ブルーあらわる
「ちょっとレッドに優しくされたからって、いい気にならないでくださいね」
完璧な笑顔でそう言った青いマニキュアの女はーーーーー、一瞬、おれを睨んだ!?
え、こっわ!
「いや……急にそんなことを言われても……というか。おれ、何かしました?」
聞かれると思っていなかったのだろうか。女は少し驚いた顔をした。
「それよりも、教えてほしい。なんでおれがここにいるのか。事故ですか? ここって病院? あ、そうだ、スマホどこだ……」
今日から部下になってもらう。
そうだ、あの眼鏡の人、そんなこと話してたな。なんで…え……?
「おい」
気付いたら、青いマニキュアの女がこちらを覗き込んでいた。肩の上で切りそろえられた髪の毛がさらりと揺れる。
「お、おい……?」
女はにっこり笑った。
「落ち着いて。あなたは、選ばれたんですよ。あなたは今日から『ピンク』です。私は、……仲間のブルーです。よろしくお願いします」
ピンク? ブルー?
色の名前なんて…おかしくないか…なぜ?
「これ、飲んでください」
ブルーは持ってきたペットボトルを差し出してきた。ラベルは貼られていない。透明の液体。
「大丈夫、ただの水です。君は疲れているんですよ。まだ休みなさい」
言うだけ言って、ブルーは部屋を出ていった。
「一体、なんなんだ……」
おれが呆然としていると、扉の向こうからバタバタと騒がしい足音が聴こえてきた。
「ども〜! パープルっす!」
底抜けの明るい声とともにドアを勢いよく開けて部屋に入ってきたのは、紫の上下のジャージを着た金髪の男だった。
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