あと38日
NTR進捗状況
正が注目されるようになる。
田中 正 :主人公、
橘 鈴 :幼馴染、寝取られる。
金谷 駿 :イケメン、クラスでは人気者、幼馴染とフラグ建築中。漫才をやりたい。友達の彼女に手は出さない。
塾に行くと鈴がもう来ていた。自習室は相変わらず小学生たちがたまり場として使っているが、日が暮れるのが早くなると帰りを急かす家庭が多いのか小学生たちが解散するタイミングも早くなる。そのせいか鈴と正が二人っきりになる瞬間もいつもより早くやってきた。
「今日、遅かったね。」
鈴が言っているのは正が家に戻ってきた時間のことだろう。
「うん、ちょっと用事があって。」
正が何でもないことの様にそれに答える。そう言えば、こうして鈴と二人で勉強するのも久しぶりだ。何というか、以前はどんな会話をしていたのだっけ。いや、ちゃんと話した内容は覚えている。本当に他愛のない内容だ。だがそれらはどれもが何の変哲もなさ過ぎて、どんな風に切り出したのかが思い出せない。きっと自然過ぎて記憶に残っていないのだ。正は本気になって悩みだす。その間に沈黙が流れ次第に焦りが出てくる。
「ねっ、女の子に呼び出されてたの?」
「ちがっ。」
鈴の言葉に正は思わず大きな声を出す。いや、焦るんじゃない、図星を突かれたみたいじゃないか。落ち着いて説得力が出るようにゆっくりとしゃべる。
「違うよ、駿から話があるって、ちょっと放課後に話してたんだよ。」
「ふーん、漫才の話?」
鈴に言い当てられて仕方なく正は頷く。まあ、隠しておくようなことではないが、しかし気恥ずかしくて自分から話題にすることではないのでそれ以上はその話を振られると困る。そんな正の様子を察したのか鈴が元の話題に戻す。
「なーんだ、よかった。てっきり女の子に告白されてるんじゃないかって心配してたの。」
鈴から意外な話が出て正は焦る。
「いや、告白される相手なんて。」
いない、と言いかけて、もしかしたらと鈴の顔を盗み見る。そんな正の様子には鈴は気付いてくれずに話を続ける。
「だって、今、ダダくんのこと女子の間で噂になってるんだよ。私も色々聞かれちゃったし。」
「え?」
きっとそれは学園祭の効果で一時的なものだろうから、変に勘違いすると大恥をかくことになる。それはわかっていてもつい正の中でむくむくと妄想が湧いてくる。いやいけない、目の前には鈴がいるのだ、変なことを考えたら嫌われる。正はなるべく真面目な顔をして興味なさそうに取り繕う。そんな正を見て鈴が面白そうに笑う。何となく以前の空気が戻ってきた。もうつまらないことで悩む必要はない。
心なしか鈴も最初よりリラックスして話している。そこで、ようやく正は気付いた。そうだ、鈴も何と話し出していいかわからなかったんだ。だからあんな話をし出したんだ。そうなると、あの正がモテているという話ももしかしたら鈴のちょっとした冗談だったのかもしれない。あぶなかった。明日、学校に行ったとき勘違い行動で赤っ恥をかくところだった。でも鈴も正と同じように緊張していたと分かって少し心が軽くなる正だった。




