兄妹で王都散策
ポイズンシーサーペントの討伐から二ヶ月経った。今俺は、家族皆で王都に来ていた。何故かと言うと毎年恒例の王家主催パーティーがあるからだ。去年はティアがまだ小さかった為俺とアルベルトだけだったが、今年は家族皆で行く事になったのだ。まぁ、俺も去年行ったと言っても知り合いに成ったのは王族の人とエルメだけだけど···。よし、今回はたくさん知り合いを増やそう。因みに俺は転移でも行けるのだが今回はまた馬車での移動だった。鍛える俺はともかくティアは少しきつそうだったので重力魔法でティアを軽くして負担を減らしてあげた。最後の方はティアが自分でやってたけどな。
「お兄様、すごいです人がいっぱい居ますよ!」
そして王都に着いたティアは王都の人の多さにはしゃいでいる。まぁ、この人の多さを始めて見たのなら当たり前だろう。
「ティア、馬車の中ででそんなに動いたら危ないぞ」
「すいません、お兄様」
「仕方ないな。じゃあ後で一緒に王都の街を散策に行くか?」
「はい!是非お願いします!」
「分かった、じゃあ屋敷に着いたら少し休んで昼から王都の散策に行こう」
「分かりました」
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
屋敷に着いて馬車での旅で疲れた身体を休め、昼食を食べた後で予定通り俺とティアは王都の散策に出た。
「ティア、何処か行きたい所はあるか?」
「え?行きたい所ですか?そうですね·····。
あっ、王都の服を見てみたいです。うちの領よりも王都の方が品揃えがいいと思いますから」
「服か、そういえば俺も最近着ているが傷んで来たから新しい服を買った方が良いかもしれないな。よし、じゃあまずは服屋に向うか」
「はい」
行く場所が決まったので俺達は早速服屋に向かった。辿り着いた服屋は少し高めの貴族向けの店だ。俺だけなら普通の服でも良いがティアにはやっぱり良い服を着せて遣りたい。
「いらっしゃいませ。あら可愛い子供達ね、外にお父さんやお母さんはいるの?」
店に入ると眼鏡を付けた女性が声を掛け、俺達を見て声を掛けてきた。まぁ、俺達みたいな子供だけでは親がいると思うだろう。因みに今の俺達の服装は貴族が着ていそうな服ではなく少し出来の良い平民が着ている様な服だ。
「いえ、私達二人です。お金はあるので気にしないでください」
「分かりました。今日はどの様な服をご所望でしょうか?」
流石に普段貴族の相手をしているだけあり、切り替えがとても早い。
「そうですね、では妹のティアナに似合う可愛い服をお願いします。代金は気にしなくて良いですから」
「分かりました。他にご所望の物はありますでしょうか?」
「はい、私は自分で店内を見て探します」
「分かりました。ではティアナ様はこちらに来てください」
「はい」
そう言ってティアは離れて行った。
ティアが行ったのを見送ると俺も店内に見回る。やはり貴族向けの服屋だけありどの服も生地が良くてとても高そうだ。因みにお金に着いては冒険者として相当稼いでるから問題ない。むしろ依頼を受けた後はそのまま屋敷に帰るので貯まる一方だ。それから俺も服を物色し一度着て見る事にした。俺が選んだのは貴族の着ているイメージの金ぴかな服ではなく。少し大人目の服のサイズを小さくした様な奴だ。俺は8歳にしては身長が高くいつも訓練をしていて引き締まった体をしているので子供っぽい服よりも少し大人っぽい服の方が似合うのだ。実際に来てみるとなかなか似合っている。
「なかなか見立てがいいですね。お似合いです」
「ありがとうございます。それでティアの方はどうですか?」
「今、試着していますのでお客様も一度見てみてください」
「分かりました」
「こちらです」
そう言って店員は俺を誘導する。
店員の誘導で試着室に向かって見ると丁度ティアが出てくる所だった。ティアの服は膝まである黒色のスカートに真っ白なワンピースでそれに似合う靴を履いていた。凄く似合っている。
「お兄様、どうですか?」
「とても似合っているよ」
「本当ですか、ありがとうございます!お兄様もお似合いです」
「そうかありがとう。あっ、店員さん、今、ティアと私が着ている服をください」
「分かりました」
それから俺は自分とティアの服を買いその服のまま散策を続ける事にした。因みに服の代金は結構な値段がしたが俺の全財産からしたら微々たる物だ。
服屋の外に出た俺達は屋台で買い食いしたり店を冷やかしたりして時間になったので王都にある屋敷に帰った。因みに王都の散策中に俺達が目立ったのは仕方のない事だった。俺は最適化のスキルのおかげであり得ないくらい顔が整っているし、ティアもシェリアに似て美少女だからだ。散策の時に一度人が多い場所に慣れてないティアが人攫いに合いそうになると言う事も起きたが俺が撃退して詰め所に連れて行った。まぁ、俺がしなくてもティアなら魔法でなんとでもなるが慌てて制御に失敗したら目も当てられない。
こうして王都の散策は幕を閉じたのだった。




