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ためされる理性(陛下視点)

俺がアデルと出会って14年、結婚して7年がたった。

妖精のように可愛かったアデルが俺の子を産み2児の母になったが、俺の心はアデルに奪われたままだ。


食事をとりながらも、もう見慣れたはずのアデルを何度も見てしまう。

柔らかく波打つ金の髪、白い陶器のような肌、澄み切った青い目は優しく俺を見ている。


可愛い…


俺はもともとこの表情であり、感情を言葉にすることが難しい人間であると自負しているが、アデルを見ていると顔がにやけそうになる。


「陛下、私の顔に何かついていますか?」


アデルにそう問いかけられても俺はただ首を振ることに留めておく。

それはさておき、アデルに伝えるべきことである側室の件であるが、これは機密的なことも含まれていることもあり、今度二人で話すこととしよう。

まずは心配事である散歩についてである。


何度となく一人で散歩するのでなく、侍女一人でもつけるように言っているというのに、まったく聞く耳を貸さないアデルに諦めかけていたが、聞いてもらうまでは何度となくいうしかないのだろう。


「わかりました。もう決して離宮には近づきませんとも」


言ってみてもこうだ…なぜそうなる!!


「そこまで言っていない。ただ王宮で迷うな」


話を聞いていないアデルに息子も首を振っている。

今回もダメか…


このままでは俺のためにアデルの好きな散歩を禁じなければならなくなる。

いや、むしろ俺が散歩についていけば、こんな心配しなくてすむではないか!

四季移ろう庭でアデルと二人……いい


そんなことを考えていると、アデルからお願いをされた。

あまりわがままを言わないアデルからのお願いなのだから全力でかなえてやろう。


「はい、触れてもよろしいですか」


俺は食べていたものをのどに詰まらせた。

咳き込む俺を心配してアデルが背をなでてくる感触の良さに意識を持っていかれながらも、アデルが言ったことを範唱した。


触れてもよろしいですかだと…もちろんだ。俺にも触れさせろ!!


そのまま華奢なアデルが俺の膝に乗り、俺の身体に密着した。


これはやばい!いろんな意味でやばい!!アデルお前は俺をどうしたいのだ?


固まっていた俺にさらにアデルが追い打ちをかけてくる。


「陛下お口をあけてください。はいアーン」


アーンだと!むしろ俺がお前をアーンしたい!!これはなんだ、いいのか食べても?

少し顔を赤らめ、はにかみながら俺にフォークを向けてくる姿はもう…直視できない。


俺の顔にも熱が集まってくる。

そんな俺たちを俺そっくりな顔のヴァルドが冷めた目で見ている。

そしてアデルそっくりな幼い娘リーナはさっきまでは食事をして眠くなっていたのか舟をこいでいたはずが、現在俺たちを直視しながらデザートを食べている。


このままでは教育的非常にやばい!しかし、今はそんなことはどうでもいい。


アデルを抱き上げすぐさま部屋に戻ろうとするとアデルが俺に「ご機嫌悪いのですか?」と問いかけてくる。


機嫌が悪い?最高だとも!お前のためなら世界さえも手に入れられる。


「アデル…」


いつも言葉にできないが、愛してる。




「お楽しみのところ陛下、申し訳ありません。お仕事が残っていますよ」


いつの間にか扉に立っていたルイの言葉に知らずに舌打ちを打ってしまった。


「どこに行かれるのでしょうか?陛下ここにはヴァルド様もおられるのですよ」


「……」


そんなことは分かっている。


「お仕事が、残っています!」


「……」


仕事が残っている?明日早起きするからそこを退け!そう目で語るがこの男に通用しない。

アデルを見れば心配そうに俺を見上げている。

アデルを抱く腕に力が入るが、その姿に力が抜けた。

アデルに嫌われたくない。


「わかった。戻る」


アデルを降ろし、後ろ髪をひかれながら、俺は執務室に戻った。


すぐに終わらせて待っているだろうアデルのもとに行かなければ!




しかし、死に物狂いで仕事を終わらせた俺が寝室に戻るとヴァルドとリーナを抱きしめ眠るアデルの姿だった……

まさに膝から崩れ落ちるというものを初めて体験した夜だった。





リーナ「かーしゃまぁ~きょうは、りーにゃと一緒にねんねしてくだしゃい」


ヴァルド「リーナ、今日は、母様は父様と…」


アデル「いいわよ。そうだわ、陛下のベッドは大きいし、みんなで眠りましょう!」


リーナ「わ~い、かーしゃまとねんねだぁ!」


アデル「ヴァルドは私と一緒は、嫌?」

(さびしげな瞳でヴァルドを見つめる)


ヴァルド「っ!ご一緒します!!」

(父様すみません。止められませんでした…)


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