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持田と近藤の異世界クエスト  作者: 大石次郎


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ワシの石像を直すのじゃっ!! 3

「なんかの競技だった? 随分デスゲームな感じだったが? 10年は経ってたよな?」


「っ!」


ドワーフの女の子はひとしきり喜んでいたが、俺が話を振ると急激に顔色を変えて詰め寄ってきたっ。おおっ?


「今、何年何の月っ?!」


「えっとっ」


この世界の常識は一通り紫水晶の城で教わってる。


神魔暦(しんまれき)183年、海竜王(かいりゅうおう)の月の5日だよ!」


「ホントに10年経ってるぅ~っ!! わぁーっ!!!」


今度は泣いて転げ回るドワーフの女の子っ。忙しいな。


「いやでも、俺達に見付かって運は良かったよ」


「そうそう、元気だして」


「あたいっっ」


涙目でこちらを見てくるドワーフの女の子。


「アラサーになったよぉ~~っ!!!!」


「いやいやっ、それはさ、石化してた間はノーカンでいいんじゃないか?」


「女の本番はアラサーになってから、ってどっかで聞いたよっ?」


そーなの?


「うううっっ、・・アイツめっ! 許さんっ!!」


急に激怒しだすドワーフの女の子っ。今度は何??


「あたいは騙されたんだっ、この秘密の通路の先にお宝があるって! あたいがここに入る翌日には別の冒険者が探りに入るって、聞いてホイホイ先に入っちゃって! 思えばそれも偽情報だったっ」


「あー、なんかハメられたんだ」


トラブルっぽいな。俺は近藤さんと顔を見合わせた。


執政官(しっせいかん)の不正を掴んでたんだよっ」


執政官はこういう都市国家の、まぁ市長みたいなもんだ。ただ権限や治世形態にバラつきがあるから、微妙なところではあった。


「エルトパーズでタチの悪いドラッグが流行ったんだけど、その内、どうってことないチンピラの一味が始末されて、そのすぐあとにドンピシャでそのドラッグ中毒症に効く中和薬が出回って解決したんだけど」


なんか、初っ端なから話見えてきた・・


「全部、執政官と補佐官の魔法使いの自作自演だったんだよっ。チンピラも雇われてただけ!」


「証拠っていうのは?」


「これっ!」


ドワーフの女の子は杖で操ってリュックから小さなゼリーのような脳ミソのような石を取り出した。


「『メモリージェム』か」


任意で周囲の情景を記憶する魔法道具だ。


「たまたま別件でこの街の近くにあったチンピラの隠し拠点を見付けて、様子を見に潜入してみたら、補佐官がチンピラの生き残りと口論になっていて、その時の様子をすぐ記録した。結局、生き残りも殺されたけど、全容を話してた! 慌てて逃げたよっ、あたいは!」


地球でも生存率相当低いパターンだ。


「メモリージェムをギルドか領主か元老院か民会辺りに出さなかったのか?」


元老院は貴族や名士の政治組織、民会は職業や出自グループなんかからなる政治組織の集まりだ。


「ここは自治が強くで領主なんて意味無い、元老院や民会は買収されてたし、ギルドは凄い金欠で・・ギルドには相談したけど、失脚に追い込むにはとにかく金がいるってなって」


「貴女、それで宝探しを?」


近藤さんも呆れたが、俺もだ。


「どこかで話が漏れたんだな」


「多分、あたいの弟分だ。親戚だけど、アイツの家は貧乏で、貴族に憧れてたから・・」


「うーん」


参ったな。というか、


「俺達がその執政官の手下かもしれないぜ?」


「何ーっ?!」


ドワーフの女の子は慌ててメモリージェムをリュックにしまい、右手に杖を持ったまま、左手で短剣を抜いた! 炎の属性だっ。短剣は燃えている!


「持田君っ」


「ああ、ごめんごめん。あんまり無防備だから、言ってみただけだよ」


「なんだよっ?! こっちは10年越しなんだぞっ」


泣いて悔しがるドワーフの女の子。


「わかった。手伝うよ、いいよな? 近藤さん」


「うん」


「ホントかっ?! あたい、金はないぞっ?!」


「いいから。俺達、そこの石像を直しに来たんだけど、直すと浄化が広域に拡がって気付かれちゃうな・・後回しにするか」


「まず、10年後の今の状況を確認しないと、でも貴女は姿を晒したら知られてしまうよ」


「それもそうか、フォームチェンジ・狸っ!」


ドワーフの女の子は変化魔法で狸の姿に変化した。


「まだ名乗ってなかったな、あたいはモモメ・ゴールドコンパス! 職業は『錬成(れんせい)鍛冶師』! アビリティーは『悪足掻き』だっ!」


錬成鍛冶師は武具なんかを加工する専門家だ。そういえば背負ってるリュックも物を大量に出し入れできるはずの『ウワバミの鞄』で、錬成鍛冶師らしい装備ではあった。


「俺はシンタ・モチダ。職業は魔法戦士だ。モモメ。悪足掻きって、どんなアビリティーだっけ?」


「足掻けば足掻く程、生存率が上がるアビリティーだ! シンタ、あたいは石化魔法も魔法書の店で1回チラッと立ち読みしたことあるだけだったけど、凄い頑張ったら使えたっ!」


「凄いな・・」


たぶん、因果に干渉する系のチートスキルだ。俺達が今日来たのも偶然じゃないだろう。


「私はハツコ・コンドウ。私も魔法戦士。協力するけど、たぶんモモメはもう少し落ち着いて行動しないとダメだと思うよ? さっき出会ったばかりだけど、モモメは慌て過ぎ!」


「ハツコ・・それは子供の頃からよく言われるから、たぶん直らないと思う。だからあたいの近くにいる限り、2人が気を付けてくれ」


「え~?」


「嘘~?」


なんだかんだで、俺と近藤さんは慌て者だが因果に干渉できる系な錬成鍛冶師、モモメと仲間になった。

どうもセットで悪代官的なヤツを退治しなくちゃならなくなったようだがっ!

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