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「奴は四天王の中でも最弱」と魔王軍をクビになった俺、勇者パーティーに拾われたら人類最強の回復役でした ~魔王様、戻れと言われても聖女が離してくれません~

作者:くらたん
最新エピソード掲載日:2026/10/23
「奴は四天王の中でも最弱。いや、魔王軍の恥だ」

玉座の間で、四天王筆頭グラドスが笑った。剛力、幻術、猛毒。居並ぶ同僚の中で、俺に使えるのは治癒ひとつ。しかも魔族の体には効きが悪く、擦り傷を塞ぐのに半日かかる。

角を片方折られ、軍をクビになった三日後。森で行き倒れていた俺を拾ったのは、回復役のいない貧乏勇者パーティーだった。

その晩、勇者リュッカが魔物に腹を裂かれて運び込まれる。聖女の祈りは届かない。

俺は、いつものように手をかざした。半日かけるつもりで。

――三つ数える前に、勇者は立ち上がって走っていた。

「……え、何これ。前より元気なんだけど」

魔族の治癒は、人間には効きすぎる。

「あなた、今日からうちの子ね。うちで一番偉いのは回復役だから」

一方そのころ魔王軍では、野戦病院の列が城門の外まで伸びていた。

やがて元同僚の四天王が、一人ずつ俺を連れ戻しに来る。

「右膝、まだ治ってませんよね。――勇者殿、右です」

全員のカルテを書いていたのは、最弱の俺だった。
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