↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイテムBOXに北海道丸ごと入っているので、異世界でも食べるものには困りません  作者: 柚木 冬


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/90

15*魂さんを千人雇用する件

「では、そんなカノンに朗報があります。まず北海道の分解&フォルダ分類作業は、人を雇わない?」


「雇う? え、そんなお金ないよ。第7の人?」


「ううん、地球の運営にいる魂の皆さん。カノンもちょっと前までそうだったでしょ。少子化の影響で、輪廻転生の待ち時間が長いんだわ。おかげで運営ビルに留まっている魂の皆さんがすごく沢山いて、暇を持て余してるのね。だから魂を雇って作業してもらわない? これは坂口さんも言ってた」


「魂って物触ったりできないじゃん。モニ子触れないから音声検索オンリーだったよ」


「作業用の体に入れば動けるようになるよ。時間経過の少ない部屋で、分解とフォルダ分類してもらう。千人ほど雇えば早いと思う」


「千人?! 給料出せないよ!」


「北海道の不要なものを引き取るから、その代金に充てるよ。こっちで大体分けとくから、欲しい物あったら言っておいて」

「そうなのー? 任せちゃっていいのー?」


「残すものには、浄化と再生と劣化防止の魔法もかけとくね」

「至れり尽くせりじゃん」


「できる女と呼んでくれてもよろしくてよ」

「ははーユイ様―」



「んで、もう一つのカニの件なんだけど」

「カニ? ああ、カニ捌きたくない問題?」


「料理屋さんの出来立て料理が無い問題」

「美味しいご飯が食べたい問題ですね、ユイ様」


「買い取った分を地球の円で払うから、それを運営の食堂で使えばいい」


「んん?」


「カノンの冷蔵庫に美味しいものを沢山詰めてくれるジョージは、マーケティング部飲食チームのマネージャーで、地球のあらゆるレストランのメニューを集めるという仕事をしています」


「食堂のコックさんかと思ってた」

「ある意味そうともいえる。ただ、ジョージ自身は料理していないし、食堂にもコックさんはいない。運営の食堂には、何億ものメニューがあって選択すると商品が出てくる仕組みになっている」


「何それどういうこと?」


「ジョージは全ての料理をデータベース化している。客が注文すると、その料理がコピペされて供給される。地球上のあらゆるメニュー、もう既に閉店した店も、たった1日だけ出したメニューも、最近味が変わった料理の前verと後verも、1900年から全てデータベース化されている。それはレストランに留まらず、屋台は勿論、パン屋やスーパーの食品やワイナリーのワインまで。地球のあらゆる食品がコピペされて食べられる」


「すごい! それってもしかして既に廃番になっちゃったチョコレートも食べられるってこと?」

「そういうこと」


「更に美味しくなりましたって言っておいて、前よりだいぶ小さくなってない? ってなる前の大きいクッキーも食べられるってこと?」

「そういうこと」


「昔すぎてよく覚えてないんだけど20年位前に食べた思い出のあれやこれも、探せば食べられるってこと?」

「そういうこと」


「ジョージーーー!」


「仕事は偏執的と言わざるを得ないんだけど、そのおかげでどれだけ運営スタッフが喜んでいることか。世界一の食堂であることは間違いない。毎回数億のメニューから選ぶのは大変なので、ジョージのおすすめシリーズがある。自分のお気に入り料理がある人以外は、大体おすすめ定食を食べてるよ。カノンにもジョージのメニュー送っておくね。カノンの持ち金も全部ローマ帝国通貨に変えちゃったから、とりあえず日本円10万円チャージしておくね。このメニューから注文すれば、BOX内に届くから」


「すごいすごい。今までの人生で一番感動したかもしれない」

 前世からの人生も含めて。


「やっぱ人間、食事が大事だよね。それでさっきの魂さんたちも、作業用の体に入ると食事が出来るようになるの。労働の対価でお金貰っても使うところないし、来世には持っていけないから、大体食堂で使ってるね。雇ってあげるということは、魂さんたちの魂救済にも役立つんだよ」


「何だかよく解らないけど解った。よろしくするわ。で、食堂っていうアイコン?」


 もう自分のことしか考えていない。今は食べることしか考えられない。魂さんたちがどうしたって?


「そう、それそれ。右上に100,000円出てるでしょ」

「うん、うっわー、すごい量。北海道のBOX見るより眩暈してきた」

「だからおすすめメニューを見た方がいいよ」

「数億あるんだもんねー」


 本日の定食は、牛ステーキかラザニア。

 ガッツリ系の気分じゃないから、おすすめメニューから和食を選択してみる。


 やっぱりお寿司じゃないの? うーん、どれも美味しそう。

 今日のところは北海道だよね。で、散々カニを語ったからカニ入っているのないかな。

 あった、これにしよう。小樽のお寿司屋さん。

 ヤバいな、毎日お寿司食べてたら10万円なんてあっという間に破産するな。


 でも今日は久しぶりのお寿司ということで、高級寿司を購入!


 BOXに食堂というフォルダが出来てお寿司が入っている。


 晩ごはん用なので、ちょっとこのまま置いておこう。BOXの中でも温度キープされるのは検証済だ。ここで出して冷蔵庫にいれちゃうと折角の酢飯が固くなるからね、BOXの中の方が作り立ての味が味わえると思うのです。

 早く食べたいな~。


「美味しかったらお気に入り登録しておくといいよ。また探すの大変だからね」

「楽しみだなー」


「じゃあさっきの魂さんたち雇う件は進めておくね。あとカノン、明日からスケジュールが変わります」


「あれ、ライラさん忙しくなっちゃった?」


「ううん、違うけど、ローマ語の方は大体いいかなと思うので、次の勉強に入ります。お待ちかねの魔法だよ」


「おーっ、ようやく来るね、異世界ライフ」


 小屋にずっと引きこもって、語学とアメリカの連ドラと異世界アニメ見てただけだもん。

 日本の物しか食べてないし、今晩はお寿司の予定だし。


「魔法は魔素を十分取り込めていないと出来ないって言ってたけど、もう大丈夫なの?」

「だって、この部屋今魔素60%だもん」


「あれ? 一週間に5%ずつ上げるって話じゃなかったっけ? 今20%の予定だよね」

「そうなのよ。普通60%までに3か月はかかる筈なのよ。それも最初のうちはほぼ寝たきりの筈なのに、カノンときたら2日目から割と元気だったよね」


「えー最初は辛かったよ、ホント。頭ガンガンだったし」

「普通の人はそんなもんじゃないのよー」


「えーと、でも60%じゃまだ大変なんじゃない? 外に出たら100%なんでしょう? 倒れちゃうんじゃないかな」


「まだ外は魔法訓練するまでは出ないよ。でも、森が一番魔素が濃いの。街中なんてそれに比べたら50%位だから」

「ということは、今のこの部屋の中の方が、街より魔素が濃い?」


「そうだよ。だから第7でも一般の人は森に来ると具合悪くなっちゃうんだよ」

「そうなんだ、強い体用意してくれてありがとう」


 小屋を追い出される前に、連ドラの続きを観てしまわないと。まだ残り5シーズンもあるから、長丁場だけどね。

 タブレットもあるから別に小屋にいなくても観られるけど、森の中でキャンプして観るのはきっと難しいよね、魔獣に襲われる。


 町に行っても宿に泊まるの? 日本のホテルならいいけど、第7の宿って恐そうじゃない? オートロックあるのかなぁ。やっぱり観るのは集中できないと思うんだよね。



 連ドラ見ながら、待ちに待ったお寿司タイムです。

 やったー! お寿司はやっぱりテンション上がるよねーおまけに今日は小樽のお高め&ジョージのおすすめ!


 イワシ、ヒラメ、ツブ、エビ、マグロ、イカ、トロ、カニ、サーモン、ウニ、タマゴ。

 もう最高。自分で捌かなくていいカニも、すぐに溶けちゃうウニも、ああ自分も溶けてしまいそう。


 お気に入り登録しました。ジョージ、ありがとう。


 BOXの中のカニをどうするか考えないとなー。魚もそうだよね。貝とか大変。


 異世界アニメの人たちとかよくBBQとかするけど、よくやるなー。貝は砂吐かせないとダメだし、魚は捌かないとダメだし、カニもそのまま網に乗せてもダメよね。


 網を洗うとか面倒くさくて考えたくもない。浄化と再生と劣化防止の魔法かけたら元に戻る?

 だったらBBQをするためにも頑張って魔法習得しないと。


 魔法の訓練って何をするんでしょう?


 美味しいお寿司食べたら眠くなってきたので、さっさとお風呂に入って、ポカポカのまま寝た。

 おやすみなさい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。