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女装が似合う男の子は好きですか?(本人は乗り気ではない模様)

後悔先に立たずなんて言うが本当にそう思う、「女の子の格好をする」と言うのを条件に魔法を教えてもらう約束をしたが俺としては魔法を教わった後に「着替えるとは言ったがすぐにとは言っていない」と言って逃げるゲスな行為を考えていたがクーねぇにそれを先に実行されるとは思わなかった、アーねぇとクーねぇとレイに好き勝手弄られた後にクーねぇに約束を切り出すと「今とは言ってないでしょ」と言われて魔法は結局教えてもらえなかった。


そんな悲しい事件から数ヶ月経った、アーねぇとクーねぇは未だに食堂の手伝いに行っていない、なんでも二人共俺が魔術学校に入学するまでは手伝いはせずに俺たちの面倒を見るのと言ったらしい、父さんも最初は難色を示していたけど最後は根負けして許可を出したとのことだ。


朝食も終わって4人でイスに座って話をしていると扉を叩く音が聞こえた、父さんも母さんも今日誰かが来るなんて言っていなかったはずだ、強盗とか人攫いの類じゃないとは思うけど。


「アリアと私は見てくるけど、二人は来ないようにね」

そう言ってアーねぇとクーねぇは玄関の方に行った、強盗とかの類を警戒しているんだと思う、二人なら対処できるだろう。

二人を待っているが反応がない、嫌な想像が頭の中で思い浮かんでくる、手遅れになる前に玄関に行ったほうがいいかな。


「レイ、ちょっと待ってろよ」

そう言って俺も玄関の方に行った、レイまで連れて行く訳にはいかない、連れて行って4人ともなんて事態だけは避けたい。


「・・・な・・・して・・」

「な・・・に・・・す・・・ですか」

玄関に近づくたびにアーねぇとクーねぇの声が途切れ途切れに聞こえてくる、嫌な予感がどんどん膨らんでいく、一応男だしアーねぇとクーねぇを助けないと。


「アーねぇ、クーねぇ、大丈夫!?」

意を決して玄関を見ると。

「トキ君、久しぶりね」

「トキ、久しぶり」

そこにはアーねぇとクーねぇを抱いていた、リスさんとそれを見ているサイが居た。


玄関に行ってから帰ってこなかったのは単にリスさんがアーねぇとクーねぇに抱きついていたのが原因だったらしい、サイの方はリスさんの方を羨ましそうに見ていたし、それにしてもサイは背が伸びたな、150cmは超えているんじゃないかな。


「そうね、少しお邪魔するわね」

「お邪魔します」

アーねぇとクーねぇを開放したリスさんとアーねぇとクーねぇに視線を送っているサイが家の中に入ってきた。


「レイ、久しぶり!」

テーブルのある部屋に入るとサイは一目散にレイの元に駆け寄った、いつもはホッペのキスから始まるのにそれが無い、べっ別にさみしいわけじゃないんだからね。


「サイお姉ちゃん」

レイも気付いたのか椅子から降りて両手を広げてサイが抱きつけるようにしていた、アーねぇとクーねぇの目が死んでいるように見えるけど気のせいだよな、今はサイとレイの抱擁を目の保養にしよう。


「「ねぇ、トキ」」」

サイとレイの抱擁を目の保養にしているとアーねぇとクーねぇから声がかかった、ハモった声を聞くのは結構久しぶりな気がする。

「何かな」

質問の内容はなんとなくだが予想がついている、天が与えた残酷な結果についてだろう。


「なんでサイってあんなに胸が大きいの、トキは巨乳が好きなの?」

「なんか不公平だと思わない?」

案の定である、なんで神はそんなものにコンプレックスを感じるように人を作ったのだろう、大きいも小さいもどっちでもいいのに。


「大きいも小さいも関係ない、そこに山があるのだから」

なんか悟りを開いてしまった、ちなみにこの世界にも山は存在する、むしろ前世と違って山の方が多い、山の奥地になると凶暴な魔獣が生息しているから開梱が難しいらしい。


「訳が分からないけど馬鹿にされた気分」

「そうね」

俺だって訳が分からないがなんか濁すのに精一杯になって出てしまった、大きいも小さいも関係無く愛せると思うんだけどな。

ちなみに俺は胸も見るけど足を重視します。


「トキ君はサイがレイに甘えて寂しいんじゃないの?」

アーねぇ達と話していると後ろからリスさんに話しかけられた、寂しいけど俺だけじゃなくみんなとのスキンシップを楽しみたいのだろう、俺が一番じゃないのは少し寂しかったけど、これって独占欲なのかな。


「少し寂しいですね」

「お姉さんが慰めてあげよっか」

リスさんがそう言いながら後ろから俺を抱きしめてきた、背中に母さん、アーねぇ、クーねぇからは体感できない感触が背中に感じる、リスさんもサイの遺伝子の元というだけあって大きい、凶器であるといえる、男を惑わし堕とす一撃必殺の凶器だ。


「サイの方がいいです」

「あらあら振られちゃったわね」

そう言いながらリスさんは俺から離れた、目の前では未だにサイとレイの抱擁が続いている、長すぎやしませんか?


「アリアお姉ちゃん、クレイお姉ちゃん!」

レイとの抱擁が終わったのか今度は俺の近くにいるアーねぇとクーねぇの方に走ってきた、胸が揺れる揺れる、いやぁ、眼福眼福。


「サイ、久しぶりだね、本当に大きくなって」

アーねぇとクーねぇがサイを二人で抱きしめていた、本当に大きくなったよな、本当に。

それでも俺とのスキンシップが最後かぁ…寂しいなぁ、将来は彼女を束縛しない男にならないと、それが原因で破局なんて真っ平ゴメンだ。


「それでリスさんは何しに来たんですか?」

アーねぇ達とサイが抱擁をしている間に要件を聞くことにした、母さんが仕事に出ているのは知っているだろうに、どうしてきたんだろう。


「もう少しで学校に入学するし、将来の義息むすこに会いに来ただけよ」

確かにもう少しで俺は魔術学校にサイは…剣術学校だったかなそれに入学することになる、卒業までは簡単に会うことはできなくなる。

それと息子の発音がおかしいと思うが、そっちの発音はまだ早い。


アーねぇとクーねぇとの抱擁を終えたサイが俺の方に歩いてきた、最後だし、長く抱擁するか。

「トキ…」

「サイ…」

目と目が合うと言いたいが今はサイの方が高く俺が見上げている感じだ、成長期過ぎるだろ、俺にも成長期来ないかな。


「トキって背が小さいよね」

「お前がデカイだけだろ」

全く、いきなり失礼な事を言いやがって、ちょっと、ほんのちょっと大きいからって人のことを小さいなんて言っていいはずがない。


「トキとサイが不仲なのか」

「これは、どうなるかな」

アーねぇとクーねぇが興味深そうに見ている、俺だって背の大きい小さいで不仲は想像してなかったぞ。


「サイが成長期なだけで俺はまだ成長期じゃない」

「トキ、小さい方がいいと思うよ、女の子の格好似合うし」

「そうよ、トキ、似合ってるから」

アーねぇとクーねぇは小さい方が良いなんて言っているが大きい方がいいし理由が最悪すぎる。


「トキの女の子の格好…」

サイが俺の顔を見ながらつぶやいていた、二番目に聞かれたくない人に聞かれて興味を持たれてしまった、ちなみに一番聞かれたく無いのはリスさんだ、あの人一番悪乗りしそうだし。


「トキ君、ちょっとこっちに来てちょうだい、お姉さんとお話しましょ?」

いつの間にかリスさんが俺の後ろに立っている、嫌な予感しかしない、話を聞いていたようだ。

お姉さんには厳しい年齢だが、間違えて「おばさん」なんて言うと殺される気がするから黙っておこう。


「リスさん、話ならここで聞きますよ」

離れた場所に行って抑えられてアーねぇとクーねぇのコンビネーションで着替えさせられるなんて事になると思うと味方になってくれるレイとサイが居る此処で話したほうがいい。


「トキ君の女の子の格好見てみたいなぁ」

顔の横に息がかかる程度まで近づいてきたリスさんが囁く、見たいと言われてもな、あれは出来ることならやりたくない。


「嫌です」

「残念ね、強引なのは嫌いだけど」

リスさんがそう言うと俺の肩を抑え始めた、振りほどこうとしても力が強く振りほどくことができない、と言うか強引なのが嫌ならやらなければいいのに。


「リスティアさん、私たちはどうします?」

「そうね、おすすめの服を2~3着持ってきて」

状況を一番早く理解したアーねぇがリスさんに話しかける、リスさんもそれに応えアーねぇに指示を出す、サイとレイは状況が飲み込めず俺を見ている、俺を見ているだけじゃなく出来ることなら助けて欲しい。


「トキ君が悪いのよ」

「何がです?」

悪い点が見当たらない、場所を移して話してもどのみち着替えさせられる運命だと俺は思う。


「トキ君がどっちつかずなのがよ」

「意味が分かりません」

「もう少し男の子っぽかったら私は何も言わなかったのに」

リスさんの言葉が少しおかしい、酒でも呑んできたのかなそう思ってしまう、それに俺だって男の子っぽい方がよかった。


「リスティアさん服を選んできました!」

アーねぇが服を3着持って降りてきた、どれもワンピース型だ、見るだけなら良いが着ると思うと胃の辺りが痛くなる。


「それじゃ、クレイちゃん、トキ君を脱がせてちょうだい、それとサイとレイちゃんは向こうを向いておいてちょうだい」

リスティアさんが各人に指示を飛ばす、その間も俺の肩から手を離すことはなかった。


「トキ、脱がすから」

クーねぇがそう言うと慣れた手つきで服を脱がせ始めた、抵抗をしてみるがお構いなしといった感じに服を一枚一枚剥ぎ取られていった。


服を全て脱がされて今はパンツ一枚しか身に纏っていない、少し腹筋が割れているとは言え、半裸は恥ずかしい。

「トキ君は見た目とは違って筋肉がついているのね、サイのためかしら」

リスさんが俺の体を見たり触ったりして堪能しているが、手つきがいやらしい、例えるならショタを食い物にするお姉さんといった感じだ。


「サイのためもありますけど、自分のためです」

昔、家族を…自分の大切の人を守ると誓ったからこそ体を鍛えることができた、誓がなかったら少しずつ怠けてここまで鍛えることはできなかったと思う。


「へぇ~、サイ、こっちを向いてちょうだい」

納得したような声を出したリスさんがサイにだけこっちを向くように言った。

「何?」

サイは俺の方を向くと何か察したように俺の体を上から下へとじっくりと見始めた、そんなに見ちゃイヤン。


「トキ、結構鍛えてるね」

「まぁな」

サイの感想に照れ隠しな感じで素っ気なく答えるけど、こうやって鍛えている部分が褒められると悪い気分にはならないな。

「サイにも鍛えた証を見せたんで服をきますね」

「何言っているの、お楽しみはこれからでしょ」

いい感じにまとめて女の子の服を着ると言う事態を避けようとしたがリスさんに止められてしまった。


「それじゃ、着替えさせるわよ」

クーねぇがそう言うとワンピースを着させ始めた、サイにもその光景を見せてしまうことになった。

「サイ…頼む…見ないでくれ」

羞恥心のあまり顔を右に逸らしながらサイに別方向を見てもらうように頼んだ、女装という行為は何度もさせられているけどサイに見られるのは何故かものすごく恥ずかしい。


「トキ、女の子みたいになってるよ」

「クーねぇは黙っていてよ」

クーねぇの冷やかしに少し恥ずかしさが消えたが恥ずかしいものは恥ずかしい、サイも俺の顔と声から判断したのかレイと同じく後ろを向いてくれた。


「はい、着替え終わり」

クーねぇはそう言うと立ち上がってサイとレイをこっちに向くように指示を出した。

「トキは…女の子?」

「お兄ちゃん…ん~…お姉ちゃん?」

サイとレイの反応がおかしい、レイは何度も見ているだろうに。


「私も…トキ君似合ってるわよ、お姉さん驚いたわ」

リスさんも俺の前に回って感想を述べている、みんながみんな可愛いと言うと本当に自分自身の性別を疑ってしまう、ゾウさんがついているけど本当は女の子なんてオチすら考えてしまう。

後、リスさんはお姉さんと呼ぶには少し厳しいと思う。


「トキはサイとリスティアさんが帰るまでその格好ね」

いつもなら着替えて一通り堪能したらいつもの服に戻っても良いというのに今回はアーねぇからサイとリスさんが帰るまでといった条件まで付けられた。

「嫌だと言ったら?」

リスクが軽いなら着替えたいし断った場合のリスクを聞いておこう。


「魔術学校の制服を女の子用の方で着てもらうから」

俺の4年間をフルに活用したどぎついリスクが待っていた、たった数時間着ないだけで4年間とは、この姉、恐るべし。


「それじゃ、私はトキ君の事をトキちゃんって呼べばいいのかしら」

「いつもどおりにお願いします」

リスさんが悪乗りをしそうだったから釘を刺すことにした、ちゃん付けなんて勘弁して欲しい。


「トキ、こっちに来て」

サイに手を引っ張られて俺の部屋まで連れてこられた、まさか、「女の子の格好が似合う男子なんて嫌いよ」なんていう別離宣言じゃないだろうな。

「なんだよ、部屋まで引っ張ってきて」

サイに抗議をするがサイの真剣な目を見て言葉の続きが言えなかった、どことなくシリアスな空気になっているが今の俺はワンピース姿だ。


「トキは…なんで魔術学校じゃなくて剣術学校に行かないの?」

サイからの突然の質問、間近に控えた学校選択についてだった、俺が剣術学校じゃなくて魔術学校を選んだ理由はこの自身の体を壊している魔力を制御する方法を学ぶのと純粋な魔法への興味しかない。


「サイだって知ってるだろ、俺の魔力のこと」

「知ってるけど…知ってるけどぉ」

サイの言葉が少しずつ弱くなっている、これはもしかするともしかする?


「サイ、お前さみしいのか?」

もしかしてじゃなくてもサイは寂しいのかもしれない、サイは3年間剣術学校に行く、俺は4年間魔術学校に行く、最短でも4年間は会えないこの状況がサイにとって寂しいものなのかもしれない。


「淋しいし怖いよ」

サイは頷きながら少しずつ話してくれた、なんで寂しいのか、なんで怖いのか。

淋しいのは4年間会えないこと、怖いのはその4年間で俺が別の女性のことを好きになるかも知れないということ。

サイの真面目な言葉に俺は言葉を失った、そう考えると確かに怖いし淋しい、だけどそこで俺が剣術学校に行くことを選択してもサイのためにならないと思った。


「そうかもしれないけど、俺は魔術学校に行くよ」

「どうしても?」

「どうしても」

サイが俺の目を見る、俺としてはこればっかりは譲れない。


「仮にトキが4年後にほかの女の子を好きになっていたら後悔するくらい頑張るから」

「それは俺のセリフ」

俺もサイが別の男を好きになったら後悔するレベルの男にならないと。


「ねぇ、トキ」

「何さ?」

「抱きついてもいい?」

「いいよ」

「んふ」

サイが俺に抱きつくが身長差のせいか歳の近い姉が弟に抱きつくような絵になってしまった、身長を伸ばすことも4年間の目標かな。


「ねぇ、トキ」

「ん?」

サイが抱きつきながら話しかけてきた、鼻息が頭にあたってくすぐったい。

「魔術学校でも頑張ってね?」

「サイこそ剣術学校でも頑張れよ」

ここから4年間会えないみたいな感じで話が進んでいるが聖皇国でもまた会う機会があったりする。


「ふぅ」

サイは一息つくと俺から離れた、鼻に未だに女の子特有の甘い匂いがついている、幼なじみとはいえ、女の子なんだし香りを嗅いでしまう、悲しい男の性。


少し嫌な予感がしたから透視の魔眼を発動させた状態でドアを見ることにした。

「4人とも見てないで入ってくれば?」

案の定リスさん、アーねぇ、クーねぇ、レイの4人がドアの向こうから見えた、盗み聞きをするとは薄々思っていたけどまさか本当にするなんて。


「サイがトキくんを呼んだから気になっただけよ」

「「「私も」」」

4人とも言い訳をしながら入ってくるが気になっただけで盗み聞きとは勘弁して欲しい。


「それじゃ、話は聞いてないですね?」

どうせ聞いているとは思うが念の為に聞いておく、気になったのはついさっきでここに来たのもついさっきかもしれないしな。

「え、全部聞いたに決まってるでしょ」

「何が決まってるんですか?」

さも当然のようにリスさんが答えているが盗み聞きはマナー違反だと思う。


「それにしてもサイがあんなこと言うなんて」

「トキって愛されてるね」

「お兄ちゃん、剣術学校に行けばいいのに」

アーねぇ、クーねぇ、レイは聞いてもいないのに感想を言い始めた、俺だって驚いたよ、そしてどう頼まれても剣術学校に行くつもりはない。


「はいはい、お姉さんは下に行っているから後は4人で遊びなさい」

そう言ってリスさんは部屋を出て下に降りていった、だからお姉さんとは呼びにくいから。


「それじゃ、何して遊ぶ」

「お話をしよう」

今日の遊ぶは雑談に決定した、やっぱし女装のままだったりする。

話すことといってもアーねぇとクーねぇの学校であったこと、サイがその間に何があったのかという事だけだったが皆で笑いながら雑談をしていた。


「サイ、そろそろ帰るわよ」

どのくらい話していたか分からないがリスさんが部屋に入ってきた。

「はーい、それじゃあね」

「おう」

「「バイバイ」」

「また今度ね」

サイに各々挨拶をして見送る、今度会うのは聖皇国になる。

今回はキスはなかったけど、まぁいいか。


その後、俺は着替えることをすっかり忘れて帰ってきた父さんに指摘されるまでワンピースを着て過ごしていた、忘れるほどに慣れるなんて…。


~第2章完~

次章~魔術学校編~

次章に至る残りの話がほぼ主人公の女装と言うこの小説も次章からようやく魔法がちゃんと登場しますし、なんと言っても学生編です!!

その前に登場人物の紹介がありますけどね。

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