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ログアウト  作者: 狐野柄
第二章:絶望の四日間
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第5話 『決意と企み』

白「で?女子一人に男二人が何のようなの?」


焦吉「なんかその言い方、俺たちがこれからやばいことするみたいじゃねーか!!」


白は蒼に呼ばれ、1人でその部屋に来ていた。

蒼の疑わしき人物を確信まで追い詰めるための仲間として。


蒼「なに、簡単な話。俺たちはさっき話した『内通者』つまり俺たちの中の主催者側の人間を確信付けるって話だ。お前も見てただろ?」


白「あー。あの話ね。」


焦吉「そう、その話に協力してほしいって話。」


白「お断りします。」


焦吉「なっ…!!」


言い切った。

焦吉の話したのに、食い気味に言うかの如く言い切った。


蒼「どうしてだ?」


白「信用。」


焦吉「あ?」


白「あんたらどっちかが、狩る側の人間かもしれないから。」


疑っていた。

殺す側の人間とはいたくないと、そう言うように。


蒼「ふ…。」


焦吉「何がおかしいんだ??」


白「?」


焦吉も白もきょとんとした。

その蒼の漏れた微笑みに。


蒼「佐々木ってホント頭いいよな。」


白「は?」


蒼「問題ない。どっちも違う。だからこそ、あんたを守れる人間だ。」


焦吉「(あー、なるほどね。)」


蒼は言い切った。

そして、その言葉と同時に焦吉も何かを察したかのように理解した。


白「何言ってんの?」


蒼「だーかーらー。あんたを、佐々木白を守るって言ったんだ。あんたも信用していたくせに、なにいってんだよ。」


白「わかってたの…?」


蒼「狩られる側がそんなこと言うのは危険だろ。もし、本当にどっちかにいたらそいつは、生き残るためにお前を殺してた。狩る人間も探してるからな。」


焦吉「ハイリスクすぎ。おれじゃ、できないわ。」


やれやれと言わんばかりに焦吉がそう言った。


そう、狩る側も『内通者』を探しているかもしれない。

だが、生きるためには殺さなくてはいけない。

狩れば生き残れてゆっくり探せる。

白の言った発言は極めて危険だった。

信用していたからこそできた芸当だった。


蒼「さっそく、進めよう。怪しい人物を洗い出して見つけるんだ。」


焦吉「そうだな。」


白「ええ。」


そこで蒼は、一つの疑問を白に投げかけた。


蒼「ところで、お友達は?」


白「茜なら大丈夫。信頼のできる2人に預けたわ。」


そう、笑顔で言った。

信頼してる2人。

白にとっても茜にとっても一番長い付き合い2人。

海原洸と森下快兎という2人の男に。


蒼「そうか。」


白「えぇ。」


確認が済み、その『内通者』を探すために話し合いが始まった。


蒼「まず、俺と焦吉が目に着けたのはこの三人だ。」


そう言うと紙に書き始めた。


焦吉「あぁ。『吉田政義(よしだまさよし)』、『鉄山豪太(てつやまごうた)』。」


蒼「そして、『篠原龍斗』だ。」


白「え?!まって、篠原くんは私たちと最初のゲームで生き残ろうとしてくれてたわよ?」


驚いた。

いままで行動を共にしていた仲間が疑われていたことに。


蒼「あくまで、疑惑があるってだけさ。ただ、一番可能性は低い。」


焦吉「ちなみに、白ちゃんは?疑ってた人物って?」


白「『吉田政義』、『深堀和也(ふかほりかずや)』、『鷲田修太』よ。」


出揃った5名の名前。

疑いの目があるのは修太と行動している連中と龍斗。


蒼「よし。理由を聞いとくよ。」


白「簡単よ。吉田のメガネはあなたたちと同じ。始まる前の発言よ。深堀のデブは、全員に番号がいきわたった時の一瞬の表情。鷲田はあの状況で仲間割れを起こそうとした。どう?」


ごもっともな意見ばかりは出揃っていた。

そして、蒼も焦吉も要注意人物として2人の人間のマークに徹すると決めた。


焦吉「決まりだな。」


蒼「あぁ。同意見の吉田とチームの輪を乱す鷲田の2人だ。あとは…。」


そう言うと蒼も焦吉も白のほうを向いた。

今回のターゲットは佐々木白。

狩る側の人間を探さなくてはいけない事態もある。

守ると決めた2人は、そこまでのことを決めようとした。


焦吉「どうするよ。」


蒼「あぁ。どうする。」


焦吉「はっきり言って今回は相手側には悪いが…。おれは白ちゃんをここに匿って俺たちで守るってのが最善でいいと思ってる。」


蒼「というかそれしか手段がない。」


蒼も焦吉も同意見の作戦。

だが、相手は命令に従わなければ処刑される。

命令に従えば白が死ぬ。

どっちかが必ず死ぬ。

そんなゲームだった。


白「私は…。安藤さんのを見て誰も死んでほしくないって思ったわ。」


蒼「でも、そうなればあんたが死ぬ。」


焦吉「俺だってクラスメイトが死ぬのは見たくないさ。けど、成す術がない…。」


白「私のせいで死ぬのは嫌だから…。」


蒼「あんたは、悪くない。誰も攻めやしない。攻められたら二人で守るさ。」


焦吉「そうだぜ?白ちゃんは悪くないさ。」


白「でも…。」


迷っていた。

自分が死ねば、ほかの人が助かる。

そう考えていた。

他人の為なら動けると考えていた。


蒼「なりふり構ってらんねーんだよ。躊躇うな!あんたは生きるべき人間なんだよ!」


白に攻めよりそう言った。

どこか、焦っているような、そんな目をしていた。


焦吉「おいおい。蒼。落ち着け。」


蒼「落ち着いてるさ!俺は洸のためにも!」


白「…っ。」


焦吉「おいっ…。」


蒼「…っ!」


何かまずいことを口を滑らせたことに、我に返り思った。


白「洸のために…?」


蒼「ちっ。とにかく生き残って茜や洸、快兎と仲良くしろってことだよ。」


少し訂正しようと、そういま思ったことを口にした。


焦吉「そういうこと!だから、生きてね。」


白「…わかった。生きるよ…。」


焦吉「うん。蒼にはさっきの態度、後でよく言っておくから。」


そう、笑顔で言った。

心から生きてほしくて。

身近な人に生きてほしくて。

もうクラスメイトの死を見ないためにも。


蒼「ちょっとトイレ行ってくるわ。」


そう言いドアを開けて部屋を後にした。


焦吉「なるべく早くねー!」


出ていく蒼にそう声を大きくかけた。

そして、


白「ありがとうね。」


そう白が小さく呟いていた。


焦吉「…?」


焦吉に聞こえないほどに小さく。


―――――ガチャン。


蒼は、扉を閉めトイレに向かい廊下をただ一人歩いていった。


その部屋の近くの死角には、ただ一人その様子を見ていた男がいた。


龍斗「…。」


そして、トイレに向かった蒼は鏡を前に自身の顔を見ていた。

その自分自身に向かって言葉を放っていた。


蒼「俺は躊躇わない…。生きるために…。生きて元の日常に戻る為に…。」


そう、言い聞かせるように呟いていた。




第5話 『決意と企み』 (完)

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