表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
顔が良すぎるというだけで、異世界に召喚されて生徒会の……マスコットにされてしまった  作者: ユナ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/13

第5章:寮の夜とクーデレエルフの「買収」計画

生徒会専用の寮エリアは一般の居住区から完全に隔離されており、まるですすり泣くように夜の闇に淡い光を放つ魔法の魔花に囲まれた、古風な邸宅のようだった。「特別助手」という名目のため、レンは1階にあるかなり広い部屋を割り当てられていた。

心地よいベッドに体を横たえ、レンは疲れ果てたようにため息をついた。インドアひきこもりの彼にとって、登校初日はまるでホラー映画のようだった。

「エリドン教授は絶対に重度の被害妄想だ。この学校の連中も……まるで俺が今にも学園を破滅させる魔法爆弾でも投げつけるかのような目で見てきやがって」

彼はぶつぶつと呟き、夕方に執務室から借りてきた8弦の楽器(弦楽器)に手を伸ばした。深みのある温かい音色が再び響き渡る。今回は、張り詰めた頭をほぐすための、ゆっくりとした優しいアコースティックのメロディだった。

コンコン。

控えめなノックの音が、最後の音符を遮るように響いた。レンは動きを止め、楽器を傍らに置いてドアを開けに歩いた。

月光が降り注ぐ廊下に立っていたのはシルヴィアだった。エルフの少女は昼間と変わらず感情の消え失せた冷徹な表情のままだったが、昼間の厳格な制服の代わりに、シンプルな白いネグリジェを身にまとい、長い銀髪を自然になびかせていた。彼女の手には、少し不格好にデコレーションされた小さなお菓子ケーキが載った銀のトレイがあった。

「シルヴィア? どうしたんだ?」レンは驚きで目を細め、低い声で尋ねた。

シルヴィアの視点からは、月光の下で目を細めたレンの姿が、息をのむほど妖艶で神秘的に映った。彼女の心臓は激しく高鳴ったが、顔の筋肉は石像のように固まったままだった。

「午前の授業……お疲れ様。これ、少しだけど……エネルギー補給。私が、自分で作った」

そう言うと、彼女はトレイを前に突き出した。レンが皿の上のケーキに目をやると、歪んだ砂糖菓子の花が飾られていた。彼女が多大な労力を費やしたことは伝わってきたが、どうやら料理のスキルは剣術の才能と完全に反比例しているようだった。

「ありがとう。部屋に入って座ってくれ」レンは身をよじって道を譲った。この治安維持隊長を怒らせて、いきなり剣を抜かれでもしたらたまったものではないので、断る勇気はなかった。

シルヴィアは部屋に入り、窓際の木製の手すり付きの椅子に慎重に腰掛けた。彼女のエメラルド色の瞳は、ベッド、弦楽器へと密かに泳ぎ、そしてレンの彫りの深い顔で止まった。

レンはドアを閉め、机に向かってケーキを一口味わった。甘さは少し強烈だったが、スポンジはかなり柔らかかった。彼はかすかに頷き、うっすらと微笑みを浮かべた(実際には、安堵で顔の筋肉が少し緩んだだけだった)。

「美味しいよ。すごく口に合う」

ボカン。

シルヴィアの頭の中で、まるで花火が爆発したかのようだった。

『彼が……彼が私の作ったケーキを美味しいって褒めてくれた! しかも私に向かって微笑んでくれた! あの優しい眼差しは何!? まさか……彼も私に好意を? 神様、心臓が飛び出そう……!』

心の中では狂ったように叫び悶えているにもかかわらず、シルヴィアは膝の上で両手を小さく握りしめ、尖った耳の先端を真っ赤に染めながら、声のトーンだけは相変わらず氷のように冷たかった。

「貴方が気に入ってくれたのなら良かった。これからは……毎日作ってあげる。その代わり、一つ要求がある」

「要求?」レンは警戒して首を傾げた。

「クレアとミオネに……あまり親しくしないで」シルヴィアは照れ隠しに窓の外へと顔を向けた。「クレアは短気だし、ミオネは強欲すぎる。あの人たちは貴方の静寂を乱すだけ。この学園で、貴方を全方位から守れるのは私だけ。だから……もっと私に依存して」

レンは呆然とした。このラブコメ臭全開の独占欲宣言は一体何なんだ? 彼が答える間もなく……

ドカン!

レンの部屋のドアが、再び容赦なく蹴り飛ばされた。ドア口には分厚い本を抱えたクレアが立っており、室内の光景を見るなり怒りで顔を真っ赤にさせていた。

「シルヴィア!! 夜中にネグリジェ姿で私の助手の部屋に忍び込んで何をしてるのよ?! それにその格好はなによ!! あんた……生徒会のマスコットに何の破廉恥な真似をしようとしてるのよ!?」

シルヴィアは全く動じることなく、物静かに立ち上がると、レンの前に立ちはだかってツンデレの親友を真っ向から見据え、挑発的な声で言い放った。

「私は助手の警護と特別なケアという任務を遂行しているだけ。それより会長こそ、夜更けに男子生徒の部屋に本を持って何をしに来たの?」

「わ、私は……この男に……講義をさせに来たのよ! そうよ! こいつが昼間に元素物理の知識についてデタラメを言ったせいで、気になって一晩中眠れなくなったんだから!」クレアはしどろもどろになりながら、背後に恋愛小説を隠し、トマトのように顔を真っ赤にした。

レンは頭を抱え、椅子に崩れ落ちた。異世界の寮で迎える彼の最初の夜は、学園の権力を握る二人の少女による争いの戦場へと、正式に変貌を遂げたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ