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「さて、お馬鹿な皆様にも分かるように説明してあげますので、その耳かっぽじってよく聞いてくださいね?」
未だに状況を理解できていない奴らに川上が物凄い笑顔で笑いかけている。
てかお前さっきまで目を前髪で隠してたのに、いつの間に七三わけにしてんだよ。
無駄に顔だけはいいから周りの雑魚どもが余計うっさくなったじゃねぇか。
だからこっち見んな。ニヤニヤすんじゃねぇって何度言ったらわかんだ。うぜぇっっ!!
「では先ず第一に貴方方は誰に喧嘩を売っているのか勿論ご存知ですよね?」
「誰にって、そこの平凡がなんだっていうんですか」
イライラした声でそう言ってくる副会長は、意味がわからないって顔して川上に食ってかかろうとしてるみてぇだが、まぁ情報規制してたんだから当たり前っちゃあ当たり前だな。
それで川上が手加減するかって言ったらぜってぇしねぇがな。
「確かに冬刀は集団に紛れてしまったら何処にいるのか分からなくなるくらい十人並みで平均的な平凡顔だけど、口も悪くて人使いがとてつもなく荒くて集団生活なんて輪を築くつもりもなければ、めんどくさがりで人としての協調性なんてまったくない事を気にするどころか、それを当たり前に我が道を突き進んでるくせに平凡に過ごしたいとか、平凡がいいだとか訳わかんない我が儘言う主人だけど、これでも流ヶ峰カンパニーグループ本家筋の皆様に相愛されというヤンデレ的な溺愛をされている御嫡子でもあるんですよ?」
「……おい、お前のその説明は悪意を感じるんだが」
「はは、何言ってるの冬刀。僕がこんなにも君の為を思ってわざわざこんなクソめんどくさい説明を買って出てあげてるってのに、悪意があるなんて当たり前じゃないか」
……本当になんで俺こいつと契約なんかしたんだろ
「冬ちゃんの周りって個性豊かな人が多いんだね。あ! もちろん冬ちゃんも個性豊かだけどね♪」
「……ぅぜぇ。お前らはキャラが濃すぎるのは認めるが、俺は何処にでもいる平凡な生徒だっつうの」
「ふふ。必死な冬ちゃんって毛を逆立てた猫みたいに見せかけた虎とか豹とかの猛獣に似てるよね」
「何が言いたいのかまったくわけわからん」
「大丈夫。最近は強気受けの需要もちゃんとあるからね☆」
「き・も・ち・わ・る・い・っつってんだろぉが!!」
またよく分からん妄想に俺を登場させ、起きたまま寝言を吐く安倍の背中に力いっぱい蹴りを入れてやる。
もろに入ったようで床を叩いて悶絶してるが、まぁ俺を不快にさせたんだから仕方ねぇよな。
あ~、本当俺の平穏はどこいった。
ただ静かに平凡に過ごしたいなんていう、めちゃくちゃ囁かな願いだっつうのにここ最近の俺の周りは煩すぎるしな。
……と、安倍何かに気をとられてたら川上と副会長、ってか生徒会一行とその取り巻きどもが顔を真っ青にしてやがるし。
ぷ。今まで庶民だと思ってやりたい放題してきやがったからなここの奴ら。
さてさて、この後はどうするつもりなんだろね。俺にちょっかいかけて来た奴らは全員覚えてるからな~。どうやって遊んでやるかね。平凡な奴でも仕返しはキッチリしとかないとなぁ?
「はは。冬刀、言っとくけど本当に平凡な人はそんな真っ黒な笑顔はしないとおもうよ?」
「うっせぇよ。てかお前そいつらに何言ったんだ? 全員の顔色が悪いなんて通り過ぎて変色してんじゃねぇかよ」
「え~? 別に本当のことしか言ってないよ? 冬刀の本当の家名と、冬刀の家族がどんだけ冬刀のことを溺愛してるのかとか、僕みたいに家名なんか関係なくついて行ってる従者の一部を教えてあげただけだし、ここにいる奴等が軟弱なだけでしょ」
まぁ、家の名前聞いたらそりゃあ青ざめるわな。生徒会役員の中にもその親衛隊の奴等の中にも家と提携してるとこや、傘下に入ってる奴、子会社に勤める奴らの家が多いからな。
それに属してなかったとしても家の一族は幅広く事業をしてるから、その恩恵をどこかしこで与ってるやつらが殆どだからな。
これがもし家族にバレたら面白いことになるよなぁ?
「ねぇねぇ、冬ちゃん」
「あ゛?」
悶絶していたはずの安倍が気づいたら隣に普通にたって話しかけてきたが、こいつどんどん打たれ強くなってきやがったな。
てか、コイツの目が輝いてるのは気のせいだよな……?何かめんどくさい予感がプンプンしやがる。
「ひとつ聞いていい?」
だめだ。確実にめんどくさいこと確定だ……。はぁ~~。




