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四番街の弓姫は新米団長  作者: 日咲ナオ
第一章 始まり
7/80

二章 1

 東の空が、うっすら明るくなり始めた頃。

 いつもの習慣で目が覚めたベアトリスは、軽く伸びをして起き上がる。静かにクローゼットから取り出した、見習い騎士の制服に恐る恐る袖を通した。

「うー、おっきいなぁ……」

 子供が騎士に憧れて、頼み込んで無理矢理着させてもらったような。目に入る自分の姿が、ひどく不格好に映る。

 袖は指先から十センチははみ出して、だらしなく垂れ下がっている。上着の裾は、かろうじて膝より上だ。ズボンの腰回りも裾も、かなり余っている。このまま歩いたら、裾を踏んで転ぶこと請け合いだ。

 仕方なく、一旦脱いで袖を目測で折り曲げ、ボタンは下の二つを外したままにした。ズボンの腰は、ベルトでギュッとしっかり固定。ズボンの裾は二回折り曲げ、軍靴に強引に押し込む。

 最後に剣帯を着け、愛用の剣を下げる。弓と矢筒は、チェストの上に置いたままだ。

 腕を大きく振り回す。軸足を変えつつ、軽く回し蹴りもしてみる。全体的に余裕があって、動きを意味もなく阻害することはなさそうだった。

「これなら大丈夫かな?」

 独りごちると、ベアトリスは鍵を握り締めて、そっと部屋を抜け出す。なるべく音を立てないように、慎重に鍵を閉めた。

 落とさないよう、制服のポケットに鍵を滑り込ませる。

(後で、鍵は紐に通そうっと)

 足音を殺して、静かに静かに。階段を下りたベアトリスは、建物を回って王城を取り囲む塀のそばに立つ。

 昨日はゆっくり見ている暇がなかった。ここがどれだけ広いか、何がどこにあるのか、何一つわからない。

 身を隠せて、しかも狙撃に適した場所があるのかどうか。それが何より知りたかった。

 塀に沿って、キョロキョロ見回しながら歩く。

 外部からの侵入を警戒しているのか、塀のそばに隠れられそうな植え込みはない。木々も適度に枝を落とされていて、こっそり潜むことはできそうになかった。

(王城だし、やっぱりちゃんとしてるなぁ……)

 これでは、城内に隠れて窓から狙撃するしかない。しかしそれでは、狙える範囲が明らかに限られてしまう。第一、万一死角に逃げられたら、追うこともままならない。

 不意を衝くから、精神的にも大きな打撃を与えられるのだ。相手に気づかれていないから、ゆっくり狙いを定めて射ることができる。

 自身の安全が確保されなければ、逆に格好の獲物として標的にされてしまうだろう。

「……隠れて、が無理なら……」

「おう、ずいぶんと朝の早い嬢ちゃんだな」

「──っ!」

 突然かけられた声に、考え込んでいたベアトリスの喉から、音にならない悲鳴が漏れた。

「君はエリカ騎士の一員だろ? こんなに早起きしてるのなんて、他の騎士団でもごくごく少数派だぞ」

 今度は別の声だ。

 恐る恐る振り返ると、黄と赤の制服を着た男性が二人立っていた。帯剣した黄色い服の男は、見たところ三十そこそこか。とび色の瞳に好奇心をたっぷりとあふれさせ、服越しでも筋肉質であることが十分見て取れた。

 赤い服の男はひょろりとした印象で、三十を超えているようだ。ベアトリスが片手で包んで隠せそうな大きさの、透明な紫色と濁った緑色の宝石。それらを交互に、二つずつ並べた首飾りを身につけている。

 敵ではなさそうだ。しかし、味方とも言い切れない。

 迂闊なことを口走らないよう、しっかり考えてから話をしなければ。

「あ、はい。早起きというか、いつも家のことをやっていたので、この時間に起きるのはもう習慣ですね」

「そっかそっか、ずいぶんちっこいのに頑張り屋なんだな」

 背が低いことも、体つきが幼いことも、年相応に見えないことも。今までの経験で、嫌と言うほどわかっている。その上、数回折り返した袖と、大きくずれた肩の位置をかんがみれば無理もない。

「一応十七になってるので、子供扱いはしないでくださいね」

 他団の騎士にこんな口を利いて、あとでこってり怒られるかもしれない。そのことに思い至り、言葉が音になった後で慌ててしまった。

「そっかそっか、十七なら立派な淑女だ。失礼した」

 アマリリス騎士が騎士の礼を取る。

「見たところ、君は剣を扱うようだが」

 今度はガザニア騎士が尋ねてきたので、ベアトリスは頷く。

「今日の午前は、ガザニア騎士の方に剣を教えていただくことになっています」

「そうか。楽しみにしてる」

 ヴァーノンを思い出させる人懐こい笑みに、ついつい笑顔を返してしまう。

(ひょっとして、ガザニア騎士の方ってこんな方ばっかり?)

 後ほど、と言い残して、彼らは去っていく。見送りながら、ベアトリスは、つかみどころのないヴァーノンを思い出していた。


 地形や建物の配置など、散歩しつつ一通り確かめた後。部屋に戻ろうと階段を上っていたベアトリスの耳に、知っている声が届いた。

「朝でしてよ。もうすぐ朝食の時間ですわ」

 バンバンと、ドアを叩く音もする。

「メイベルさん? おはようございます」

 階段を上りきったところで声をかけたベアトリスを、メイベルは上から下までじっくりと眺めた。念には念を入れるように、二度も。それから、ふうっと小さく息を吐いて、白くほっそりした指先で額を押さえる。

「マラキアに、あなたの分は特に早く作るよう伝えておきますわ。本当に騎士見習いと間違われては、さすがに困りますもの」

 百歩譲って、エリカ騎士と思ってもらえても、その団長には見えない自信はあった。

「そうですね。さっき会った人たちはエリカ騎士と思ってくれましたけど、そうとは限りませんよね」

「エリカ騎士には違いないですけれど、あなたは団長。ただの一兵卒ではなくてよ。もう、他の騎士と顔を合わせましたの? そうね……こんな時間に複数で外にいる騎士は、アマリリスのナイジェルとガザニアのオーソンでしょうね。毎日同じ時間に起きて、宿舎を出る前に顔を合わせるそうよ」

「早起きは習慣だって言ったら、ちっこいのに頑張り屋だって言われちゃいました」

「ナイジェルが言いそうなことね」

 ふん、と鼻で笑ったメイベルは、ふと思いついた顔から真顔になる。

「もし、他の騎士団員に失礼なことを言われたりされたりした時には、遠慮なく言いなさい。ああ、コキア騎士とベロニカ騎士の時はわたくしかヴァーノンでかまわないわ。伝えておきますから。何より、あなたがエリカ騎士の団長となることは、すでに決定事項ですの。後ろ盾もしっかりしているのだし、どんな時も毅然とした態度をお取りなさい」

「わかりました。でも、まずは自分で解決を試みてもいいですよね?」

「かまいませんけれど……失敗したと思った時には意地を張らずに、大きくこじれる前に周りに頼りなさい」

「はい」

 表情も目つきも、見るからに穏やかではない。そんなメイベルに、ベアトリスは素直な返事をした。

 何もかもを、すべて自力で解決できるとは思っていない。これまでにも、無理だとわかった時点で、他人に間を取り持ってもらうようにしてきた。

 それでも、自分の言葉で、自身の気持ちを理解してもらいたい。そのための努力は、ひとつも惜しみたくはなかった。

「では、食堂へ向かいましょう」

「あれ? 他の方はいいんですか?」

 残る四つの部屋は静まり返っていて、在室なのかどうかさえうかがい知れない。

 もし起きていないのなら、起こした方がいいのでは。

 そう書かれているベアトリスの顔を、まじまじと見つめた後。メイベルは奥の壁へ視線を投げかけた。

「あなたを食堂へ案内してから、ゆっくり起こして回りますわ」

「だったら、今起こしちゃいましょうよ。何度も行き来するのって手間ですし」

「……そうしましょうか」

 呟いたメイベルが、朝から華やぐ美貌をグッと近づける。あまりの迫力と、ふわりと漂うバラの香りに、ベアトリスは思わず左足を半分下げた。

「ただし、あなたはオリオンとヴァーノンに、部屋の外から声をかけなさい。反応がなければ、後でわたくしが叩き起こします」

「は、はい!」

 敬礼しながら答え、ベアトリスはまずオリオンの部屋に向かう。

「オリオンさん、朝ですよ」

 遠慮がちにドアを叩いてから声をかける。それを二度行ってから、同じことをヴァーノンの部屋でも実行した。

(これで起きてくれるかな? それとも、もっと大きな声で、ドアもしっかり叩いた方がいいのかも?)

 どうするべきか悩んだ結果。メイベルに聞いてみようとしたベアトリスの耳を、すさまじい轟音がつんざいた。

 驚いてそちらを見たベアトリスは、耳を疑う言葉に目を丸くする。

「コーデル、さっさと起きなさい。それとも、またわたくしに添い寝で優しーく起こして欲しいのかしら?」

 ごく普通にドア越しに話す、静かな声音だ。相変わらず、濃厚な色香もポロポロとこぼれ落ちている。しかし、内容とはかけ離れた冷たさがあった。

 メイベルの右の軍靴の底は、ドアのほぼ中央ににべったり張りついている。

 彼女のところへ行くべきか、それともここで待つべきか。

 ベアトリスが迷ってオロオロしている間に、すぐそばでドアノブが動く音がした。ドアからヒョイと、ヴァーノンが顔を出す。

「まーたやってるの? もう、毎朝問答無用の添い寝で、やさーしく起こしてやったらいいと思うよ? いい加減嫌になったら、コーデルが自力で頑張るでしょ」

「メイベルさんの添い寝で起きられるのですから、コーデルさんも本望でしょう。私も、ヴァーノンさんの意見に賛同しておきます」

 ドア越しだからか、オリオンの声は遠くて少しくぐもっている。

 二人の呆れ果てた声に頷きかけたベアトリスは、不意にコーデルがどんな男であるかを思い出した。

 いくら肉弾戦が得意とはいえ、やはり女性だ。間違いがあったらどうするのか。

「で、でも、メイベルさんが危ないんじゃないですか?」

 あたふたしているベアトリスを尻目に、夜着姿のヴァーノンが欠伸をかみ殺す。

「だいじょーぶ、だいじょーぶ。コーデルは、メイベルにだけは、多分絶対おかしな真似はしないから」

「昔のことで懲りているでしょうから、今さらメイベルさんに何かしないと思いますよ」

「え? だけど、間違いがないとは……」

「ない、マジありえない。あれはトラウマレベルのはずだからね、やれたら逆に褒めてやらないと」

 のんきで、ホッと癒やされる微笑みのヴァーノンの口から、次々に飛び出てくる言葉。それらの意味をゆっくりしっかりかみ砕き、ベアトリスは拳で額をギュッと押さえた。

 もしかしたら、メイベルはコーデルより強いのかもしれない。けれど、必ず勝てる保証などどこにもないはずだ。

 何かあってからでは遅いのに。

(コーデルさんらしい行動をしたら褒めるだなんて!)

 沸々と、抑えきれない憤りが込み上げてきた。

「じゃあ、僕はちょっと着替えてくるから。そしたら、オリオンと一緒に食堂に行こっか。オリオンも急いで着替えてね」

「わかりました」

 パタンとドアは閉まり、近かった気配は遠ざかる。

 メイベルは取り立てて苛立った様子もなく、今度はテレンスに声をかけているようだ。

「テレンス、鏡があなたのことを夜通し待っていてよ。これ以上待たせるのは、さすがに酷でしょうに」

(えぇー、そんな起こし方でいいの?)

 軍靴から推測して、ドアを思い切り蹴り飛ばしただろう後の添い寝宣言とは、あまりに違いすぎる。

 テレンス相手は、断然優しい。

「ああ、ありがとう、メイベル。んー、待たせてゴメンよ、この僕を美しく映し出してくれる、素敵な鏡さん」

 呆然と突っ立っていたベアトリスは、ほんのり漏れ聞こえた声に肩を落とした。ヨロヨロと壁に手をつく。

 崩れそうになった膝はかろうじて堪えたが、どうしようもない脱力感は隠せない。

「まったく、コーデルもこのくらいすんなり起きて欲しいものですわ」

 腕を組んだメイベルは、再び「添い寝」発言を繰り返す。しかし、コーデルは起きてくる気配さえ感じられなかった。

「ベアトリス。申し訳ないのですけれど、ヴァーノンたちと先に食堂へ行ってくださいませ。わたくしはコーデルを叩き起こしますから、ご一緒できなくなってしまいましたの」

 ズボンのポケットから出てきた鍵は、短い青い紐が通されている。同じところから、紫色の紐がチラッと顔を覗かせていた。

「え、でも、大丈夫なんですか?」

 ギュッと眉根を寄せ、軽く首を右に傾けている。そんなベアトリスに、メイベルは艶やかな微笑みを向けた。

「わたくしは心配無用ですから、安心なさって。わたくし相手にコーデルがやる気になったら、全力で褒めて差し上げますわ。むしろあなたに何かしでかされる方が、こちらとしては寿命が一気に何十年分も縮みますの」

「あ……」

 怒髪天を衝いた兄は、容易く想像できた。とっさにメイベルを見上げる。

 自信と色気に満ちあふれた、メイベルの華やかな笑顔。本人だけでなく、ヴァーノンやオリオンも「大丈夫」と太鼓判を押したこと。

 きっと、メイベルだけが知っている、無事でいられる方法があるのだろう。

「わかりました!」

 ビシッと敬礼を決める。

 残していくのは幾ばくか不安だ。けれど、ここにいることで、かえって邪魔になるかもしれない。それよりは、彼女の望むとおりに行動しよう。

 心を決めたベアトリスは、それきりコーデルの件には触れなかった。黙って大人しく、ヴァーノンとオリオンの支度が整うのを待つ。

「ゴメンね、待った?」

「お待たせしました」

 ヴァーノンが部屋から出てすぐに、オリオンも出てきた。が、相変わらずの背中だ。

 人見知りをしたことがない。そのため、他人に顔を見せることさえ怖がる、彼の人見知りは理解できない。だが、無理に見ようとは思わなかった。

(今のところ、顔さえ見なければ話はできるみたいだし)

 近づいただけで逃げられて、会話も成立しないよりは、よっぽどいい。

「じゃ、ついてきてね」

 歩き出したヴァーノンは、ベアトリスに歩調を合わせているのか。かなりゆっくりだ。散歩の感覚で、余裕を持ってついていける。

「ついでだから、ここの説明もしちゃおうか。最上階はここ五階で、見てのとおり僕らの部屋しかなくって。四階は、職人たちが泊まり込む時の仮眠部屋になってる。今だと、針子関係の子が寝泊まりしてるかな? 騎士見習いやら、従騎士やら、新騎士やらで、てんやわんやらしいからね。三階は湯殿と倉庫で、型落ちの服とか、分解したら使えそうなものが放り込んであるよ。二階は行ったと思うけど、針子関係。服作りだけじゃなくて、布やレースなんかも全部用意できる、敵に回せない集団だね。で、今から行くのは一階。厨房と職人用の食堂とうぁっ!」

 落下防止の手すりがついた階段の、上から踊り場まで、およそ十数段だろうか。それを半分ほど下りた辺りで、ズザザザー、と何かが滑り落ちていく音がした。同時に、前を歩いていたヴァーノンが、忽然と視界からかき消える。

「え? な、何?」

 ヴァーノンはどこに行ったのか。

 キョロキョロと見回していたベアトリスが、ふと階段下に目をやった。踊り場には、服を両手でパタパタと叩いているヴァーノンがいる。

「それから、団長用の食堂があるよ。他の騎士は、宿舎の一階にある食堂で順番に食べるから」

 多分、状況から推測するに、彼は階段を踏み外して落ちたのだろう。そのわりに、痛がっている様子がない。

 それどころか、平然と話を続けている彼が不思議でならなかった。

「ベアトリスさん」

 後ろから呼びかけられて、パッと振り向く。階段の途中なのに、彼は相変わらず背中だ。

「これから一階まで、全階でヴァーノンさんは半分を滑り落ちます。昔からですし、どういう落ち方をしているかは知りませんが、ケガをすることもまずあり得ないので、気にせず下りてください。上る時は踏み外して数段落ちてくることもよくありますから、ヴァーノンさんの後ろにはいないようにしてください」

「上る時はわかりましたけど、もしケガをしてたらどうするんですか?」

 おかしな落ち方をして、激しく頭をぶつけるかもしれない。腕や足を、手すりに思い切り激突させてしまうかも。勢い余って、踊り場の壁に全身でぶつかる可能性だってある。

 滅多にないのかもしれないが、ゼロではないはずだ。

「ヴァーノンさんが「痛い」と口にした時だけ、私を呼んでください」

「いくら僕でも、ケガをしたら痛いからちゃんと言うよ。オリオンは補助が得意だけど、治癒もできるから」

「補助? 治癒?」

 聞き慣れない単語にこてんと首を傾げたベアトリスを見て、二人も首をひねる。

「あれ? もしかして、魔法使いには詳しくない?」

 ひらめいた顔で問いかけるヴァーノンに、ベアトリスはコクッと頷く。

 魔法使いの騎士団があることは知っていても、四番街(よんばんがい)では詳細を噂話で聞くことさえない。

 騎士は、おとぎ話より遠い世界の住人だった。

「じゃあ、午後の講義でオリオンに聞くといいよ。魔法使いにもいろいろあるし、正確に教えないとマズいだろうからね。というわけで、やっぱ今日の担当はオリオンだって」

 有無を言わさない、にこやかな笑顔のヴァーノンに、ベアトリスはもう一度頷いた。


 一階の階段脇の大部屋は職人用の食堂で、華やかで賑やかな声が漏れている。廊下を挟んだ向かい側は厨房だ。食堂は団長用の個室二部屋分、厨房は三つ分と同程度の広さがあるらしい。職人用食堂のさらに奥に、団長用個室と同じ大きさの食堂があった。

 六人でテーブルを囲んでも、十二分に余裕がある。そろいの椅子が、出入り口側と反対側に三つずつ並ぶ。テーブルの上には、すでに料理が並べられていた。スープもメインも湯気が立っており、大きなカゴには数種類のパンが積まれている。

 騎士団長の食事だからか。ベアトリスが兄と食べる自宅の食卓より、品数も量も多い。

(兄様が、テーブルマナーを教えてくれててよかったぁ……)

 隣のメイベルと向かいのヴァーノンの、粗を探す視線。そんなものにさらされた豪華な食事は、味がまったくわからなかった。

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