あと50日
NTR進捗状況
駿とアニメを見る。
田中 正 :主人公、
橘 鈴 :幼馴染、寝取られる。
金谷 駿 :イケメン、クラスでは人気者、幼馴染とフラグ建築中。漫才をやりたい。友達の彼女に手は出さない。
黒田 晄 :汚っさん、女子生徒をいやらしい目で見ることに定評のある男性教員。教育熱心。
「やった、成績上ってる。」
駿がまたテスト結果を見て喜んでいる。早いものでもういくつかの中間試験は採点が終わって返ってきている。恐らく、休日を採点に使っているのだろう、本当に頭が下がる。そんな教師陣の苦労は知らずに生徒たちは自分の成績に一喜一憂している。そんな中でも今のところ駿は喜びだけで憂う様子は無い。まあ、努力が報われるのは良いことだろう。なんだか簡単に報われている気がするがそこは変に嫉妬しないでおこう。きっと伸びしろが大きかったのだ。
「どうよ、正。これだけいい点数取ったら鈴も塾に戻せるんじゃないのか。」
「はは、そうだな。」
確かに鈴が晄の魔の手から逃れているが、それとこれとは話が別で鈴はまだ塾に戻ることを許されていない。正はその問題は時間が解決してくれるとのんびり構えることにしているのだが駿はそんなつもりはないらしく駿の成績アップを材料に鈴を塾に戻す作戦は継続しているようだ。
あとは晄が担当する国語の試験が返ってくれば全教科の成績が出そろったことになる。
「むふ、ではテストを返す。名前を呼ばれたら取りに来い。」
驚いたことに晄はまだ平然と教壇に立っていた。いや、確かに急に辞めさせても代わりがいないと困るだろうからそれまで続けさせるという判断なのかもしれない。しかし、教壇でニヤニヤと笑うその表情は今にも辞めさせられそうな教師の顔ではない。何か悪い予感がする。
「むふ、どうした駿。解答が空欄だらけだったぞ。」
駿に返されたテストは真っ白だった当然、点数はゼロ点。テスト中に寝ているかボイコットをするかしなければそんな点数などありえない。
「ふざけるな。こんな、あからさまな、やり返し、バレバレだろ。」
テストが返されたその場で駿は怒る。何事かと他の生徒たちの視線が集まる。しかし、そんな状態でも晄の余裕は変わらない。
「むふ、何のことやら。テストの結果が悪いからと言って教師に八つ当たりするものではない。」
たしなめるように晄が駿に言う。そこだけ切り取ればテストの結果に納得がいかない聞き分けのない生徒を諭す教師の図だが、駿を嵌めようとした前科を考えればそれは的外れの発想だろう。だが、晄には秘策があったようだ。
「ああ、私が答案用紙を消したとでも言いたいのか。残念だったな。そのテストの採点をしたのは私ではない学年主任だ。」
晄の余裕の正体はこれだったのだ。自分が採点に関与していないという強力なアリバイがあるからこそ、堂々と駿を嵌めることができたのだ。
晄の様子から明らかに駿の解答を消したのが晄だとわかる。しかし、晄にはアリバイがある。このままでは駿の国語の点数はゼロ点になり全体の成績の足を大きく引っ張ることになる。
何とかこのアリバイを崩す必要がある。正は考えられる可能性をいくつも頭の中で上げ検討していった。




