第34話 才女、他国の勇者事情を聞く
前回は時間通りに更新できず、すみませんでした。
来週に卒業制作の中間発表あるので、準備次第では更新お休みするかもです。
よろしくおねがいします。
帰ってきたフィーラス殿下の言葉は予想外の物だった。
「他国で勇者召喚が行われたようです」
「私たち以外にも召喚されたと?」
「はい……どうやら、魔族の活発化による影響は我が国だけでなく他の国にも及んでいるようです。
通常、魔族に大してこちらは多数ですから、向こう側が同時攻撃を仕掛けてくるなどないはずなのですが……」
どうやら、過去にない規模で魔族たちは活動をしているらしい。
やはり、各国にもカルディア王国と同様に武神と呼ばれる守護者たちがいるらしいのだけど、残念ながら押し寄せる魔物の波を抑えるには力不足だったらしい。
カルディアが防衛を勇者なしに実現しているのは、過去に召喚の儀を度々実行し、勇者の力の一欠片でも受け継いでいるものが他国に比べると多いからなんだとか。
「カルディア王国の召喚は召喚の儀と呼ばれてはいますが、世界的に言わせれば英傑召喚なのです。
なので、どんな分野に優れた人間がやってくるかは分からない。
戦術的に優れた軍師なのか、はたまた武に優れた武人なのか。医学に精通する医者なのか……
そこに我々は今回、聖女と勇者を引き当てるための陣を書き足して召喚を行ったのです」
「成功例は?」
「一応、一度だけあります。
ただ、文献通りに行っているにも関わらず、聖女と勇者の同時召喚に成功した例は一回目と今回だけです」
「そう言えば、結局、勇者って誰なの?」
何も聞いていなかったと思って二人を見ると、おずおずと手を上げたのは来斗だった。
これは恵子ちゃんも聞いていなかったらしく驚いた顔をしている。
「意外ね。勇者と言えば盾と剣ってイメージだけども……」
「悪かったな」
「別に? 面倒見いいし丁度いい気もするわ」
「僕も勇者って柄じゃないからね。来斗さんで良かったと思ってるよ」
「他人事だから鎮はそう言えるんだよ」
「他人事じゃないよ。手伝うために訓練を積んでるんだから」
何だかんだでいいコンビよねこの二人。
私も恵子ちゃんとは仲良くしてるけども、二人のそれは私たちのと少し違う気もする。
「それに対し、他の三カ国で行われた召喚は勇者召喚なんです。
なので、男勇者が他に二人と、例外で一カ国が女勇者を召喚したと情報が入りました」
これは、隣の領が貿易港を持つ場所で、商人たちから耳寄り情報を拾い集めた結果なんだそう。
ますます、RPGみたいな展開ね。
「でも、何でカルディアも勇者召喚にしなかったの?」
「そもそも異世界人を召喚すること自体が世界の理を無視した神の御業と言ったところです。
我々カルディアはこの国を良き方向へ導く指導者として優秀な人材を求めて召喚を行います。
故に英傑召喚を行うのです。
しかし、国を守る守護者を欲している他国は勇者に限定して召喚を行うのです。
異世界人を呼ぶだけでも大変な召喚に、更に勇者と限定して召喚を行うものですから、英傑召喚に比べて代償が大きいのですよ」
「代償?」
召喚の儀は大規模な神聖魔法であるために、それ相応の代償が必要になるらしい。
この国は精霊や神の力を借り、膨大な魔力の供給を持って代償としたが、他の国では色々と差し出しているようだ。
「具体的にはなにを?」
「寿命とかですかね……」
「寿命?」
「はい、術者の寿命を削るという物です。
罪人を贄として差し出していた時代を考えると大分落ち着きましたが、やはりあまり許容できる所業ではないように感じますね」
確かに、少なくとも私たちの世界の感覚から言えば常軌を逸した行動に見える。
逆に言えばそれほどまでに切羽詰まった状態とも言える。
果たして、召喚された勇者たちは人の命を代償に呼び出されていることを知っているのだろうか?
「それで、まさか顔合わせとか?」
「そのまさかです」
曰く、ある程度の力を付けた私たちはまず、カルディア王国内の主要領主と面会後、船にて各国を回り、カルディア王国の使者として、魔王対策に付いての会談を行うのが目的なのだそうだ。
それ、私たちが出向く必要があるのかという疑問もあるのだけど、どうやら、私たちと違い他国の勇者たちが召喚されたのはつい最近らしい。
彼らは同盟国であるために、手を組むことに関しては特に心配する必要はないみたい。
むしろ、放置していても向こうが準備でき次第、こちらとコンタクトを取ってくるはずだという。
「なので、慌てて行く必要はないのですが、折角、時間的余裕も出来てきましたし、王都を出て知見を広げるのもいいかと思いまして。
国や領によって戦い方や魔法の使い方も違いますし、多くの種族がいますから、多種族との交流も皆さんのいい経験になるかと思います」
一理ある。
それに他国の召喚術式に関しても気になるし、この国には残っていないデータの記された文献なんかも見つかるかも知れない。
私としてはメリットが多いように感じる。
「私は行ってもいいかなぁって思うけど、皆はどうする?」
「サイちゃんが行くなら当然私も付いてくよ?」
「使者としての役割を果たさないといけないし、勇者として他の勇者も見ておきたい」
「なら、僕も一人だけ仲間外れは嫌だし、何かしら役にも立てるだろうから付いてくよ?」
ここに来て早、二ヶ月弱。
いきなりではあるけどもこの世界を旅することになってしまった。
こうなると後は他のメンバーね。
「もし心当たりがあれば皆さんの方で集めていただいて構いませんよ?」
「そう? なら、私は二人ほど声を掛けていくわ。
付いて来るかは分からないけど」
結局、個人で声を掛けるのは私だけになった。
皆は呼びたい相手とかいないのかしら?
「で、相澤は誰に声を掛けるんだ?」
「一人目はここにいるから問題ないわ。ね、アビス?」
「俺か?」
「貴方以外にアビスがこの場にいるなら教えて欲しいわね」
船旅が続くし体調面も考えると医者は欲しい。
ある程度は治癒魔法でもどうとでもなるでしょうけど、症状が分からないと治しようがないしね。
ちなみに、アル司祭は医者の資格も取得してるらしい。
全部自分で出来た方が効率いいですからとのこと。
私も見習わないとね。
「トト顧問。アビスを借りても大丈夫かしら?」
「うーん。多分?」
「いや、俺がいないと書類の山が……」
「お兄様。お姉様に同行してあげて下さい」
「マイアちゃん?」
ここで話に割り込んで来たのはマイアちゃんだ。
工場組は既に帰宅しているけども、マイアちゃんだけは残って話を聞いていたらしい。
「工場は副工場長に任せられますし、書類作業くらいなら私でも代わりに出来ます。
折角、お姉様がお兄様を頼ってくださっているのですし、しっかりとカルディア王国の誇る医療課副顧問としての役割を果たしてきて下さい」
「――分かった」
流石にここまで言われれば兄として断れなかったのか、アビスも同行することが決まった。
殿下が他に護衛として一個小隊を用意してくれるらしい。
後は、私が声を掛けようと思っているもう一人を明日誘えば準備としては完了だ。
「では、サイカさんの準備が出来たらルカさんに伝えて下さい。
彼女なら僕に連絡する手段を幾つか持っているはずですから」
「分かったわ」
「今日はこれで失礼します。
それと、ごちそうさまでした」
そう言って殿下は一足先に王宮へと戻っていった。
さて、洗い物の続きをしないとね。
「ところで、サイちゃん」
「どうしたの?」
「もう一人も男の人?」
……。
恵子ちゃんがニヤニヤしてる。
その目が時々、鎮や来斗に向いているのは気になるけども――私、尻軽女とでも思われてるのかしら?
「もう一人は女の子よ?」
「ああ、ルーちゃん?」
「え? ルカは言うまでもなく付いて来るに決まってるでしょ?」
「?」
え、そうなの?みたいな目で見られても……
置いていこうとしたら逆に抗議されると思うのだけど?
「じゃあ、女の子って?」
「説明しても分かんないと思うから当日のお楽しみね」
そう言って、洗い物に戻るのだった。
皆さん、こんにちは。初仁です。
いよいよ、旅に出ます!(異世界召喚モノあるある)
ちなみに、国の名前も規模も勇者に関してもなんにも考えてません。
多分、勝手に登場して問題起こします(笑)
なお、次回は神聖魔法について触れる予定です。
これで、もう一人の同行者は分かったかな?
さて、前書きにも書きましたが、来週は卒業制作の中間発表がありまして……
ぶっちゃけ何もしてません。
ノベルゲー想定したシナリオ製作を課題としているので、リハーサルのある11日までにある程度書かないといけません。
ちなみに、現在成果はほぼ0。この状態から5ヶ月間まるで頑張っていたかのような演出をする必要があります。
もうね、頭抱えたい。
唯でさえ、「才女」の更新と「二度目」の更新に時間掛かってるのに……
新人賞なんて殆ど進んでないよ(汗)
取り敢えず、頑張ります。
では、また次回。
(下手したら次回は木曜日更新になるかも知れません。あらすじとTwitter要確認願います)




