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ログアウト  作者: 狐野柄
第二章:絶望の四日間
14/22

第1話 『王様ゲーム』

『セカンドゲーム』。

その、説明があると通知が届いた。

それは、洸たち全員に向けられたメッセージ。

もちろん逃げれば死。

選択肢の無い道。主導権は相手が握っている状況。

そして、2回目の始まり。


洸たちは、しばらくその場に立ち尽くしたのち、保健室を後にし体育館へと向かった。



―――――ガララララ。


洸は、冷たく重たい体育館の戸を両手で開けた。

その瞬間に、体育館の生暖かい風が一気にこちらへ押し寄せるとともに、

最悪の気配も押し寄せてきた。


洸たちは、ゆっくりと体育館の中央へと足を運んだ。


―――――コツ…コツ…コツ…。


すでにそこには、4名の男が立っていた。


和也「な、なんだ!まだ生きてる人いたのか…!」


政義「あー。クラスメイトの人たちじゃないですか…。」


豪太「無事でないよりだな。」


そこには、小太りの男、眼鏡をかけた細い男、筋肉質な男、

そして…。


修太「よぉー。生きててよかったな。お前ら。」


金髪の男がいた。


龍斗「へぇー。君の生きてたんだー♪『鷲田修太(わしだしゅうた)』くん♪」


龍斗はニヤリと笑みを浮かべて修太を見つめ始めた。


修太「なんで、てめーがいんだよ。篠原。」


龍斗「学校に登校しただけですよ。鷲田くん♪」


修太「いつもいねぇてめぇがか?あ?」


龍斗「気まぐれなんですよ。僕は。」


修太「よくもまあ。のこのこと。」


龍斗「あなたこそ。僕の作戦に無反応だったのに。♪」


なにか、対立しているかのような、割って話せる雰囲気でなくなりつつあった。

だが、そんな空気もお構いなしに、体育館に声が響き渡った。


???「えー。皆様よくお集まりくださいました。」


体育館のステージに何者かが立っていた。

その者の声は気さくな気だるい声だった。


???「今ゲームのマスターを務めます~。名前は『クイーン』とでも言いましょうか。」


修太「んだよ、ブス。」


クイーン「うわ~。レディーに向かってブスはひどいなぁ~。」


修太「なんなんだよ。ペンギンの次は女。どーゆー趣味してんだよ。」


クイーン「ペンギン?あー!ペンタのことか~!あの子は僕のペットみたいなものさ。」


ペンギンとは、最初のゲームに現れた人形のようなもののことだ。


修太「そのペットはじけ飛んでんぞ?教室で。」


クイーン「うん!いらないものは捨てるのがあたりまえでしょ?」


快兎「仮にもペットなんだろ。なんでそんなことが…」


クイーン「黙れ人間。」


快兎「なっ…!」


クイーンと名乗る女性は冷たい目線で快兎を見つめた。


クイーン「いらないものは捨てる。切り捨てる。人間と同じ行動をとっただけのこと。」


茜「でも!!あなたの大切だったものじゃないの?」


クイーン「黙れといったのが聞こえなかったのか人間。」


またしても冷たい視線を次は茜に向けた。


茜「…っ!」


クイーン「君たちもそうだろ?いらなくなったものは捨てる。人間の当たり前の行動だ。すべてを残して捨てられないなんてことは不可能なんだよ。君らはこの校内の死体を持ち帰るのかい?」


蒼「そう言うことじゃないだろ。」


割って蒼が口を挟んだ。


クイーン「そうでしょ。私は見てきたよ?埋めて置いていく。そして、外にも置き去りのもあるよね。」


クイーンの言っていることは間違えではない。

グラウンドに置いている死体。埋めた死体。

事実が語られている。


焦吉「…っ。」


クイーン「ねぇ。君たちからしたら死体はゴミ同然。そうでしょ?」


焦吉「違う!!」


クイーン「違わないね。現に置きっぱなしだよ?保健室にもね。」


麻衣「…っ!!!」


最後の言葉には悪意が感じられた。

二ヤツきながら麻衣を見ていた。


洸「やめろよ。お前の言いたいことは分かった。だが、俺たちはそんなことを聞きに来たわけじゃない。『セカンドゲーム』の説明をするんだろ。違うのか。クイーン…。」


怒りを殺しながら、前へ足を踏み入れクイーンに語り掛けた。

後戻りの利かないこの状況を進めて、ゴールにたどり着くためにも。


クイーン「ああ!そうだった!うっかりしてたよ!ありがとうね!話の分かる坊や。」


そう気さくな喋りに戻ったクイーンは咳ばらいをし話し始めた。

それと同時に暗い殺気が静かに消えた。


洸は、わずかに感じた殺気を消すために前に出た。

あれ以上話が進んだらどうなっていたかわからなかったから。

生きるために前に出た。


修太「ふーん。」


修太は鼻でそう音を鳴らすと、ステージに顔を戻した。


クイーン「コホン。それでは!『セカンドゲーム』の説明をしま~す。」


その口から、『セカンドゲーム』について語られようとした。


クイーン「『セカンドゲーム』…題して…『王様ゲーム』の説明を!」


活気よくその題が語られた。


美南「は?王様ゲーム?王様ゲームってあの王様ゲームか?」


クイーン「ええ。そう。みんなもよく知る王様ゲーム。」


快兎「それって。つまり…。」


クイーン「焦らなくても今説明する。黙って聞け。」


そう、冷たく快兎に向かい言った。


クイーン「ただの王様ゲームは、友達と仲良しこよしで面白おかしくやるゲーム。ただ、これは違うよ~。疑い合って、お互いがお互いを殺し合うゲームなんだから…!!」


蒼「なに?!」


美南「なにそれ!!」


龍斗「ま、結局のところ生かす気はないということだね…。」


そう言われると、一同はまたしても絶望に落とされようとしていた。


クイーン「ただ、死ぬのもつまらない。だから、こうする。」


―――――ピピッ!


みんなの携帯が一斉に鳴り響いた。

今回は死の通知ではなく…。


快兎「なんだこれ?『4』って大きく出てきたぞ。」


白「私は『6』がでたわ。」


茜「私は『10』って出た!」


蒼「俺は『1』って出た。」


焦吉「『7』?」


修太「なるほどな。これが王様ゲームに使う番号ってか…。」


クイーン「ご名答!!その通りだよ、金髪君!」


そう容器に話し始めると、続けてゲームの説明もまた進み始めた。


クイーン「これは、全員共通に送られる番号カードみたいなものだよ~。そして…。」


―――――ピピッ!


また、通知が届いた。

次に届いたのは文章だった。


歩「『5』は『7』を殺せ?!なにこれ?!」


焦吉「なに?!」


クイーン「それが命令の文さ。最後までちゃんと読まないとだめだよ~。」


そう言われて、全員がまた確認し始めた。


豪太「もし、実行できなかった場合…。」


政義「命令違反で『5』は処刑される?!」


豪太「おいおい!これってよ?!」


クイーン「そ、確実に一人死ぬよ~。このゲームはそうできている。」


そして、気さくだった表情と声が一変して

クイーンはこういった。


クイーン「”生きたいなら、殺せ”それが宿命なんだよ人間。」


蒼「な…。」


美南「なんだよそれ…。」


龍斗「そして、生きたいなら番号は隠せってことかい…。クイーン。」


クイーン「そうだよ?迂闊(うかつ)にしゃべれば殺される。なんてスリルがあって楽しいんでしょう!」


そう狂ったように言った。


クイーン「まあ、今回は説明だから何もしないさ。よかったね!『7』番くん!」


焦吉「くっ…。」


クイーン「そして、会場はこの体育館と体育館横の宿舎だよ~。勝手に部屋割りしてね。」


洸「まて、期限は何時間なんだ。」


『最初のゲーム』同様に時間制限はある。

それをクイーンは口にした。


クイーン「トータル四日間。そして、奴隷が王様に与えられる猶予は『一日』。もちろん王様は私。」


和也「ま、まてよ!そうなったら全部で4人も死んじゃうってことじゃないか!!」


クイーン「うん!そうだよ!」


そうクイーンは微笑み答えた。


クイーン「そして、毎朝ここで答え合わせと次の指示を受け取る。簡単でしょ~。」


政義「この中で8人も怯えるってことか…。いい趣味してるな全く…。」


クイーン「でしょ~。それじゃあ、最初の番号と命令するね!完全ランダムだから不正はない。それは覚えておいてね~。」


洸「信用は…。」


そう洸が口にした瞬間にクイーンは胸元を見せた。


蒼「…っ!」


茜「うそ…!」


快兎「まじかよ…!」


修太「ほんと趣味わりぃわ…。」


クイーンの胸元には小型の爆弾が埋め込まれていた。


クイーン「『ゲームに不正が発覚した時点でそのマスターは処刑される』そう言う決まり。」


そう、クイーンは言葉にした。


クイーン「どう?信用した?」


洸「あぁ。信用したよ。」


クイーン「女子が胸元を見せるなんて恥ずかしいんだよ~。」


開いた胸元を服で再び隠してそう言った。


クイーン「っと。仕切り直して!いきまーす!!」


その言葉と同時に、


―――――ピピッ!


ついに、始まりの通知が鳴った。


番号。そして、命令が届いた。


『命令1日目 『2』が『9』を殺せ。明日のこの時間までに殺さなければ処刑する。』


洸「(始まったか…。最悪だな。)」


洸はみんなの顔色を(うかが)った。


洸「(俺は…。『8』か。)」


どこかほっとしていた。

その瞬間に、今誰かが心の底では怯えてるかもしれないそう考えた。


洸「(どうにか、2人とも救う方法を探さないと。)」


洸は自分が引かなかった、だからこそ決意した。


そう、内心怯えてる人間。

顔には出さない人が1人。

そして、生きなきゃと必死になる人間もまた1人いた。




第1話 『王様ゲーム』 (完)

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