巨大廃墟
「ハハッ、楽しんでくれてるみたいだね。
急に誘ってゴメンね…今回は無事に終わりそうだよ。」
東さんがスッと寄ってきて一言言ってまた先頭へ戻った。
「なんだろ?変な言い回しだったね?今回って、前もこんな合宿あったのかな?」原田が引っかかる。
「そんな言葉尻捉えなくても〜
去年の発足年の合宿がトラブったんじゃないの?」
こんな激安で小型バスチャーターできて民宿は一棟貸しだし5000円で夕飯もイノシシ鍋すげ〜美味かったし!
来年、夏に事務所で絶対遊びに来たい!
ハマブランカ出そうな施設なら三笠先生に除霊して貰えるし。動画撮れるし。
珠泪ちやんと水着でお揃いコーデしたいなあ〜」とすでに来年の夏を公は考えてる。
「はあ、つまんないわ〜原田くんって好きな子いる?」と小田さんが聞いてきた。
「いや、いないよ。まだ1年だし、そんなあ〜」と原田が照れる。男子高出身なので女子と話す事自体慣れてないのだ。
「うわ〜可愛い!ねねっ!もしフリーなら付き合わない?
久美子も山岸ちゃんとさっきから男子とばっかり仲良くしてさあ〜つまんないんだもん!」と積極的に腕を絡めてきた。
確かに先頭を東さんが歩いて、後に白田くんと久美子さん。その後ろを山岸さんと、江戸川くんがカップルでついて行ってる。小田さんがあぶれて原田の横に来たのだ。
小田さんはオシャレだし小顔にボブにカチューシャしてて大学でモテそうな感じだ。
「ほんとに1人?彼氏とか学科にいないの?」と公は疑う。
「そ、そんなあ〜居るわけ無いでしょ!」と否定したが顔は焦ってる。
「正解!東大の彼氏が居るよ〜インカレで東大のテニスクラブ入ってるんだよ、小田はあ〜」と白田くんの横を歩いてる久美子さんが振り返って暴露した。
先頭の東さんが大笑いする。
民宿着いてから機嫌がずっと良い。
大学で会った時も旅が始まる前も顔がこわばってたが…だんだんオカルト話が好きな大学生らしくなってきた。
「さあ、ココだよ。」街を通り過ぎてからは、ずっと山の野道をススキや枝を避けながら10分くらい登ってやっと着いた。
夜空より漆黒の巨大な姿に圧倒される。
それに横を見渡しても180℃ジェットコースターのシルエットや巨大な熱帯の植物のシルエットが、こちらに向かって覆いかぶさるようだ。
「すごい!デカいですね〜」と白田くんがカメラを回転させて撮影していく。
「うん、横浜のドリームランドくらいの規模があるらしいよ。迷子にならないように無線入れて連絡欠かさないようにね。
集合場所のメインステージまで行こう。」と地図を広げてライトで照らしながら東さんがガラス扉の入り口を開けて進む。赤い文字でガラス面にカッターシールで「ようこそ!ハマブランカへ
南国の楽園を お楽しみ下さい!」と書かれていた。
入り口の奥に大きな崩れたドームのシルエットが闇に佇む。




