湖畔のホラーはまだ続く……?
すみません、寝ぼけて編集途中のものを前項にアップしてしまいました……
現在削除済みです
上空から改めて眺めたマシリに、変わったところは特になかった。鬱蒼とした森は別荘部分だけが切り開かれていて、隠れ救民の住居らしいものは一切見えない。
……まぁ、彼らの立場になって考えてみれば、人目につきたくないんだろうから、当然かもね。自力で飛べる魔族だっている世界だ、警戒はしてもしても足りないだろう。
バラクさんはゆっくりと湖畔に竜車を下ろした。キラキラと遠目に光って見えていたが、近くで見ると湖水の透明度は驚くほどに高い。これは間違いなく、泳ぐとサイコーに気持ちいいヤツ!
心配性のあんちゃんに止められようが、あとで水際まで行こうと心に決めた。アタシ、水辺ってなんとなく好きなんだよね。温泉も地底湖も湖も。お城のお堀とかもすごく好き。それで家族に呆れられたこともあったっけねぇ……。
竜車の周りは、草もなく広い砂浜のようになった場所。
「少々お待ちくだされ」と真剣な目つきのバラクさん一人が警戒のため先に降りた。素早い動きで辺りをざっと見回った後、ようやくアタシ達にも許可を寄越す。普通に考えて、飛竜に近寄る魔物はいないから、竜車で移動している限りは基本的に安全だ。それでもバラクさんは職務に忠実だからね、仕方ない。
「……はー、こりゃホントにイイ場所だねぇ」
もし万が一本当にアタシが別荘を建てるなら、ここがイイ。明るい湖面をさわさわと渡る風が描く波紋すら美しい、静かな場所。
踏み出せば、ギュッと足の下で小気味の良い音が上がった。予想通りの鳴り砂だ。
なんとも久しぶりの感覚に自然、顔が弛む。原生林区とも街とも宅地とも違う、砂浜の重い感覚。
うん、イイねイイね、これぞバカンス! ぐわっとテンションが上昇していく。
「魚とかいるかな?」
「あ、ちょっと……フィーリ!」
「ひぇ!?」
足取り軽く波打ち際に駆け寄ると、案の定制止の声を上げたあんちゃんが、予想外のスピードでアタシをグイッと抱き上げた。
「主のいる水場には勝手に入ったらダメです。時間があればこの湖の主と話をつけて来ますが、今日の目的は違うでしょう?」
「……主?」
「この感じはたぶん、コプリオンですね」
なんと言うこともないあんちゃんの口調と表情。でも、これまでの経験からアタシはあんちゃんが尋常じゃないことを知っている。
毎度お馴染みお姫様抱っこから降ろしてもらい、がっかり溜め息。遠く視線を投げてもアタシにはただ美しい光景にしか見えないのに。
…………せめて、そのコップなんだかが食べられるのかどうか知りたいね。
「会長」
未練がましく湖を見ていた背中に、押し殺した声がかかった。
何事かと振り返れば、アロが緊張した面持ちで森の奥を睨んでいる。咄嗟のせいか、あんちゃんの前にしては珍しく、役職呼び。アタシはこっそりそれにも驚いた。
職業意識の高いアロを混乱させるほどの何かが、森の奥にいるらしい。
目を凝らしてみても、やっぱりアタシに見えるのは野趣溢れる緑の森だけ。
けれど、得物に手をかけたバラクさんの様子を見れば、いかに呑気なアタシでも警戒心が湧いてくる。
こんな時は速やかに防衛隊形をとるべし! つまりアタシは、ニコニコとこちらを見下ろすあんちゃんと素早く手を繋がなくてはならない。
「良くできましたね、フィーリ。正しい判断です」
昔はいちいち、「なんで!?」「防衛ならあんちゃんの手、塞いじゃダメだろ!?」とか驚きつつ抗議した。けれど、今となっては抵抗感ゼロ。こういうものだと理解している。
……まぁねぇ、そもそも、自衛手段に乏しいアタシは、周りに頼るしかないんだもん。多少謎行動だろうが、あんちゃん達のやりやすいようにしてもらうのがたぶん一番。
「何者だ!!」
威圧感たっぷりに鬼さんが誰何 《すいか》する。しかし、いくら待っても返ってくるのは、細波と葉擦れの音のみ。痛いほどの緊張が平和な汀に漂った。アタシはドキドキする心臓を空いている手でおさえ、息を殺す。みんなの邪魔にならないようにしなきゃいけない。
と、睨むように森を見つめていたアロが、突然くるりと踵を返した。
何事かと見守るアタシ達の前で今度は唐突に竜車の中に頭を突っ込む。かと思うと、その手にバスケットを抱えて戻って来た。
あれって……。……なんでまたこの場面でバスケット?
100P記念を考え中……
今日はクリスマスイブですね
クリスマス→年末年始とパーティー宴会シーズン突入です
皆様、胃腸や肝臓、お大事に!
一度傷めると引きずりますからね……




