↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも一人に絞るのは無理ゲーだったin二度目の人生。  作者: iron-bow
第08話【そのクリスマス、永遠につき】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/93

loop007:花月

それはクリスマスイブの朝だった。


「母さん、今日は遅くなるよ。

オールになるかもしれない」


沙織母さんはきっと全て分かっている。

だけど、筋だけは通しておかないと。


「分かったわ。

晴道も『十九歳』ですもの。

わざわざ許可を取る必要もないわよ。

誰と過ごすのかなんて野暮なことは聞かないわ。

それにね、母さんは晴道のことを信用しているの」


ああ、これは定番の、


「避妊してくれるって!」


やっぱりな。


⸻


今日は花音さん主催のクリスマスパーティーなのだ。


参加者は、

小泉香織

如月千紗

里塚由美子

早乙女莉子

一ノ瀬花音

中里京子

橋本花月

島村千鶴

(敬称略)

これは俺と出会った順だ。

他意はない。


それにしても、まるで攻略対象が全員そろう特別イベントのようだった。

俺、いつの間にか恋愛ゲームの主人公にでもなったんだっけ?


⸻


まずは立食パーティーから始まった。


一応人数分の席は用意されているが、

各自の定位置はあえて決められていない。

席を固定してしまうと、

俺と同じテーブルを巡って壮絶な争いが始まってしまうという、

花音さんなりの配慮だった。


出される食事はどれも凄まじかった。


ライブキッチンで供される仙台牛のステーキ。

本ズワイガニとタラバガニが目の前で手際よく捌かれていく。

殻から身だけを美しく取り出す包丁さばきは、思わず見入ってしまうほどだった。


見れば分かる。

どのシェフも超一流の料理人だ。

本来なら、こんな出張ライブキッチンに立つような人たちじゃない。


「ちょっとお金に物を言わせすぎちゃったわ。

大人げなかったかしら」


主催の花音さんが苦笑交じりにそこまで言うなんて、

一体どれだけの費用がかかっているのやら。


⸻


パーティーは大いに盛り上がった。


それぞれの近況報告や将来のこと、

そしていかに俺と付き合ってきたかという思い出話。


花月は花音さんが3年間の代理教師を終え、霞の宿に戻った後も、東京に残った。

うん、そのまま隣室に住み続け、通い妻を続けている。

周りからは、もう勝負は付いていると見られている。


やがて、プレゼント交換の時間となった。


花音さんの提案で、それぞれがプレゼントを一つ準備し、それを賭けてビンゴゲームをするのだという。

プレゼントの中身は事前に明かされるが、誰の出品かは伏せられる。

先にビンゴになった人から好きなものを選べるシステムだ。

そして、その景品の目玉は──『晴道と今晩ホテルに泊まる権利』。

俺の出品だけは、強制的にそうなっていた。


⸻


ビンゴゲームは狂気的な盛り上がりを見せた。

というか、一部のメンバーは……否、言うまい。

百年の恋も冷めそうなほどの、凄まじい痴態だったから。

結局、激戦を制して一番にビンゴを叩き出したのは、花月さんだった。


⸻


そして、翌朝。


「花月……」

「なに、あなた」

「いや、まだ気が早いよ」


周りからは、もう勝負は付いていると見られているからこそ、

他の女性達は昨夜に最後のチャンスを狙っていたのだろうが、

結局花月が勝ち取った。


「花月……本当に良かったのか?」

「何のこと?」

「だって、もしものことがあったら……」


俺は沙織母さんの信頼を裏切ってしまった。


「ふふ、私は後悔なんてしないわ」


花月は愛おしそうに、自分の下腹部にそっと手を添えて言った。


「できちゃった結婚も悪くないんじゃない?」


──その言葉に、背筋が凍りつく。


俺はもう、晴花と再会してしまうのだろうか。


⸻


いや、分かっている。

これは夢だ。

だって、昨日まで俺は十六歳で、高校一年生だったはずだ。

三年間もの記憶が丸ごと無いなんてあり得ない。


それに何より──今日、誰一人の心の中の声も聞こえないんだ。


だけど、それにしては五感がリアル過ぎる。


そして……これは、何度目なのだろうか?

あの自称”愛の女神”は何をやりたいのだろうか……?

それが分からない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。