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イズナ使いの虚誕 ~2人の緑さん関連の漫書〜  作者: 犬冠 雲映子
■(牛女の村 ―人か 魔物か 魔法少女か―)
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からっぽのむら

 山伏式神の友人──謎のウサギにより、見知らぬ景色に転送され、転がった場所は電気も通っているか怪しげな山奥だった。

 曇り空の下、砂利の痛みに顔をしかめる。いきなり叩きつけられて咄嗟に着地の体勢をとって良かった。

 またか、と内心毒づくも、立派な屋敷に驚く。山の中であるにしても武家屋敷なみの建造は異様だった。

 長屋門はまた異色で、民家1軒くらいあるだろうか。だが普通の武家屋敷とは異なるのは増築されている点だった。

 そうしてどんよりしている。淀んだ、モッタリとした空気がのしかかってくる。


「唐津穂村?」


 もしここがかの集落だとして、他の民家は長らく空き家になっている様子だった。生活感があるのはあの屋敷だけ。まるで迷い家か人ならざる者が見せる幻みたいだ。

 大それた門構えには『星雲寺(せいうんじ)』と表札があり、寺なのでは? と緑さんは考えた。

「ゲッ。血の匂いがする。厄介ね」

 スンスン、と嗅いで彼女はだるそうに肩を落とす。

「けが人ですか」

「いや、もう手遅れ。何人も死んでる。あと……悪趣味三足烏の残り香があるわ」

「あく? とりあえず、疫鬼とはそれですか」

「いいや、違う──みたい」

 山伏式神は警戒した様子で周りを見渡した。鋭い双眸で刈り揃えられた暴風林を睨んだ。

「気をつけないと。何かが見てる」

 間髪入れず2人の間をビームがかすり、硬直する。ここは軍事施設だったのか?

「てき! てき! てきハッケン!」

 異形の小鳥が叫びながら現れ、また口からビームを発射しようとしている。

「やばっ、何あれ! 殺戮兵器?!」

「早く倒してください」

「他力本願すぎ! 私にはできないわよ! 辟邪の魔法がかけられて飲み込めない」

「辟邪。まさか──」

「リーガ! あれは私の仲間!」

「りーが?」

 傷だらけになった吊田崎 草目が慌てて怪鳥を掴み、こちらへ駆け寄ってきた。

「草目さん、生きていたんですね」

「生きてるよーっ! 勝手に死なせないでえ!」

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