#2 空中戦②
「惜しかったじゃないッスかァ、アニキィ!!」
「どうした!? 逃げてるばかりじゃ勝てねえぜ!!」
(うるさいな〜。こっちは手出しできないのに。正当防衛でも生身の人間だとけっこう書類書かされるし〜)
「ルクフェネ! あまり気にしないでいいよ! 報告書は僕が書くから!」
「うん……」
「隙あり〜!! よく見りゃこっちもガキじゃねえか!! オラオラオラ!!」
上へ下へ、右へ左へと激しく交錯するなか、真横を光弾が擦り抜けていく。オーデは反り返るように旋回していく。
(いかんいかん、やっぱ、ぽうっとなるのはどうにもならないな〜)
「ありがと、ケイ! でもこの状況だと手加減が難しいし、命まで奪っちゃうといい気分でもないし!」
「わかった!」
「優しいね、ルク!」
「ふふん♪ わたしは優しいの♥」
「ヒャッハー!! 後ろを取ったぜィ!! おっとォ、パンツ丸見えだぜ!! 嬢ちゃん!!」
(前言撤回……オーデ、蹴っちゃうけどごめんね)
オーデは振り返ってくりくりの目で頷く。顔を真っ赤にしたルクフェネはオーデの背から空中に飛び出した。
「ヘ……!?」
(乙女のパンツを見るな〜!!)
急接近したルクフェネはボデルの顔面ど真ん中を容赦なく踏みつけ、その反動で別の方向へ。
「え……!?」
重心を入れ替えて真後ろから後頭部を回し蹴り。そしてルクフェネは擦り抜けるオーデの背中に跳び乗った。
「圭、そっちのお願い!」
「了解! 揺るぎなく確かな絆……ちょっとやわらかめ!!」
「揺るぎなく確かな絆!! 問答無用!」
圭の創り出した障壁はカーテンのように揺らめき、ドロジの空中バイクをふわりと受け止める。ルクフェネが創り出した問答無用の障壁にはボデルの空中バイクが激突、続けざまに生み出された透明な障壁の上に落下した。
(記憶喪失になりますように……)
「ドロジのアニキぃ〜!! ボデルのアニキぃ〜!! ……へ?」
「まだやるの〜?」
リバは母船の前面にしがみついていた。操縦席のガラスにぬうっと顔面を近づける。サンタロは白旗を揚げた。
「降参ッス……」
防衛局へ戻ると、圭はさっそく報告書の作成をはじめた。ルクフェネはご機嫌に新作スイーツをご堪能。
「江戸崎かぼちゃのモンブラン・パフェ♪ ホイップクリームもたっぷり♪ わあ、レモンピールのアクセントが絶妙♪」
「今日は大忙しだね。さっきのドゥーブスの前にはゴーテイル四体が侵入してきたし。グレイルの強化版って感じで硬そうだったね」
「よゆう♪ よゆう♪ でも搭載してるのが武器っていうより兵器だから、抑え込んで街を破壊させないようにするのがたいへん」
「今回は最初に重火器をぜんぶ無効化できたし、水戸街道に誘導できたからよかったね。アスファルトの修繕だけで済みそう」
「肉弾戦に持ち込まないと、けっこう壊されちゃうからね」
「でもおびき寄せ役だったり、さっきのドゥーブスも通せんぼばかりで、リバのフラストレーションが溜まってるよ」
「かぼちゃのアイスクリーム登場♡ 止まらない〜♥ 任務だから我が儘はいわせないけど、次はストレス発散させてあげてもいいかもね♪」
「空賊の連中はだいじょうぶなのかな……?」
「死んでないからだいじょうぶぅ♪ 医療マシンに放り込んどいたから、まる一日眠らせておけば治るでしょ♪」




