あと36日
NTR進捗状況
正は駿と漫才をすることになる。
田中 正 :主人公、モテてえ。
橘 鈴 :幼馴染、寝取られる。
金谷 駿 :イケメン、クラスでは人気者、幼馴染とフラグ建築中。漫才をやりたい。友達の彼女に手は出さない。
正はついに駿と漫才をすることになった。何がきっかけだったのかあまり思い出せないが、やると決めたからには真面目に取り組まなければならない。さて、僕たちはどんな漫才を目指すべきなのだろうか。
「人はどういう時に笑うと思う?」
「どうって、おもしろいと思った時だろ。」
当たり前の正の質問に駿が当たり前の解答を返す。だが正はもっと深くこの問いについて考えてみた。その先に自分たちが目指すものがあると思ったからだ。
「でも、おもしろいっていうのにはいろんな種類があるじゃないか。例えば好奇心が湧くような話や感心するような話も面白い話に分類されるけど、それで笑うってことにはならないだろう。」
「まあ確かに、それじゃどういうおもしろさが笑いにつながるんだ?」
正は自分が笑うときはどんなときかじっくりと思い出しそれを分析してみた。
「例えばこういう場面はどうだろう。道を歩いていて石を見つける、こぶしぐらいある大きめの石だ。なんとなくそれを拾ってひっくり返すと日本史の石田の顔にそっくりだ。」
「確かにそれは笑えるおもしろさだ。」
「ここでのおもしろさを分解すると二つの要素にしぼれる。一つは石の裏側が人の顔そっくりという意外性。」
「意外なことっていうのは確かにおもしろさがあるな。だけど意外なことに対して何時も笑うわけじゃない。つまり二つ目の要素が必要になるのか。」
「そう。その二つ目の要素が記憶のつながり。」
「でも記憶がつながるってそんなにおもしろいか?」
「確かにただの連想ならそれまでだけど、意外なところでつながるとどうだろう。普段見慣れた企業のロゴが禿げたおっさんの顔に見えたら、人の何気ない動きが動物園のゴリラのそれとそっくりに見えたら。」
「そうか、普段からおもしろいと思っているものに突然結びついたら、それは笑える。」
駿の返答に学園祭での漫才を思い出す。
「だから俺たちは勉強と漫才のネタを繋げてみよう。」
突然出てきた正の意外なアイディアに駿は戸惑う。
「いや、勉強だぞ。笑いからは遠いんじゃないか。」
「でもこのネタなら、高校生相手なら絶対ウケると思うんだ。だって大抵の高校生は勉強しているだろ。つまり僕たちがこれから漫才をする相手が大抵知っているネタになるんだよ。」
「いや、ウケるだけじゃダメだ。天辺を取るんだ。」
駿が正の言葉に徐々に乗り気になる。そして、駿が目指すものを遂に口にした。
「東京U-18漫才大会の優勝、それが俺たちの目標だ。」
「ははっ、無理だよそんなの。」
正は駿がはっぱをかけるためにわざと大きなことを言っている、そう思った。しかし、駿の目は本気だった。
「いいや、正、お前のネタは東京一だ。学園祭で確信した。最高のネタを持ってるんだ、なら最高の漫才ができるだろ。俺たち二人なら。」




