳥形態、四足の他に背中部位から翼が生えている個体など様々な形態をしており幅広い分類となっている。ゴラドンの言葉の意味は〈ゴラ〉が[動き回る]、〈ドン〉が[牙、もしくは歯]であり、動き回る牙を持つ生き物を全般的に指す言葉としてこの世界では浸透し、今では分類の一つとしてゴラドンという言葉が使われるようになった。また家畜化したゴラドンはゴラグーンと呼ばれ、ゴラグーンの〈グーン〉は[雇われ者、もしくは家畜]を意味する言葉である。

 一応注意点として野生動物の卵の食用は衛生概念の面から原則禁止されておりここでの記載は省略するものとする。



『竜弓類・四足竜系動物』

 主にゴラドンの中でもトカゲのような四足歩行型爬虫類、陸上恐竜や一般的なイメージとしての背中に翼の生えたドラゴンなどを取り扱う。



・レッドゴラドン

 体長450~600㎝  体高 180~250㎝

 主な生息域 帝都領土内全域及び島国含める広域に生息


 見た目は大きな体に翼、トカゲのような尖った顔に全身が碧とも葵とも思えるような色鮮やかなアクアマリンの鱗で覆われた綺麗なゴラドンそのもの。基本世間一般でゴラドンと言った時に真っ先に連想される個体でもある。

 元々はレッドゴラドンとは別に「グリーンゴラドン」が存在すると言われており、グリーンゴラドンのはく製依頼が後を絶えなかった。だが誰一人としてグリーンゴラドンのはく製を作ることが出来なかった。なんとこの個体は死後色鮮やかな碧の鱗は血のように真っ赤に変色することが近年になって発表され、これまではく製で知られていたレットゴラドンの名を使い続けることとなり、グリーンゴラドンは完全に存在しないものとなった。

 主に大空を飛び下からは空の色に同化しているように見せ、上空から一気に急降下するとその牙と爪で得物を捉え再度飛び上がると、上空から落として弱らせるという狩りを行う。またゴラドン種特有のブレスも使えて、火属性のブレスを使う個体が多い。非常に厄介且つゴラドンとしては相当の実力があり、このゴラドンを斃せると実力のある騎士団として認められる一種の指標となっている。

 食用としては意外にも淡泊な肉質をしており非常に脂身が少なくヘルシーであるため、意外にも男性よりも女性からの人気が高い。一匹からとれる可食部が少ないため比較的高価であるが、そもそも同じ肉質でさらに味も良く可食部の多い家畜のゴラグーンがいる為あまり肉の為に狩る必要性は薄い。だがゴラドンの爪や牙、鱗、翼の翼膜や角など装飾品としての価値も高く加工もしやすいため、その点でも兵爵達にとって討伐人気の高い対象となっている。




・ビーゴラドン

 体長200~300㎝  体高 70~100㎝

 主な生息域 砂漠地域を除く帝都領土内全域及び島国含める広域に生息


 見た目は全身が黄色の甲殻に覆われている、虫のような2対の翅を持ったまるで蜂とゴラドンの特徴の組み合わせたような見た目。その爪や顎による攻撃、短い尾の先端による毒針、さらには毒属性のブレスを使って攻撃するが一匹一匹の戦闘能力および体力は高くなく、ベテランの兵爵なら一人で複数匹同時に相手することも可能。

 ただしビーゴラドンの恐ろしい所は一匹一匹の強さではなくその個体数の多さだ。卵から成熟しきるまでに50日とかからない成長速度、そして一匹の女王個体が一年間で数百匹の個体を生むため帝都国内だけでもおおよそ数百万~数千万匹にものぼると言われている。そのため野生生物ごとにおける人的被害件数及び死傷者数は毎年1位を記録し続けている。そのためビーゴラドンの巣を相手する場合ただのベテラン騎士団だけでなく専門の騎士団の応援も必要とされている。

 成熟個体は残念ながら可食部は殆どなく甲殻は固く中身は筋繊維しかない。内臓も臭く食べれたものではない。だが巣の中にいる幼少個体は甲殻が柔らかいためそのまま食べることが可能。ただし味は好みがわかれる味をしている。成熟個体は甲殻が丈夫なため数も多く軍の装備素材として重宝している。残念ながら毒針や毒袋、毒液などは傷みやすく実用化は出来ていない。当然だが家畜化の研究も全く進んでいない。




・デザートゴラドン

 体長 180~220㎝   体高 140~170㎝

 主な生息域 帝都領土内砂漠地帯に生息


 見た目は小型の2足歩行する肉食恐竜のような感じ。翼を持たない代わりに強靭な後ろ足は砂に足を取られずに走ることが出来、茶色い体色は砂に隠れた際に見えにくくなる擬態色をしているうえ小さな体は砂漠の昼の暑さにも夜の寒さにも強い、基本的に砂の中にじっと隠れ体力を温存し、この個体の近くを歩く獲物に襲い掛かる習性がある。

 攻撃方法は鉤爪のような爪で引っかいたり噛みついたり、砂のような砂利交じりの土属性のブレスを使用する。

 一応家畜化はされており砂漠に適応し移動する足として昔は飼われていたが近年では乗り物による快適な砂漠移動が急激に普及し飼育コスト等様々な面で人気が激減し家畜個体数は大きく減少した。ただラプターゴラドンとの配合で完全家畜化された『ラプターゴラグーン』はデザートゴラドンの家畜化の産物と言ってもいいだろう。

 食用としては脂身には脂肪に水分が多く含んでいるのもあり非常にみずみずしく、赤身も意外にも上品な牛肉の赤身のような肉質をしていて、噛み応えがあり噛めば噛むほど旨味の増すこの肉を砂漠都市では最高級の素材として提供されていたことがある。また皮も砂漠の乾燥に強く、爪なども装飾品に使われるため過酷な砂漠環境を耐えてでも狩りをしたがる人が堪えない獲物でもある。




・シーサーペント もしくはスピノゴラドン

 体長 1500~1800㎝   体高 250~350㎝

 主な生息域 海、もしくは海水と入り混じる河川域に生息


 見た目は手足が生え背中に大きな帆のようなヒレのついた長く巨大な水ヘビのような姿。『海の魔物』の名称で知られており現在でもこの個体が発見されると近海の船は全船出航禁止命令が出るほど。

 そもそも人が思うように動いたり戦ったりできる場所でない海で悠々と動き回り、船を襲い乗組員を一人残らず平らげる海の覇者と言われており、長い間海上船による渡航は王の証を持つ者が乗る船以外は海を渡ることが出来ず、帆浮船や飛行艇などによる空路を使わざるを得ず、事故による着水が許されなかった。とはいえ人間側も永い歴史の中で討伐策を編み出し今ではなんとかこの個体の狩猟依頼が安定して出せるまでになった。

 攻撃方法は長い身体を巻きつけてしめつけたり、その大きな口で獲物を丸のみしたり、水属性のブレスを使ったりと普通のゴラドンと大差はないもののそもそも水の中を主戦場としているという問題を解決しないと討伐は難しいとされている。

 肉質は赤身はまるでマグロを思わせる濃厚な旨味を感じる上品な牛肉のような食感、脂身は非常に甘くさっぱりとした後味で、どちらも生の刺しでも火を通しても非常に美味しい。当然家畜化など出来るはずもなく、この味だけを求めて多くの兵が挑み命を落とすこともあった。当然牙や爪も勲章としての価値が高い。




・麒麟 もしくはブロントジラフゴラドン

 体長 2000~2500㎝   体高 650~900㎝

 主な生息域 帝都領土内西側区域の一部の高原地帯に生息


 見た目は碧い鱗に身を包んだ首の長いキリン、というよりも首長竜そのもの。普段は高原地帯の高い木が多く映えている地域で高い若葉を食べて暮らしている。気性は非常に温厚だがそもそも一歩歩くだけで周囲にまるで雷が落ちたかのような衝撃が走る。それくらい巨大な体躯が動くためひとたび暴れれば収まる間にさまざまな被害を被ることから『触らぬ麒麟に怒り無し』という言い伝えも存在する。攻撃方法は勿論その巨体を生かし全身を振り回すだけでも脅威だが、長い首を高く上げてからの雷属性のブレスが非常に強力。そもそも関わるだけ損することが多いため討伐依頼は討伐そのものがしたい希望者が出た時くらいしか依頼が出ない。

 肉質は残念ながらゴムを噛んでいるような硬さがあり、それでいて淡泊な味らしく、二度は食べる気が起きない味をしているらしい。また大きさの割に使えそうな部位などもあまりなく、殆どが肉で出来ているためそういった意味でも討伐の意味も薄いと言われている。だが肉食獣たちにとっては食べる部位が多く量が稼げるため狩りの対象として見られることが多い。

 家畜化についてはそもそも大きすぎるため飼育が困難であり、人間環境で生活させるには窮屈であったため断念している。昔は帆浮船を使った間近で見るツアーなどもあったが麒麟と接触した墜落事故などがあり今では禁止させられている。




・グリゴーン

 体長 260~320㎝   体高 150~180㎝

 主な生息域 帝都領土内南側区域に生息


 見た目は体前半分が鷲、後半分がライオンの姿をしている。普段は一匹の雄と複数のメスで構成された群れで生活をしており、狩りは雌だけで行われる。背中に鷲の翼が生えており空を飛ぶことも可能だが狩りや非常時以外では主に地上で生活をしている。だが子育ての時には雄が自分の雄の子供を高い谷に連れていき、そこから突き落とし自らの翼で羽ばたいて戻れた子だけを育てると言われており、事実かは分からないが『翼獅子は我が子を谷につき落とす』という言い伝えが今でも教育現場で使われている。

 性格は基本お腹が満たされていれば無害だが、空腹状態だと大型トラックですら襲うとされ、機嫌はグリゴーンのお腹次第である。攻撃方法は鋭い前足や嘴で襲い掛かる他、風属性のブレスを使用する。

 グリゴーンそのものの家畜化は成功しなかったが、駒との配合によって生まれた体前半分が鷲、後半分が駒の姿をした『ヒポグリグーン』が家畜として現在も帝国国内で大事に飼育されている。

 残念ながらグリゴーンの肉は非常に筋っぽくて硬く美味しくない。それと比べヒポグリグーンは非常に柔らかく甘い肉となっているためグリゴーンの肉は人気が全くない。だがグリゴーンの部位は人気があり、特に毛皮は裕福の象徴という迷信もあり毛皮や一匹丸ごとのはく製などは非常に人気が高い。




シフゾウ もしくはセイントディアーゴラドン

 体長 260~320㎝   体高 150~180㎝

 主な生息域 帝都領土内東側区域に生息


 見た目は頭が鹿、身体が馬、蹄が牛、全身にゴラドンの鱗と背中に翼、尾もゴラドンと様々な野生動物の特徴を兼ね揃えているがそのどれともにつかない姿をしている。正確は非常に温厚で普段は人がある程度近づいても襲ってくることはなくただ野草を貪るだけで畑にも侵入とかしたりしない数少ない人畜無害な野生動物。それどころか他の野生動物から襲われてもその背に生えた翼で一目散に逃げる為平和の象徴の動物ともされている。

 個体数はまだ少ないが家畜化にも成功しており、シフゾウそのままの家畜として管理を進めたり、駒との配合で翼の生えた駒として『ペガサス』を家畜として飼育したりと幅広く人間と共存に成功した近代の野生動物の一種。ただここ最近は野生の個体の減少が進んでおり個体保護のために狩猟制限が設けられている。攻撃方法は主に光属性のブレスを使うが、戦うより人を乗せて飛び走る方が好きみたいで軍用としてよりも家畜や愛玩用としての人気の方が高い。

 食肉としては馬肉より甘くはないがあっさりとした味わいの中から深い味が染み出て、脂身がレッドゴラドンよりもさらに少なく栄養素も豊富に含まれており、健康志向やダイエット食としても近年非常に人気が高まっている。またその立ち振る舞いから角などは神聖なものとして崇められることが多く、一部界隈ではこの個体の血肉を取り入れることは肉体の浄化と説いているのだが、そういった根拠などは一切ない。




GX (グリズリーレックス)

 体長 500~550㎝  体高 230~300㎝

 主な生息域 帝都領土内におけるごく一部の侵入禁止危険区域指定内


 見た目は龍の鱗が鎧のように生えている巨大なヒグマ、非常に獰猛且つ狡猾…その危険度は王の証を持つ者ですら決して油断ならないほどであり野生動物最強の名に相応しいと言われている。そのためこの個体が人の多い場所に近づくことがあれば即座に軍は緊急体制をとり全勢力を以て討伐に掛からなければならず、過去にはティストレイ連邦側にこの個体の発見が報告された際に一時的に戦争は中断し、両国の協力で討伐を果たしたという記録が残っている。当然ではあるがこの個体の討伐に成功すれば最高級レベルの名誉と報酬がもらえると言われており、兵爵ランキング最上位はこの討伐に参加したものが半数を占めている。

 戦闘はその巨体からは想像がつかないほど俊敏に動き回り、鋭い牙や爪で鋼鉄すら粉砕する。さらにゴラドン特有のブレスも使える。しかもどの属性のブレスかはその個体ごとによって異なるためどの属性が多いなどという断定が出来ない。




『竜弓類・二足竜系動物』

 主にゴラドンの中でも鳥のような二足歩行、腕が翼や皮膜翼になっているゴラドンを取り扱います。体も鱗よりも羽毛である種が多いのも特徴です。



コカトリス

 体長 250~400㎝  体高 160~220㎝

 主な生息域 帝都領土内の森の中に比較的多く生息


 見た目は尾からヘビの尻尾の生えた大きな軍鶏、普段は非常に穏やかで飛行能力がないゴラドンの中では珍しく蹴爪で走って得物を捕まえる肉食性を持つ。人が襲われるケースは非常に少ないが、もし万が一見つかれば得物と勘違いし強力な蹴爪で切り裂かれ嘴でついばまれる。また非常に好戦的でもあるため少しの刺激でもすぐに興奮するため注意が必要。ただしこの個体は頭が悪いのか目が悪いのか(※最近の研究では視覚的進化による弊害と判明)、動いているものに対する反射神経はいいが止まっているものを見た時に正しく認識できないという特徴があるため、昔から「コカトリスに睨まれたら石のように固まって動くな」という言い伝えが各地に伝わっている。

 またゴラドン特有のブレスは泥状のような土属性のブレスを扱う個体が多く、対象をまるでコンクリートのように固めることが出来るが、そのせいで固めた敵が認識できなくなるためなぜこんなミスマッチな進化を遂げたのかという謎を解明しようと日々研究が続けられている。

 肉質はそれこそ鶏肉にとても近いものではあるものの野生で育った為非常に筋肉質で筋張っている。もし食べるとしても家畜の鶏肉で充分であり食用価値としての狩猟はあまり求められていない。




バジリスク

 体長 250~400㎝  体高 160~220㎝

 主な生息域 帝都領土内の森の中に比較的多く生息


 見た目はコカトリスの羽毛が緑色の鱗に変わっているような感じ。まるで2足歩行で歩くデカいトカゲ。大まかな特徴はコカトリスに非常に類似している、ただし鋭い蹴爪は無く代わりに鋭い牙が存在する。またコカトリスにはないピット器官のようなものを兼ね備えておりこのおかげで動かない獲物でも襲うことが出来る…という訳でもなく動かない獲物には全く反応を示さない。じゃあ何のためにそんな器官をもっているのか多くの研究者たちは頭を悩ませることとなった。

 ちなみに肉質はコカトリスよりかは魚のような淡泊さが加わった味がするらしく、スープや唐揚げの他、白焼きや蒲焼などで美味しく食べることが出来る。家畜化には成功しておらずこの個体の肉質は他の肉では代用しにくいため一定の通から要望が絶えない。




レイブンゴラドン

 体長 65~70㎝  体高 35~50㎝

 主な生息域 帝都領土内全域及び島国含める広域に生息


 見た目は少し大きめなカラス、小柄でかなり知能が高く人間の使っている道具の本質を理解して嘴で器用に使うことが出来る。また他の動物が狩りをしているところを横取りするまで隠れていたり、得物が弱るのを待ってから襲うなど本来野生動物では非常に珍しい「機会を伺う」という行動を取ってくる。それだけでなく群れでも行動することがあり、群れで弱そうな相手を集中狙いするなど狡猾な戦術も取ってくるため注意が必要だ。

 攻撃方法は嘴や蹴爪で襲ってくる他、上空から石を飛ばしてきたり、呪属性のブレスを使ったりと多彩な攻撃方法を使ってくる他、鳴いたり誘導したりで他の野生動物をけしかけさせるなどの行動もすることがある。ちなみに家畜化には成功しており、人が跨がれるサイズ『ヤタノレイヴン』や、従来よりも小柄でペット人気の高い『レイブンゴラグーン』がおり帝国ペットランキングでも上位をキープしている。

 また以外にも肉は濃厚な味わいのある鶏肉をしており、どの部位も非常に美味しいがその姿見た目がゴラグーンと非常に似ているからペットとして可愛がっている人からは敬遠されるなど複雑な立ち位置にある。そのため、高級食材として取り扱う事で一部の物好きしか食べないような仕組みになっている。特に現在のグレート・ウィンチェストローズではレイブンゴラドンを食べることどころか殺す事さえも法律で禁止されており年々その個体数は増加傾向にあり、グレート・ウィンチェストローズから飛来する個体が問題となっている。




ゴールドホーク

 体長 200~240㎝  体高 150~170㎝

 主な生息域 鉱山都市『ビストリタルノフスティア・グルィツァ』山岳周辺


 見た目は全身が金色の鷹。その姿で大空を悠々と飛ぶ姿から昔から人は魅了され崇拝するものまでおり、この個体のはく製は吉兆や幸運の象徴として非常に人気があった。だがその性格は非常に危険で、人間程度の獲物なら軽々と持ち上げ上空から落としてその肉を食らう。崖際の獲物もその強靭な足で蹴り飛ばし滑落させるといった豪快な狩りをする。またレイブンゴラドンとは仲が悪いらしく狩りを終えた後レイブンドラゴンに獲物を取られないよう追い払ったり、獲物を隠したりもしている。

 戦闘方法はその強靭な肉体でぶつかったり翼で叩かれただけで並の生き物は骨折する程、強靭な蹴爪や嘴で攻撃したり、光属性のブレスを使ったりもする。また家畜化にも成功しており、少し小柄になった鈍い金色のトンビのような見た目の『金鵄(きんし)』がおり人を乗せて飛ぶことが出来る。

 肉質は鶏肉とは思うがそのあまりの筋肉質さにまるでゴムとは比べ物にならない、人の顎の力ではとてもじゃなく食べることのできない硬さをしており、もはや砕くと言っていいほど叩いたのちにしっかり煮込むことによってようやく食べることが出来るが、そうして食べたこの個体の肉の感想の殆どが、この個体としてのうまさを感じれないというものなため食用にはあまり向いていない。そもそも家畜の肉の方が圧倒的に美味しい。一応出汁としては独特の風味を出すためそう言った用途で使われる。また各部位が黄金色をしているため装飾としてかなり重宝されたり、はく製としてもいかに黄金色を色褪せずにはく製するかによって腕が問われるため、そう言った方向での人気の高さがうかがえる。




モア もしくはラプターゴラドン

 体長 280~330㎝ 

 主な生息域 帝都領土内北東部の森の中に比較的多く生息


 見た目は首が長く羽毛が深い巨大な駝鳥のような生き物。飛行能力のない点で言えばコカトリスと共通しているがこちらはコカトリスとは異なり草食性であるため滅多に人を襲う事はなく群れで穏やかに暮らしている。どちらかというと天敵に襲われた際に群れ全体がパニックを引き起こし、その巨体で暴れパニックに巻き込まれて負傷や命を落とすことがある。

 一応攻撃方法としては嘴でついばんだり、その筋肉ダルマのような丈夫な体で突進したり全体重で踏みつけたりといった攻撃方法をとれるが、この個体の最大の特徴は走ることだ。この個体は全速力でおよそ70㎞/hもの速度で何時間と走り続けることが可能であり、さらに人を乗せたままでも同じだけ走り続けることが出来ると言われている。その能力を買われ人が乗り降りしやすいサイズにまで小型化させ家畜化させた『ラプターゴラグーン』は個人の移動手段として、ケガや病気にも強い体質のおかげで非常に人気が高い。

 肉質はゴールドホーク同様に食べれたもんじゃない程硬く、やはり家畜の方が断然美味しい。また出汁としても特筆する程の美味しさもなく、希少部位も価値が高いわけでもなくはく製としての人気もいまいち。そもそも狩猟としてもリスクに見合ってなかったり、群れで丸ごと捕獲出来たりと現代の帝都にとってはかなり価値の低い個体ではある。だがこの個体の群れが村周辺でパニックを起こした際の被害は大きいため保護観察や討伐の必要性は重要である。




ワイバーン もしくはプテラノゴラドン

 体長 550~700㎝  体高 200~300㎝

 主な生息域 帝都領土内全域及び島国含める水辺に生息


 見た目は細い身体と長い腕に繋がっている大きな皮膜が特徴的な、長い嘴を持つ二足のゴラドン。その大きな皮膜を使って飛ぶと言うより滑空をしている方が得意であり一日の大半を危険な地上よりも比較的安全な上空で過ごしている。水辺に多くいるのは主食である魚を食べる為であり十数匹の群れで魚のいそうな水辺に長く滞在し魚が少なくなると移動する習性を持つ。そのためこの個体が多く飛んでいるところは魚が多く生息していることを表していたが、この個体自体気性が荒いため魚だけでなく人間を襲うことがある。攻撃方法はついばんだり蹴爪で引っかいたりする程度、空を飛ぶことに特化させるため身体は軽く柔らかく、体力もそんなにないため突けば落とせるほどに脆弱ではある。

 肉ははっきり言ってマズイ上に可食部も殆どない。薄い皮膜は丁寧になめせば極薄の皮を作ることが出来る為一応の需要はある。家畜化は残念ながらあまり進んでいない。




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『シンリュー系』

 主にねばねばした体で這うようにして移動し、酸性の口液で対象を熔かし捕食する。繁殖方法は卵生であり、かつてはゴラドンが使うブレスに似た攻撃手段からゴラドンとの深い関係性を持つ生き物として言い伝えられてきたが最近の研究でシンリューとゴラドンとの間に種としての関係性は全くないことが判明した。殻を持つタイプと殻を持たないタイプの二種類が存在する。基本的に家畜化は不可能とされている。



タツノイミゴ

 体長 40~55㎝  体高 20~25㎝

 主な生息域 砂漠地域を除く帝都領土内全域及び島国含める広域に生息


 見た目は大きなナメクジそのもの。夏の暑い時期と冬の寒い時期、砂漠地帯以外ならいつでもどこでも野外に現れ、昼だろうが夜だろうがお構いなしに、酸性の粘液で鉄でも布でも毛皮でも生きているものでも何でも溶かしながら何でも食べるためその見た目も相まってとにかく嫌われている存在。さらに雨季には大量発生するためキャンプする際には注意が必要だ。現在帝国にはタツノイミゴ用の忌避剤や防食グッズなどが販売されているためどんな時でも買っておくのがよいだろう。

 勿論ではあるが食用としては向いておらず、それどころか腹を下す可能性が非常に高いため絶対に食べてはいけない。というか他の野生動物も空腹だったとしてもこの個体を襲うことがない。戦闘をすることはめったになくシンリュー特有の幻覚能力もなく襲われたら人の歩く速度よりも遅いスピードで逃げるが、一応酸性の粘液のブレスも使える。ただし酸度は低くすぐに水で洗えば殆ど被害はない。狩る価値はないが討伐をしなくちゃいけない、ジェリーよりも弱い最弱の生き物だ。




フタツノカラツブリ もしくはシンリュー

 体長 130~150㎝  体高 80~100㎝

 主な生息域 帝都領土内湿地帯区域、島国含める広域、雨季の帝国領土内全域


 見た目は非常に大きな蝸牛そのもの。普段はその姿を見ることが出来ずシンリュー特有の『幻覚』の中に身を潜めている。この幻覚は無臭・不透明白濁色の霧でありこの個体の吐く酸性の息が霧状となって周囲に滞留したもので、その霧を吸い込むと一時的に正常な状態でありながらも脳がマヒし酔っているような感覚に陥り、まるでその対象にとって心地いい場所に居るかのような幻覚を思い浮かべてしまう。そのため永い事その幻覚の中に留まってしまい体力を奪われ力尽きた対象を捕食するのである。

 非常に厄介に思えるが基本的に並の人間なら入った段階でこれは幻覚だろうと察することが出来る為その霧の中に留まらず来た道を戻れば殆ど被害は受けない。それでも泥酔した人や憔悴した人、無知な子供が被害にあうケースは記録にある。また群れで動く野生動物には群れの中にいると言う幻覚に陥りやすく引っ掛かりやすいと言う研究データがある。

 そのほか攻撃方法としてはゆっくりとした動きではあるがその巨体を生かして押しつぶしてきたり、粘液のブレスで動きにくくしたりしてくるが基本的には戦闘自体は苦手そうにしている。ちなみに味としては非常に珍味であり、寄生虫や食中毒対策で充分加熱する必要があるが人気の高い食材として取引されている。




ジャノメ

 体長 300~340㎝  体高 200~240㎝

 主な生息域 帝都領土内の深い密林にのみ生息


 見た目は巨大な鼠色のナメクジもしくはウミウシのような姿、シンリュー特有の『幻覚』能力は主に自身の周囲に土砂降り雨を降らせること、この雨は実際に降っているわけではないが雨に当たる不快感や寒気、身体に掛かる重圧感などを感じそれだけで体力や気力を奪う。そしてなによりこの個体は他のシンリュー種の中では珍しく好戦的であり、獲物を見つけるとその巨体で襲い掛かる。なによりそもそもこの個体の周囲に漂う幻覚の所為でベストパフォーマンスで戦うことが出来ずかなりのベテラン兵爵でも苦戦を強いられる相手。さらに強力な酸性のブレスを使用することがあり、その酸度が非常に高く皮膚が爛れるだけでなく目に一滴でも入れば一生目が見えなくなるリスクすらある非常に危険なものであるため戦う際には細心の注意が必要としている。

 肉質はかなりの弾力を持ち独特の旨味がある他、はく製としても人気があるが、何よりこの個体を討伐できる兵爵となればかなりの名誉であるため討伐を夢見る兵爵も多い。ただ一度戦った兵爵曰く他の野生動物なら何度でも戦う気は出るが、この個体だけは2度と戦いたくないと言われることが多い。

 ちなみにこの個体の周囲にだけ土砂降り雨が降ることから、昔の人達は夕方に一瞬土砂降り雨が降るとこの個体が近くを歩いたとされ、『夕方子供を外で一人にしてたらジャノメに攫われる』という迷信が広まって夕方の雨の前には子供を建物の中に入れる風習が広まったとされる。




クトゥーリュー (九頭龍)

 体長 800~1000㎝   体高 400~450㎝

 主な生息域 不明


 見た目は半透明な巨大な体をしており頭と思われる部位と体と思われる部位が存在し、体と思われる部位からは2つの翼のような腕を生やしその腕でバランスをとるようにして宙を漂っている。だが生きている時のその正確な状態を確認する方法はまだない。その最大の理由はこの個体特有の『幻覚』能力にある。

 この個体を視認・認識した生物は例外なくこの個体の事を「美しい」「可愛い」「敬愛」「尊敬」「害を与えてはいけない」といった非戦闘対象として認識。人間で言えば絵にも描けぬ美しい女神のような存在として認識し、ありとあらゆる武力の放棄を自らの意思や意識で行い無力かつ無気力状態となり、このような幻覚症状に対して抵抗する事はほぼ不可能とされている。

 そして無力化した対象に対してこの個体は頭頂部を開き9つもの触手を伸ばし丸飲みするような形で捕食を行う。その捕食姿こそが真の姿と言われており九頭龍、クトゥーリューと呼ばれいくつもの国を滅ぼしてきた災禍の生物のうちの1種として恐れられている。

 だがその災禍の生物と言わしめるこの個体にまで成長するのはこの種類の全体の1割にも満たない。出産時期に1㎝程度の多くの幼体を出産するがその個体は非常に弱くありヒエラルキーの最下層に位置しあらゆる弱小生物にとって丁度いい餌として大幅に数を減らしてしまう。辛うじて生き延びれた個体も寄生先が近くにいなければ2日で餓死し、そしてようやく寄生出来た個体も家畜だったら飼い主に引きはがされ殺されたり、同じ寄生先に大量に寄生していると充分な食料にありつけずに全滅すると言う過酷な運命の中で、ようやく数千匹に一匹が寄生先から十分な血を吸い取ることが出来てようやく子供のサイズになります。それから狩りを成功させ徐々に大きくなることによって幻覚能力にも開花し災禍と呼ばれる成体にまで成長するのです。

 この個体は基本的に討伐依頼が出されることはなく、存在が確認された後はその地域周辺を最厳重警戒地域として指定し周辺住民の避難及び進入禁止令を発令、国家レベルでの討伐対策本部が設置されます。

 ちなみにこの個体の討伐後の肉などは殆ど食べるに値しない程食用に向いておらず、現在までその全身部位の活用法などは定まっていない程度に研究が全く進んでいないのだ。




サバクセンコウトビシロシンリュー もしくはオオフナクライ、サンドワーム

 体長 1100~1400㎝   体高 360~420㎝

 主な生息域 砂漠地帯全域


 見た目は細長くぶよぶよとした体の先端に口と思われる部位がついているだけの姿をしており、その口には鋭い牙のようなものが見えるがその実態はなんと口ではなくシンリュー特有の二枚貝であり、その二枚貝を捩じることで対象をガリガリと削るのである。

 普段は砂漠の地中を掘り進み、砂漠のいたるものに襲いかかる。特に砂漠を移動するための木造の砂上船を好んで襲う。そのため砂上船にはオオフナクライ専用の忌避コーティングが推奨されている。

 またシンリュー特有の幻覚能力もありこの個体が吐いた酸性の霧状の息が砂漠の熱気や太陽光の屈折などによって鮮明な蜃気楼を生み出すことが可能であり、旅人を惑わし弱ったところや自身の真上で休ませ丸飲みすることもある。

 肉質は意外にも可食が可能であり砂漠にいるとは思えないほどプルプルとした食感をしている。ただかなり砂混じりであるため充分砂を洗い落とす必要があるし、寄生虫などはいないにしても生食は非推奨されている。貝部分は非常に頑丈な刃になっているため加工され道具や武器に使われている。ちなみにこの個体の特徴に着眼した現在の掘削技術は鉱山都市の採掘現場で活用され作業効率向上に一役買っている。

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