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6話 真の支配者

「はい、それでは〜! これから新魔王様である、ルリアちゃんのストリーー」


「するか! バカ!! というか、色々と触りすぎだ! そこ、やめーー」


「あれあれ〜? ここ弱いんですか〜?」


「ひゃぁ! くすぐったいんだから止めろ!」


 あっれ〜? おかしいな……ま〜た規制しないとダメなのかな?


 布面積の少ない、女性魔族らしい露出の高い服を来た、色んな所が出まくって、腰回りだけくびれてスラッとしている、金髪ロングの外国人みたいな女性が、似たような服装にさせられたルリアちゃんをいびっているような……。


 あぁ、というかあの女性、頭に羊みたいな角と、悪魔の尻尾が生えてる。って事は。


「うわぁ……サキュバスですよ、あれ」


『よりにもよって……厄介度ナンバーワンの魔族ですか』


 というか、魔族は滅んでいていなくなっているはずなのだけど。どうやらルリアちゃんが魔王となって、人間にしか流れていない魔力を、それ以外の存在に引っ張り込み始めたから、また現れた……いや、復活したのかな?


「もうず〜っと人として過ごしていて、自分は人間だと思っていたけれど、あなたが魔王になってくれたお陰で、私にかけられた呪いが解けたのよ〜お礼をさせてよぉ〜」


「別にそのつもりでやったんじゃ……うわっ、止めろ! 俺も男なんだぞ!! そんな所押し付けるな、スリスリするな! あぁ、でも……反応するモノがないや……はは、はははは……」


 あ〜その気持ちは分かるよ。ルリアちゃん。

 それとサキュバスの人は、何か説明くさいセリフをどうもありがとう。


 とりあえず、ルリアちゃんの隣にいって、肩に手をポンっと置いて同情の目でも流しておきます。


「帰ってたのかよ。というか、お前はずっと前からだろう。今更語れる仲間が出来たって目をするな」


「あ〜ら、女の子にだって反応する部分あるわよ〜ちゃ〜んと、男の子のそれと似たような、クーー」


「あ〜! 秋の味覚の栗だよね、栗! あれ、まっずいよねぇ!! あっ……」


 この世界の秋の味覚である栗は、この時点でとてつもなく不味い木の実になってしまいましたとさ。


 ◇ ◇ ◇


「んもぅ、言うくらい別に良いじゃない〜」


『良くないんですよ!!』


 何故かふてくされているサキュバスに、私はそう叫んだ様に書いたけれど、その直前にまたやらかしたよ。うぅ〜ん。軟禁状態だったのが、よっぽどストレスたったのか? 私は。


「結婚したら、先ず逆転しちゃうのを何とかしないとな」


『結婚前提で話さないでくれますか? エデン君』


 しれっととんでもない事を言うね、君は。


 ところで、サキュバスが復活したのは良いけれど、そもそも今まで人間だったというのが分からない。消滅したのじゃなかったのかな?


『それよりも、魔族って消滅したよね? 何で人間に?』


「あぁ、私みたいに元人間だった者は、その謎の消滅では死ななくて、魔力だけゴッソリと持っていかれたの。だから人間に戻っちゃってたし、記憶も魔族になっていた時のが消えていたの。魔力に魔族の記憶も付随してたのかな〜? それが、この前突然戻ってきたの。だから、私はこうして復活したの」


 なるほどね。魔族になった経緯によって、そういう差が出ていたわけか。それを新たな魔王としてルリアちゃんが誕生し、また魔力が流れるようになったから、魔族に戻ったって事か。

 そうなると、ある程度の魔族が復活しているって事になるね。


「それより、あなた何で空中に字を書いてるの? 喋れないの?」


 また、これを説明しないといけないのか。気になった人達には教えておかないと、後で色んな問題が起きちゃうし、何より確執みたいに残ってしまうとやりづらくなる。


 そんなわけで、簡単に自分の事を説明しておいた。


「そっかそっか〜それじゃあ、あなたが裏の支配者って感じね〜」


 んん? どういう事なのだろう、それは。


「あら? 分からない? ほら、よくあるじゃない〜魔王を倒した後、隠し要素みたいな感じで、真のラスボスが出てくるやつ。あなたがそれなのね」


「…………」


 いや、違うよ! なんかとんでもない事を言われたけれど、私はそんなんじゃないからね!


『違う違う! 確かに自分でやらかした事だけれど、何より私は魔王側につくつもりはないよ! ただ平凡に過ごす為、元の姿に戻る為に、ルリアちゃんに協力しているだけ。世界を牛耳ってなんてーー』


「あら? だけど話を聞く限り、今の状況を作り出したのは完璧にあなたでしょう? この世界の状態、作りや流れ、その全てがあなたのスキルの仕業なのでしょう? 立場的にもう、裏の支配者じゃないの」


「…………」


 エデン君もちょっと冷ややかな目で見ているような……な、なんだか自分も冷や汗が出ているような、血の気がさーっと引いているような……あれ? これってもしかして、もう完全に後戻り出来ない状態ですか?


『エデン君。もしかしてもなくだけれど、私の立場ってもう、そんな状態になっちゃってる?』


「流石にこっちで直接設定しないとだけれど、ある程度は世界の流れに任せている感じだ。ちょっと待てよ〜あぁ、うん。自動設定で、お前がこの世界における裏の支配者になっているな」


 透明な板みたいな物を宙に出現させたエデン君は、ちゃちゃっと操作して確認すると、私にとっては絶望的な回答を言ってきた。


「裏ボスとしては設定されてねぇから、まだギリギリセーフだったな〜良かったな〜」


『くっ……これ以上ルリアちゃんに協力は、協力、は……』


 その先を書こうとしたけれど、近くにいたルリアちゃんの姿が消え、今度は上空から彼女の悲鳴が聞こえてくる。


「あ〜ら、可愛い魔王様だこと〜食べちゃおうかしら〜」


「待て待て。まだ魔力が溜まってねぇだろ。もっと成長させていかないと、俺達の糧にもならねぇよ」


「た、たすけてくれぇ!! 食われるぅ!!!!」


 腕が鳥の翼で、足も猛禽類の脚になっている、所謂ハーピーとかいうモンスターの集団が、ルリアちゃんを攫って上空を旋回していました。何やってるの? また助けないといけないじゃないか。


 そのハーピーの集団は、男女共に沢山やって来ているよ。

 女性は当然、露出の高い羽毛の様な服で、胸しか隠していない。男性なんか何にも着ていない。筋骨隆々な胸筋を見せびらかしているよ。あぁ、どこかで見たけれど、翼を使って人の姿で飛ぼうとすると、胸筋がむちゃくちゃ分厚くないとダメみたいで、だからあんな風に……じゃなくて!


『ちょっとちょっと、その娘を殺しちゃうと、せっかくあなた達に流れ始めた魔力が消えちゃうよ』


「ミレアさん。書いた所で、あの人達見てませんよ〜」


「うがぁ!! ちょっと君達! その娘を離さな……じゃなくて、離して……たら落ちないから、じゃなくてぇ!!」


「落ち着けって。書く事しかしていないのが仇になったな。喋る方では、逆転する現象の対処とかあんまりしてねぇだろう。短ければ何とかなるが、そんなに長いのは特にな〜」


 その通りなんだよ。単発で短ければ喋れる時はあるけれど、こうも連続で長い文章はあんまり喋れないからね。

 だって、喋らなければ世界を変えちゃうこともないし、何かが起きることもないんだからね。だから、喋る時の対処よりも、書く方を優先していた。

 ただそれも、屋敷で軟禁状態だったから良かったものの、こんな状態になってしまうと、逆に書く方が問題あり過ぎになってしまう。


 相手に伝わりにくい。


 とりあえず深呼吸して、逆にならないように注意しながらハーピー達に声をかける。


「ハーピーさん達〜その娘を離してあげて! 落ちるから」


「は〜い」


「え? おい……ぎゃぁぁああああ!!!!」


 うん。間違えた。


 哀れ、ルリアちゃんは大の字になって地面に真っ逆さま。 そのまま地面に激突しました。大の字に穴が出来ちゃっているよ。何のコメディなのやら。


「おい! 最近の俺、酷い目にしかあってないぞ!!」


 そしてルリアちゃんは、そのまま穴から飛び出してきました。


『いやぁ、ごめんごめん。多分、星の巡りが悪い日が続いているのじゃないかな?』


 それと、エデン君からも「喋りも逆転しないように練習しておけ」と釘を打たれました。


 それよりも、魔王に魔力が流れているのを察知してか、また魔族が集まって来ていますね。

 この調子で集まってくれれば、魔王城も再建出来るだろう。


 そんな時、この地を支配している八聖神のガガールがやって来て、今の状況を見てうんうんと頷いています。


「なるほどなるほど。そういう従え方もあるか、流石は裏ボーー」


「その通りだけど!! あっ……」


 変な事を言われそうになったから、訂正しようと声を上げたら、またこれです。


 見事に私がこの世界の裏ボスになっちゃいました。


 何で、こうなるんだ。

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