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ピクシーズ 第25戦略偵察飛行中隊   作者: 名無しの戦闘機性愛者
第1章 ラーシャ空軍ボルスニー基地飛行隊
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少女の見た夢




5年前

カトリア連邦領 ラーシャ島



「よーし、いくよー!」

小さな団地の公園に、声変わり前の甲高い子供の掛け声が響く。

公園には、性別も人種も様々な子供たちが、放課後のドッジボールに興じていた。


ラーシャ島。

18世紀ごろ、かつて超大国であったルージア王国によって”発見”され、原住民をそのまま奴隷にする形でルージアの植民地となった。


が、20世紀の2度の大戦で宗主国であるルージアは疲弊し尽くし、戦後処理のゴタゴタに乗じて今は新興の大国、カトリア連邦が実質的に支配している。


「えいっ!」

この辺りでは珍しい、見事な長い銀髪をたなびかせる少女が、腕を大きく振りかぶってゴムボールを空に向かって思い切り投げる。


放物線を描き、物理の問題としては大変理想的な軌道で落下するボールはしかし、狙った相手に余裕で回避され、ボールは虚しく地を叩く。


「やーい、ヘッタクソー!」

「エリシャ...これはドッジボールだよ、キャッチボールじゃないんだ...」

「う...うるさいなー!」



そのとき、

「臨時ニュースをお伝えします。臨時ニュースをお伝えします。

本日04:00ごろ、レベルタードで大規模な爆発事故があった模様です。

詳細は確認中ですが、当時周辺では、カトリア連邦軍機が目撃されたという情報もあり...」


そう、ラジオが告げた。


「ん、なんだ?」

「爆発事故だってよ」

「カトリア軍?」


ざわめき、まだ状況がわからない少年少女たちの頭上でラーシャ自衛隊所属の戦闘機がアフターバーナーを焚きながら飛んで行った。


尾翼には、この辺りでは夜空のシンボルとなる、南十字星。


そのキャノピーの奥、パイロットが、眼下の子供達を認めると、軽くバンクを振り、彼らの上で大きく宙返りをしてみせた。


「...気持ち良さそう......」

「...うん」

「そうか?うるさいだけだろ」

「んもう!どうしてウォルシュはそんな夢のない事を...」

「決めた」

「ってエリシャ⁈」

「私決めたよ!」

「はい?」

「私、パイロットになる!」

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