脱獄
あわわ...
証明書どうしよう?
「出せぬようだな?
ならば貴様らの遺物は没しゅ〜...」
「ちょっとそれはおかしいんじゃない?」
「なぬ?」
リーが口を挟む
「何で遺物が国のものになってんの?この国でとれたわけでもなくて、この国の法律には証明書が無ければ
他人のものを奪っていいって書いてあるの?」
「...なるほど?」
「それとも税でも取る気?
君たちが勝手に決めた値段で、勝手に?」
「確かに...」
「そもそも遺物がそんなに貴重なら、
それを大量に持っていると思われる僕たちに
こんなことしたら何かの罪に問われるぐらいの愚策だよ?」
「そうかも!」
「ふふっ、わかってくれてよかったよ。」
「ふっふっふ...つまり!
お前たちは証明書を持っていないということだな?
ではっ!
国外で手に入れたとしても、
国境で証明書を貰わなかった、
否!貰えなかった。
それが指し示すことはただ一つ、密輸ということ...
ふふふ、ガハハハっ!
墓穴を掘ったなガキめ、
採掘したものなら没収する際に半額は絶対に払わねばならない、だが、密輸ならばタダ!
丸儲けじゃー〜!!」
...
「よく、息継ぎなしで言い切れたね?」
「あっ、それ思った」
物理演算があまりに正確なせいか、AIはキャラの動きに合わせて発音させるというのになれておらず、
前はNPCが長文を話すと、噛んじゃうことが多かった
「...AIが進歩したと言うことにしとこう」
「僕は噛んじゃうのは運営が狙ってたと思ってるけどね。
まあ、初期の初期は知らないけど...」
「何の話をしているッ?!」
「こっちの話でーす」
「そうそう、コッチの話
で、遺物の話に戻るんだけどさ、僕たち遺物、
と言われる物は持ってないんだよね。
上級万能薬はだいたいプレイヤーメイド...
友人たちが作ったものの方が安いからね。
そうでしょ?」
「あっ、そうだな。
確かに上級万能薬はプレイヤーメイド、
友人にギルドメンバーに作ってもらってた」
「と、言うわけで、
遺物だと勘違いされただけで、違うものだった。
証明書が必要なのは遺物だけだろう?」
いやー、
リーは変態だけど、頭は良いな
確かに、ポーション=遺物だって言われて、
そう認識してたけど、
実際には遺物じゃないしな
「...はあ?
勘違い?
あの大神官様でも治せなかった病を治せる薬が?
そんなわけで無かろう。
本当にそんな代物を作れる友人がいるなら、
連れてきて欲しいものだ。」
あ、
そういえばそんなこと言われたな
そうか、この世界ではその大神官?が治せないなら
不治の病になる
実際には友人、
ギルドメンバーを呼ぶ方法は無いし、
どうしたものかと考えていると...
「嫌だよ。
なんでこんなところに僕たちの“た い せ つ な”友人を
呼ばなくちゃいけないのさ」
「えっ?でも...」
「しー...任せて」
残念だけど、現状俺は、
こくこくと頷いてリーに任せるしか無い
「だって、キミ、もし呼んだとして、
遺物なみの効果を発揮する薬、
それを量産できる存在を逃すはずが無いだろ?
鎖で繋いで、一生金稼ぎの道具にするはずだ。
もちろん、口封じに僕たちを殺そうともしそうだし、
失敗したら犯罪者として指名手配もする。
会話を交わした時間は短いが、
キミはそうするっていう確信があるよ」
なるほど
信頼関係が築けてないのにふざけるなという話だよな
「で?もしかして、怒っちゃった?
僕的にはそう言う展開の方が好ましいんだけど...
マジ?
やったね!」
「ううぅ...おおおおおおおおおお!
口を割らない、拷問も効果がない、
ならば殺すのみ...兵たちよ、
であえであえ!」
「いや、時代劇かっ!」
つっこまずにはいられない掛け声に笑ってしまう
いや、日本らしさを感じての安心もあったかもしれない
「どう転ぶかわからないから殺しはNG...てことで、
逃げるか」
「まあ、そうだね」
「“神聖の道”、“聖別”、“愚者の印”」
道を作り、
道を通れる人を選び、
倒れない人にデバフを付与する
「ふふふ、
わざわざ印をつけなくても、
彼らは一様に愚者だと言うのに...
ねえ、ついでに僕にもかけない?」
変態は置いておいて、
手枷を純粋な筋力で破壊して、悠々と道を歩いて外に出る
「この防音効果、お前以外にも需要があるなんてな」
恐らくまだ口汚く罵っているだろう様子を見て、
戯言を吐くのは変態だけで無いという事実を、
今、理解した
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