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詩集  大好き  作者: 篝火
22/29

「闘い」

戦争を知らない私が綴るのは


豊かなはずの時代に

落ちていたチョコの欠片を

宝物のように拾う子がいた事

飢えて暮れなずむ柿の実に

届くはずもない石を

投げ続けていた子がいた事


大陸から引き上げる混乱もなく

爆撃に逃げ惑う事もない時代に

たやすく子どもを見放す親と

親を見失う子がいるという事

怯えて身をすくませる子を殴るのは

敵兵でも上官でもなく

父であり母である事


戦争を知らない私が綴るのは


光が遮られた場所で

繰り返し踏みつけられる魂と

嘆きと怨嗟にかすむ灰色の街

戦うためではなく ただ

生きるためだけに

勇気を集めねばならない人々の

うしろ姿


戦争を知らない私が綴るのは


忘れられた骸たちが眠る大地に

残る 微かな 轍 そこに

芽吹く草の 強さ


戦争を知らない私が綴るのは


歴史に刻まれることのない

闘い

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