↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シモウサへようこそ!  作者: 一ノ宮ガユウ
7. 神々のうた
PR
88/153

#1 カルナとケヤキちゃん①

挿絵(By みてみん)


7. 神々のうた


 セテュードに乗ったカルナとケヤキちゃんは高速で移動する。ケヤキちゃんはセテュードの首筋をを優しく撫でてあげる。


「とてもかっこいい」


「褒めてくれてるよ、セテュード」


 セテュードはハリオアマツバメの幻影だ。鋭い眼光は行く先を睨んだままだが、ちょっとだけケヤキちゃんを振り返って応えた。


「セテュードは精霊なの?」


「ちょっと違うかな。ルクフェネのオーデもそうだけど、アルテリウア・ユーヴェそれぞれの友達。ユーグネアを指先で紡ぐことで現れるけど、ほかのユーグネアとは違ってそのユーグネアを創り出した本人か、本人から伝えられた者の前にしか現れない。生きていたころの姿を知ってるんだよ」


「それではカルナさんの想いがこうして眩い光をまとわせてるのね」


「そういうことになるかな。向かってる先はどういうところ?」


「大河を見下ろす杜に社(やしろ)があって、姉と慕う精霊がいます。きっともう目覚めて待ってくれていることでしょう。社は人々から神(こう)崎(ざき)神社と呼ばれています」


「お姉さんと慕う……きっと素敵な方なんでしょうね♪」


「はい、とっても。よい助言をもらえると思います」


 セテュードは杜の上を一度旋回して、それからその麓に舞い降りた。カルナは鳥居の前で一礼する。そこからはずっと上まで急な石段が続く。


「セテュードも一緒に入ってよさそう?」


「はい、姉さまは歓迎するといってくれてます」


 セテュードは鳥居をくぐってから一気に急上昇した。そして滑空したまま滑るように山頂の境内へ。カルナはどこか切り取られた空間に入ったことを自覚した。


 見える風景に変わりはない。深夜にあってはただ暗闇だけが支配する境内だ。ただ歩みを進めるにつれて、社殿を隠すほどに大きくそそり立つ楠(くすのき)が淡く翠(みどり)に輝き出した。


 仄かに光をまとった小さな少女が現れる。顔立ちはケヤキちゃんによく似ているけれども、すべてを見通すような双眸は碧く、しかし髪はよりいっそう緑濃い。


「姉さま」


「久しぶりですね、息災でしたか」


「はい、姉さまもお元気そうでなにより」


「カルナ・ウィーディルビルグです。お会いできてとても嬉しいです」


「わたしもですよ、カルナさん。歓迎します」


「ケヤキちゃんのお姉さんはなんて呼んだらよいでしょう?」


「ケヤキちゃん……よい名前をもらいましたね、ケヤキちゃん」


「はい、でもまだちょっとこそばゆく感じます」


「それもよいものでしょう。ですが、わたしは古くから〝ナンジャモンジャの木〟と呼ばれて人々に守られてきた存在。それ以上でもそれ以下でもないのです」


「では、ジャモちゃんとお呼びしてよいでしょうか?」


「わかりました、ではこれよりジャモと名乗ることにしましょう。ケヤキちゃんもよいですね?」


「はい、ジャモ姉さま」


「さて、この地に起こっていること、あるいは起こりつつあることはわかっています。閉ざされた空間が存在するのは取手の地、ゆえに解き放つにはそこに住まうケヤキちゃんの力が何よりも重要です。わかっていますね?」


「はい。でもわたしの力では足りません」


「わたしも取手の地へ赴き、助けましょう。そしてカルナさん、この地に住まうほかの精霊にも呼びかけましょう。きっと応えてくれることでしょう」


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。