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アンバランスハート  作者: kero*kero
8/8

場面8*最終話*ピンチ?チャンス?

はーちゃんと、みっちゃんにからかわれながら、楽しく食事していると、拡声器を持った警備員が、ケイ様がいるBARの方に駆け足で走って行くのが見えた。


何だか、お店の外が騒がしい。

うさぎも はーちゃんも みっちゃんも 嫌な予感がしたので、BARの方へ行ってみた。


すると啓太のBARの前で、亀城亜弥がケイ様と向かい合って、両手を腰に当て、仁王立ちの格好で、何か話をしていた。


ケイ様もドッシリと腕組みをしていた。


《どうぞ立ち止まらずに進んで、お買い物をお楽しみくださ~い》


拡声器を持った警備員は、優しい笑顔で人だかりになっているお客を、なんとか流そうと誘導していた。


「ねえ!ケイ!どうなの!?貴方に彼女が居る。って話を聞いたんだけど、何処の誰よ!?」


すると、ケイ様は、失礼の無いように、しかし毅然とした態度で答えた。

「亀城様、そー言ったプライベートについての話は、この場はふさわしくないと思うので、場所を変えてお話させていただきます。」


「いいえ!ワタクシは、ココで結構よ!貴方が キチンと応えるまで、逃さないわ!何処のお嬢様なのかしら!?」


BARの店員達も『仕方のない人だ』と云うふうに、ケイ様の後ろで立ち向かうように腕を組んで呆れてみていた。

亀城亜弥がこの状態では仕事にならない。営業妨害だ。と態度で示していた。


亀城亜弥の取り巻き達は『こんな大事(オオゴト)にしなくても…。』と困った様子だ。


「ふ〜。分かりました。それではお答えします。おっしゃる通り、私には お付き合いしている女性がおります。ですが、コレはプライベートな話なので、ここまでにして頂けますか?」


「ダメよ!何処の誰よ!言いなさい!私のケイに手を出すなんて!その女にどーなるか思い知らせてやるわ!」


「私の大切な人に迷惑がかかるよーな事になるのであれば、ますますお答えできません!」


すると、怒りに任せて亜弥の手があがり、ケイ様の頬めがけて振り下ろされそうになった。


「啓太の彼女は、私なんですー!啓太と結婚するのは、私なんですー!」

とっさに、警備員の拡声器を取り上げて、うさぎが叫んでいた。


うさぎの顔は、いつもより沢山飲んだお酒のせいで、赤くだらしない顔をしていた。


そんなうさぎをみた亜弥は

「う、嘘でしょ!?ケイ!?あんな、あんな…女!?フツーの。そこら辺にいるようなOLと付き合ってるなんて!」


その言葉を聞いた、酔っ払いうさぎは

「そこら辺にいてるフツーの。ってなんだ?私、ちゃんと働いてますし、キチンと自分の力で生活してますけど!?」


はーちゃんも、みっちゃんも拡声器で話すうさぎにビックリしながらも、後ろの方で大きく頷いてみせた。

BARの店員達も、目をキラキラさせて 酔っ払いうさぎを見守っている。


亜弥が言葉を失い静かになったので、うさぎは

「あー。スッキリしましたー。私、帰りまーす!」

と敬礼しながら ふらふら〜。と野次馬の中に帰ろうとした。


その時

「あ。うさぎ待って!」

と、啓太が呼び止めた。


うさぎは、顔の前で手をパタパタさせて

「ん〜?ダメダメ〜。酔っぱらいの たわ言で済ませてくれていいから、私は今日は帰りま〜す!はーちゃん、みっちゃんゴメンネ〜。帰ろ〜」

と、また敬礼をしてみせた。


啓太は、うさぎの腕を掴んで離さなかった

「もう、いいねん。うさぎがハッキリ言ってくれたから。こんなチャンス無いと思うから。皆に聞いてもらう。」


『ん?目の前に居る男前は、何故か笑顔?喜んでいる?』と、酔っぱらい うさぎは 首を傾げた。


「俺は、彼女と付き合ってます。高校生の頃から付き合っています。俺は彼女に惚れてます。彼女の身に何か危険な事が起こってはいけないと思って、言い出せませんでした。結婚するなら彼女しかいないと思っています。」


『だから亀城さんのご好意には応えられません。俺には大切な人がいるんです。』

と、小さな声で亀城亜弥を説得した。


「ふ、ふーんだ。だ、誰が。こ、こんな女を選ぶ。しゅ、趣味の悪いアンタなんか相手にしたって言うのよ!い、行きましょっ!」

引きつる顔と裏返った声で、どうにか堪えて言い返した亜弥は、クルッと吉備津を返してバタバタバタとその場から、逃げるように立ち去って行った。


うさぎは、ケイ様を指差して

「あ〜あ〜。ケイ様の趣味が疑われますよ〜?ファンが逃げてっちゃいますよ~。」

まだ、うさぎは 酔っぱらいだ。


「え?俺の女の趣味、ダチからは めっちゃ良い趣味してる。って評判なンですけど?」

と言って、うさぎを抱きしめた。


「ちょ!ちょっと!皆がケイ様を見てますけど!?」

「何を今更ゆーてんの?拡声器で怒鳴り込んできたのは誰ですか?」

「あれ??私…恐い事したねぇ…???」

うさぎの顔が『あはははー』と、みるみる強張っていった。


その後、野次馬も平静をとりもどし、通常通りの雰囲気へと戻っていった。



その後、

ケイ様の人気も相変わらずだが、お店の雰囲気はなんとなく落ち着いた。、月ちゃんもケイ様も 少しずついつも通りの生活にもどった。


ケイ様が、仕事を終えて、啓太に戻るまで うさぎは他のお店で、ゆっくり食事をして待ってみたり、近場もちょっとだけデート出来るようになったり。と、以前よりも もっともっと仲良くなりましたとさ。


おしまい。

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