バトルロワイヤル22
いくら、自動でガードできても、人体の可動域には限界がある。
それを超える動きは流石にできないはずだ。
全身を包む炎が相手のローブを焼いた。
桃色の髪に睨みつける紅い瞳。
口元を覆う白いマスク。
「あんたはっ!」
目を見開き、その顔を目に焼き付ける。
だが、
「いや、ほんとに誰?」
「…………」
「どちらさん?」
記憶を巡らせてはみたが、面識が無かった。
「退けっ!」
相手はマキナを振り払い、立ち上がる。
「誰」
「…………」
「答えろ」
だが、その答えは返って来なかった。
相手は言葉ではなく、どこから取り出したかわからない投げナイフが投げつけられた。
「いや、頭使え」
半目を作りながら、ナイフを弾く。
「どうして…………」
「はぁ?」
「どうして倒れてくれないの!」
「何の話だ」
「────勝たせてよ……」
か細い声がマキナの耳に入る。
「んで?」
「勝ちたい! 一度でいいから一番を取らせてよっ!」
「意味が分からない。勝てばいいじゃんそのまま戦って」
「ならなんで倒れないのっ! あたしはそのアバターと同性能と可愛い見た目が欲しくて、即死プログラムとオートカードまで仕込んだのに」
「ほぅ、だから他のプレイヤーは一瞬で倒されたのか」
「そこまでのリスクを抱えてまでやってるのになんで。なんで! 勝たしてくれないの!」
「悪いけど、それに答えることはできない」
「くたばれぇぇぇっ!」
最後の足掻き。
マキナはナイフを刀で受け止める。
そして、マキナは相手の首元へ噛みつく。
血が溢れていく。
口に広がる鉄の味を噛みしめながら、深く噛みつく。
バキッ。




