第1話 『王様ゲーム』
『セカンドゲーム』。
その、説明があると通知が届いた。
それは、洸たち全員に向けられたメッセージ。
もちろん逃げれば死。
選択肢の無い道。主導権は相手が握っている状況。
そして、2回目の始まり。
洸たちは、しばらくその場に立ち尽くしたのち、保健室を後にし体育館へと向かった。
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―――――ガララララ。
洸は、冷たく重たい体育館の戸を両手で開けた。
その瞬間に、体育館の生暖かい風が一気にこちらへ押し寄せるとともに、
最悪の気配も押し寄せてきた。
洸たちは、ゆっくりと体育館の中央へと足を運んだ。
―――――コツ…コツ…コツ…。
すでにそこには、4名の男が立っていた。
和也「な、なんだ!まだ生きてる人いたのか…!」
政義「あー。クラスメイトの人たちじゃないですか…。」
豪太「無事でないよりだな。」
そこには、小太りの男、眼鏡をかけた細い男、筋肉質な男、
そして…。
修太「よぉー。生きててよかったな。お前ら。」
金髪の男がいた。
龍斗「へぇー。君の生きてたんだー♪『鷲田修太』くん♪」
龍斗はニヤリと笑みを浮かべて修太を見つめ始めた。
修太「なんで、てめーがいんだよ。篠原。」
龍斗「学校に登校しただけですよ。鷲田くん♪」
修太「いつもいねぇてめぇがか?あ?」
龍斗「気まぐれなんですよ。僕は。」
修太「よくもまあ。のこのこと。」
龍斗「あなたこそ。僕の作戦に無反応だったのに。♪」
なにか、対立しているかのような、割って話せる雰囲気でなくなりつつあった。
だが、そんな空気もお構いなしに、体育館に声が響き渡った。
???「えー。皆様よくお集まりくださいました。」
体育館のステージに何者かが立っていた。
その者の声は気さくな気だるい声だった。
???「今ゲームのマスターを務めます~。名前は『クイーン』とでも言いましょうか。」
修太「んだよ、ブス。」
クイーン「うわ~。レディーに向かってブスはひどいなぁ~。」
修太「なんなんだよ。ペンギンの次は女。どーゆー趣味してんだよ。」
クイーン「ペンギン?あー!ペンタのことか~!あの子は僕のペットみたいなものさ。」
ペンギンとは、最初のゲームに現れた人形のようなもののことだ。
修太「そのペットはじけ飛んでんぞ?教室で。」
クイーン「うん!いらないものは捨てるのがあたりまえでしょ?」
快兎「仮にもペットなんだろ。なんでそんなことが…」
クイーン「黙れ人間。」
快兎「なっ…!」
クイーンと名乗る女性は冷たい目線で快兎を見つめた。
クイーン「いらないものは捨てる。切り捨てる。人間と同じ行動をとっただけのこと。」
茜「でも!!あなたの大切だったものじゃないの?」
クイーン「黙れといったのが聞こえなかったのか人間。」
またしても冷たい視線を次は茜に向けた。
茜「…っ!」
クイーン「君たちもそうだろ?いらなくなったものは捨てる。人間の当たり前の行動だ。すべてを残して捨てられないなんてことは不可能なんだよ。君らはこの校内の死体を持ち帰るのかい?」
蒼「そう言うことじゃないだろ。」
割って蒼が口を挟んだ。
クイーン「そうでしょ。私は見てきたよ?埋めて置いていく。そして、外にも置き去りのもあるよね。」
クイーンの言っていることは間違えではない。
グラウンドに置いている死体。埋めた死体。
事実が語られている。
焦吉「…っ。」
クイーン「ねぇ。君たちからしたら死体はゴミ同然。そうでしょ?」
焦吉「違う!!」
クイーン「違わないね。現に置きっぱなしだよ?保健室にもね。」
麻衣「…っ!!!」
最後の言葉には悪意が感じられた。
二ヤツきながら麻衣を見ていた。
洸「やめろよ。お前の言いたいことは分かった。だが、俺たちはそんなことを聞きに来たわけじゃない。『セカンドゲーム』の説明をするんだろ。違うのか。クイーン…。」
怒りを殺しながら、前へ足を踏み入れクイーンに語り掛けた。
後戻りの利かないこの状況を進めて、ゴールにたどり着くためにも。
クイーン「ああ!そうだった!うっかりしてたよ!ありがとうね!話の分かる坊や。」
そう気さくな喋りに戻ったクイーンは咳ばらいをし話し始めた。
それと同時に暗い殺気が静かに消えた。
洸は、わずかに感じた殺気を消すために前に出た。
あれ以上話が進んだらどうなっていたかわからなかったから。
生きるために前に出た。
修太「ふーん。」
修太は鼻でそう音を鳴らすと、ステージに顔を戻した。
クイーン「コホン。それでは!『セカンドゲーム』の説明をしま~す。」
その口から、『セカンドゲーム』について語られようとした。
クイーン「『セカンドゲーム』…題して…『王様ゲーム』の説明を!」
活気よくその題が語られた。
美南「は?王様ゲーム?王様ゲームってあの王様ゲームか?」
クイーン「ええ。そう。みんなもよく知る王様ゲーム。」
快兎「それって。つまり…。」
クイーン「焦らなくても今説明する。黙って聞け。」
そう、冷たく快兎に向かい言った。
クイーン「ただの王様ゲームは、友達と仲良しこよしで面白おかしくやるゲーム。ただ、これは違うよ~。疑い合って、お互いがお互いを殺し合うゲームなんだから…!!」
蒼「なに?!」
美南「なにそれ!!」
龍斗「ま、結局のところ生かす気はないということだね…。」
そう言われると、一同はまたしても絶望に落とされようとしていた。
クイーン「ただ、死ぬのもつまらない。だから、こうする。」
―――――ピピッ!
みんなの携帯が一斉に鳴り響いた。
今回は死の通知ではなく…。
快兎「なんだこれ?『4』って大きく出てきたぞ。」
白「私は『6』がでたわ。」
茜「私は『10』って出た!」
蒼「俺は『1』って出た。」
焦吉「『7』?」
修太「なるほどな。これが王様ゲームに使う番号ってか…。」
クイーン「ご名答!!その通りだよ、金髪君!」
そう容器に話し始めると、続けてゲームの説明もまた進み始めた。
クイーン「これは、全員共通に送られる番号カードみたいなものだよ~。そして…。」
―――――ピピッ!
また、通知が届いた。
次に届いたのは文章だった。
歩「『5』は『7』を殺せ?!なにこれ?!」
焦吉「なに?!」
クイーン「それが命令の文さ。最後までちゃんと読まないとだめだよ~。」
そう言われて、全員がまた確認し始めた。
豪太「もし、実行できなかった場合…。」
政義「命令違反で『5』は処刑される?!」
豪太「おいおい!これってよ?!」
クイーン「そ、確実に一人死ぬよ~。このゲームはそうできている。」
そして、気さくだった表情と声が一変して
クイーンはこういった。
クイーン「”生きたいなら、殺せ”それが宿命なんだよ人間。」
蒼「な…。」
美南「なんだよそれ…。」
龍斗「そして、生きたいなら番号は隠せってことかい…。クイーン。」
クイーン「そうだよ?迂闊にしゃべれば殺される。なんてスリルがあって楽しいんでしょう!」
そう狂ったように言った。
クイーン「まあ、今回は説明だから何もしないさ。よかったね!『7』番くん!」
焦吉「くっ…。」
クイーン「そして、会場はこの体育館と体育館横の宿舎だよ~。勝手に部屋割りしてね。」
洸「まて、期限は何時間なんだ。」
『最初のゲーム』同様に時間制限はある。
それをクイーンは口にした。
クイーン「トータル四日間。そして、奴隷が王様に与えられる猶予は『一日』。もちろん王様は私。」
和也「ま、まてよ!そうなったら全部で4人も死んじゃうってことじゃないか!!」
クイーン「うん!そうだよ!」
そうクイーンは微笑み答えた。
クイーン「そして、毎朝ここで答え合わせと次の指示を受け取る。簡単でしょ~。」
政義「この中で8人も怯えるってことか…。いい趣味してるな全く…。」
クイーン「でしょ~。それじゃあ、最初の番号と命令するね!完全ランダムだから不正はない。それは覚えておいてね~。」
洸「信用は…。」
そう洸が口にした瞬間にクイーンは胸元を見せた。
蒼「…っ!」
茜「うそ…!」
快兎「まじかよ…!」
修太「ほんと趣味わりぃわ…。」
クイーンの胸元には小型の爆弾が埋め込まれていた。
クイーン「『ゲームに不正が発覚した時点でそのマスターは処刑される』そう言う決まり。」
そう、クイーンは言葉にした。
クイーン「どう?信用した?」
洸「あぁ。信用したよ。」
クイーン「女子が胸元を見せるなんて恥ずかしいんだよ~。」
開いた胸元を服で再び隠してそう言った。
クイーン「っと。仕切り直して!いきまーす!!」
その言葉と同時に、
―――――ピピッ!
ついに、始まりの通知が鳴った。
番号。そして、命令が届いた。
『命令1日目 『2』が『9』を殺せ。明日のこの時間までに殺さなければ処刑する。』
洸「(始まったか…。最悪だな。)」
洸はみんなの顔色を窺った。
洸「(俺は…。『8』か。)」
どこかほっとしていた。
その瞬間に、今誰かが心の底では怯えてるかもしれないそう考えた。
洸「(どうにか、2人とも救う方法を探さないと。)」
洸は自分が引かなかった、だからこそ決意した。
そう、内心怯えてる人間。
顔には出さない人が1人。
そして、生きなきゃと必死になる人間もまた1人いた。
第1話 『王様ゲーム』 (完)




