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オレっ娘シリーズ1「気の強いいじめられっ子、日向(ひなた)あきら」  作者: オレッ娘、強い女の子好き


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8/8

あきらちゃん中学一年生、ママにジュニアアイドルになって自分で食費を稼げ、と言われて・・・

日向あきらの影 ~中学一年生の頃~

オレは日向あきら、もう12歳だ。中学校に入学した。


小学校を卒業して、少しだけ期待してた。新たなスタート、誰もオレの過去を知らない場所で。

でも、現実は甘くなかった。


中学校には給食がない。弁当持参か、パン買うか。オレはもちろん、弁当なんてない。

ママは朝から「自分でなんとかしなさい」って言うだけ。


ある日、ママが突然、オレを引っ張って家を出た。

「今日からあんた、自分の食費くらい自分で稼ぎなさい。中学なんだから、もう子供じゃないでしょ」


連れて行かれたのは、街の小さなビルに入ってる芸能事務所。看板に「ジュニアアイドル募集!」って書いてある。グラビアとか、水着撮影とかやる、ああいうところだ。


オレはびっくりして、固まった。

「え……オレが? アイドル?」


ママはオレを睨んで、低い声で言った。

「黙ってなさい。あんた男っぽいんだから、喋ったらすぐバレるわよ。全部私が話すから、笑ってるだけでいい」


事務所の中は、ピンクと白で可愛らしい感じ。待合室に座ってる女の子たちはみんな、長い髪でリボンつけて、スカート履いて、めっちゃ女の子らしい。オレは短髪で、ジャージみたいな服だから、浮きまくりだ。


面接室に呼ばれて、入るとおじさんの面接官が二人。ママはすぐに話し始めた。


「うちの娘、すごく可愛いと思いませんか? まだ12歳なんですよ~。小学校の時はモデルとかやってたんですけど、本格的にジュニアアイドルやりたいって言い出して」


オレは黙って座ってるだけ。笑顔作ろうとしたけど、引きつってると思う。


面接官がオレを見て、ちょっと眉をひそめた。


「うーん、ちょっとボーイッシュな感じですね。うちは可愛い系、グラビア寄りがメインなんですが……」


ママは慌てて、涙目を作った。


「実は……家庭の事情がありまして。夫がね、昔事件を起こして刑務所に入っちゃって……今は女手一つで育ててるんですけど、借金もあって本当に苦しくて。この子にもちゃんとしたご飯食べさせてあげたくて……」


ママはハンカチで目を押さえて、声を震わせた。

「この子、ほんとはすごく頑張り屋さんなんです。喋らせると男っぽいんですけど、それがまた個性じゃないですか? 新しいタイプのジュニアアイドルとして、絶対売れますよ! 水着とか着せたら、意外と可愛いんですって!」


面接官たちは顔を見合わせて、ちょっと同情したみたいな顔になった。

「事情はわかりました。お父さんの事件……ニュースで見たことあるかも。日向さんだっけ?」


ママは頷いて、さらに泣きマネ。

「お願いします……この子にチャンスをください。食費すらまともに稼げなくて……」


オレは黙って下を向いてた。心の中で叫んでた。

(オレ、こんなのやりたくねぇよ……水着とか、絶対嫌だ……)


でも、ママの目が怖かった。帰り道で殴られるのも嫌だった。


面接官の一人がため息ついて、言った。

「まあ、試験的に一度撮影してみましょうか。同情できる部分もあるし、ボーイッシュ路線も最近少し需要あるかも。採用は撮影見てから決めます」


ママは大喜びで頭を下げた。

「ありがとうございます! 絶対後悔させません!」


家に帰る道、ママは上機嫌でオレの肩を叩いた。

「よかったわね、あきら。これで食費くらい稼げるわよ。ちゃんとやんなさいよ」


オレは黙って頷いた。


胸がざわざわする。オレはアイドルなんてなりたくない。

男っぽいってバカにされてきたのに、今度はそれを売りにするのかよ。


でも、腹が減ってる。学校でパン買う金もない。ママのご飯なんて期待できない。


仕方ねぇ。やるしかねぇのか。


オレは日向あきら。12歳。中学に入ったばっかだけど、もう選択肢なんてない。


これが、オレの新しい戦いだ。

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