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シモウサへようこそ!  作者: 一ノ宮ガユウ
8. シモウサへようこそ!
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#4 危機

挿絵(By みてみん)


 銃弾が飛び交うなか、休まず次のターゲットへ接近して同じように始末する。残り四体になってルクフェネは高く跳び上がった。


(四体ならいけるはず……! 流星よ(リオジェオケーア)、降り注げ《・クアリー・デューチュア》)


 闇夜に星の群れが生まれて一斉にローゲイルへ襲いかかる。大気が沸騰する。


(一体、仕留め損ねた! 風のように(ピキュ・リーツォア・)隼のように(ロキュ・リーツォア))


 白熱の空間から一直線に光弾が飛び出してくる。残像を貫く。


 着地したルクフェネは続けざまにユクルユフェーアを紡ごうとした。


(!?)


 不意にバランスが崩れる。踏み込んだ脚に力が入らない。ローゲイルはすかさず突っ込んでくる。


(これくらいで……!?)


 ルクフェネはどうにか攻撃を躱しながらも、どんどん後退していく。相手は光弾を乱射しながら、容赦なく巨大な矛で殴りかかってくる。その打撃を受けてルクフェネは吹っ飛ばされた。


「元祖れんこん砲!」


「繭(まよ)々(まよ)!」


 どこからか大量の白い光弾が飛んできてローゲイルを急襲する。さらに白い糸が縛り上げて動きを封じる。


「アヤメちゃん、ルクフェネさんをっ! そんなに持ちません!」


「大丈夫ですか!?」


「何とか……。ツムギちゃん、こっちへ! 二人ともつかまって! 風のように(ピキュ・リーツォア・)隼のように(ロキュ・リーツォア)!」


 束縛を引きちぎってローゲイルは咆哮する。ルクフェネは二人を抱えて瞬時に移動した。


 どうにか物陰に隠れて息を整える。


「ハァ……ハァ……。二人ともありがと……」


「ルクフェネさん! 怪我は!?」


「だ、大丈夫ですか!?」


「ちょっと……厳しいかもね……」


「ここは諦めましょう。あんなのが待ってるとは思いませんでした!」


「アヤメちゃんのいうとおりです、仕方がありません!」


「……。別に無理をしたつもりはなかったの。確かに頑丈で厄介だけど苦戦するような相手じゃなくて。……。いつの間に圭に頼ってたんだね、それがわかっちゃった……。圭がいてくれないとうまく戦えない……」


「ルクフェネさん……」


「そういえば〈セグレンデの二つ耳〉から何も感じられなくなってるし……」


「わたしたちの力はやっぱり小さくて、れんこん砲ではまるで歯が立たなかったです……」


「繭々も引きちぎられてしまって……」


「ううん、隙をつくってくれただけでじゅうぶん。……。撤退するしかないのかな……。……あれ、受信だ。復旧したのかな? ……あ、そうだ、ピアツーピアにしてたんだった。圭?」


「ルクフェネ! だいじょうぶ!? ルクフェネが押されてる感じで、そんな馬鹿なって思ったんだけど!」


「ちょっとね……あれ? 〈セグレンデの二つ耳〉はちゃんと機能してる!?」


「もちろん! それでだいぶルクフェネの力を使っちゃったから、そのせいかもって!」


「……!? あ、ほんとだ……って、ちょちょちょ、ちょっと大丈夫!?」


「実はそんなに大丈夫じゃなかった。でもリバと、あと精霊のカスミちゃんとマリモちゃんが全力を出してくれて、僕はまあ……あ、カスミちゃんにものすごい目で睨まれちゃった。今回は僕も含めてみんなで頑張って、なんとかピンチを切り抜けたところだよ」


「そう……よかった……」


「だけど今回ほど『死』という言葉を強く意識したことはなかったかもしれない。そしたら、想いは伝えられるときに伝えるべきだったって、自然と。それでこんなときにおかしいとは思ったけど、僕の想いを聞いてほしいんだ」


「想い……?」

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