表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕が死ぬと世界が滅びます。  作者: ふぃーりす
三章 答え
PR
16/16

明日へ


屋敷に戻る頃には魔物たちの影は一つもなかった。


残ったのは焼けた村と、村人たちだけ。


村人は奇跡的に死亡者は出なかった。


おそらく魔物が、僕が人間であることを考慮し、加減したのだろう。


ファブリスもメイド長も他のメイドも大事なかった。


メイドたちは普段からメイド長の武術訓練を受けていたため、それが功を奏し深刻な被害には至らなかったのだろう。


父上はというと意識は取り戻したものの、全治にはしばらく時間がかかると町医者は言っていた。


ただ、父上に関しては村の魔法障壁の再接続があるため、傷が完治してもしばらくはベットで寝たきりの状態で力を蓄える必要がある。


その間の復興の手配はファブリスと僕、メイド長が行うことになった。


死亡者がいなかったとしても、家が焼かれたので当面の生活の場所、いち早い復旧の手配、資金の確保などが必要なる。


ファブリスはまだ幼いので、補助としてメイド長に付いて周り村の様子を見て回り、僕は長男としてある程度の決定を行ったり、現状の把握と整理、必要な物資の見通しを立てるなどを行った。


これには前世の記憶が大変役に立ち、何が役に立つがわからないということを実感した。


魔物の襲撃後の数日は目が回るように忙しかった。


明日は父上の知り合いであるハワード商会の人が商談に来るらしい。


父上は足りないものがあったら金を気にせずハワード商会を頼れと言っていた。


それだけ信頼しているところということなのだろう。


商会との商談で必要なものが手に入るなら、村の復興は一気に進む希望がある。


それだけに責任は重大だ。


「ふぅ・・・・」


夜になったので今日の作業を終わらせて、ベランダで月をみている


三日月がきらめく星々と一緒に空に浮かんでいる。


僕はここ数日尖らせていた神経がすこし落ち着いた気がした。


コン、コン、コン、コン


扉をノックする音が聞こえた。


「どうぞ」


扉から入ってきたのはニナだった。


ニナはあの後人間の姿に戻り、僕たちと屋敷に戻った。


そして屋敷や村の片付けに奔走していたらしい。


その間一度もニナの顔を見ていない。


どうやら避けられているようだった。


「お食事を持ってまいりました。今日はお召し上がりになっていないとのことで」


「ありがとうニナ」


「こちらにおいておきます。では」


「まって!」


「なんでしょう?」


「一緒に月をみない?」


「お断りします」


「じゃあ命令ってことで」


「ぐっ。仕方ありませんね」


「ありがとう」


「・・・・・」


ニナは無言で僕のとなりにきた。


ニナは心底こういうのが嫌いなのは知っている。


それくらいわかるほどには付き合いが長い。


「そういえば言ってなかったことがあったのを思い出して」


「何でしょうか?」


「あの時はありがとう」


「は?」


「屋敷を抜け出す時助けてくれたこと、あとドラグノっていう魔物から守ってくれたこと」


「それは・・・あなたのためじゃない・・・」


「ニナってかっこいいよね」


「・・・・は?何を見て?」


ニナは怪訝な顔をして僕の方を見た。


「いつも言い訳しないとこ。それに魔物姿もかっこよかったよ」


「・・・・・」


「あの時、ニナが気持ち悪いでしょって言った時。即答できなかったことが気がかりだった。そんなことないよっていうのもなんか軽薄な気がして。でもしばらく考えてあの時の質問に答えようと思って」


「・・・どうおもったの?」


「ニナはいつもかっこいいと思う。いつも一人で何かと戦っているような気はしてた。そういうところに僕は好感を持てた。だからニナはかっこいい人だよ。姿は変わっても、いや姿が変わってもいっそう」


「そう。わかったわ。それだけ?」


「もう一つ。僕はこれからこの家を出ようと思ってる」


「そうなの?」


「うん。だからニナも一緒に行かない?」


「・・・・・どうせついていかない選択肢はない」


「そんなことないよ。ニナがどうしても行きたくないんだったらマティスさんに言って別の人を呼んでもらう。でも僕はニナと旅をしたい」


「どうして?」


「この世で一番信用している友達だから」


「・・・・ふぅん」


「どうかな」


空を見上げていたニナは、踵を返して部屋の出口へ向いて歩き出した。


そしてたどり着いた瞬間、こっちを向いて返答した。


「考えとく」


そういった後は素早くドアから出て行った。


その姿はニナらしいと少し面白く感じる。


僕はまた付きを見上げた。


「月が綺麗だな」


もう寝なければ。


そう思ってベランダから部屋に入り、扉の鍵をしてベットに潜り込んだ。


「明日もまた忙しいけど、頑張ろう」


そう行って部屋のろうそくを消した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ