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(第二章を始めました)だれか溺愛見せてください。ちなみに、溺愛を見たいだけで、溺愛してもらいたいわけではありません。   作者: 水無月 あん
第二章

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結びつかない

よろしくお願いします!

驚く二人には目もくれず、ジョルジュさんは、私にたずねた。


「それで、前世の言葉、ラスボスとは、どういう意味だ」


うん、そこよね…。ここまできて誤魔化せないけれど、怒らないでほしい…。


「私の前世の記憶なので、私なりのとらえ方になりますが…。物語とかで、最後にでてくるような、最強の…敵みたいな感じです…」


「敵か…」

隣のラルフが、クッと笑った。


「つまり、私が、最強の敵だと、リリアンヌ嬢には思えたというわけか」

美しい顔を全く変化させず、淡々と語るジョルジュさん。


「いえ、敵とは思ってません! ただ、王太子様にさえ傍若無人な態度のラルフが何も言えないから、最強だなと思っただけです!」

あわてて、訂正を加える。


今度は、アイシャが、フフっと笑った。

「そうよね。普段、ふてぶてしいラルフが、お兄様の前では、子猫みたいに大人しいものね…。ねえ、リリー。理由が聞きたいでしょ?」


と、私に聞くアイシャは、とっても楽しそうな笑みを浮かべている。


確かに、こんなラルフを見たのは、初めてだから、不思議なんだよね…。 

うん、気になる。


すると、隣のラルフが、怒気をはらんだ声で言った。


「やめろ」


見ると、私をとおりこして、アイシャをにらみつけている。

アイシャも負けじと、にらみかえす。


ほんとに、この二人、すぐにこうなるよね?

似すぎていて、息ぴったりというか…。


なんて、思っていたら、地の底から響いてくるような声が…。


「二人とも。さっき、言ったことを忘れたのか? 私が、リリアンヌ嬢の話を聞いている。黙っていられないのなら、出て行け」

静かな口調なのに、ジョルジュさんからは、ものすごい圧。


…うん、怖い。やっぱり、ただものじゃないよね?! 


「出て行きません! リリーは、私の親友ですから」

果敢に言い返す、アイシャ。


「俺もだ。 リリーをジョルジュさんと二人にはさせない」

ラルフも、即座に言い返す。


「なら、だまってろ。次はない」

そう言い放ったジョルジュさんから、強烈な冷気が放たれたみたいで、私の体がぶるぶるっと震えた。


氷の貴公子という二つ名は、まわりを氷にしてしまう貴公子ということか…。

なるほど。


「リリアンヌ嬢。私が言葉に興味をもったのは、子どもの頃から、何度となく浮かんでくる言葉があるからだ。この国の言葉ではないため、気になって調べはじめたのがきっかけだ。だが、いまだにその言葉の意味はわからない。何故、突如、自分のなかから、その言葉がでてきたのか…と考えてきた。ところで、リリアンヌ嬢は、言葉以外の前世の記憶も、はっきりあるのだろうか?」


ジョルジュさんが真剣な眼差しで聞いてきた。


「あります。私は田舎で祖母と一緒にくらしていました。なにより、本が好きで、ラスボスという言葉も、物語で初めて出会ったんです」


「実は、私の気になっている言葉は、リリアンヌ嬢の言う「ラスボス」とやらにどこか似ている気がした。リリアンヌ嬢と、同じ世界の言葉なのかもしれない」


「え、そうなんですか? ちなみに、どんな言葉ですか?」

私は、そう聞いたあと、のどを潤すために、紅茶を一口飲んだ。


「ドラヤキ、だ」


「グッ…! ゴホッ、ゴホッ…!」

思わず、むせた。 


貴族令嬢としてはアウトだが、仕方ないよね?!


だって、どらやきだよ?! 

前世で、おばあちゃんが、よく買ってきてくれた、あのどらやきだよ?!


青い瞳で私をじっと見ている、つくりもののように美しいジョルジュさんをまじまじと見た。

あの愛すべき、親しみあるおやつ、どらやきと、人間離れした美貌の氷の貴公子。


全然結びつかない!! 



不定期な更新ですみません! 読んでくださった方、ありがとうございます!

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