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007●世界線を渡るもの

「なぜ、米の提供を受け入れないのでしょう。マナ様はどう思われますか。」

「アヤ、経済について学んだでしょう?物がありすぎると、どうなるの?」

「価格が下がりますね。・・・そういうことですか。なるほど。今のように米が不足していて、値段があがれば利を得る者たちがいるのですね。」

「そうね。この世界線のこの時間軸の、この地域にも貨幣経済が浸透しつつあるものね。より広範囲での物のやり取りを効率的に行うには、物を仲介する’価値’を有する何かが必要ね。」

「しかし、生活必要物資が行き渡らない、というのは困ったものです。」

「そうね。いくつもの世界線で、同じような光景を目にするわよね。もうひとりのあなたがいる世界線では、どう?」

「ジン様と心愛様は、平和に過ごしておられます。先日は、おふたりで地元の盆踊りにお出かけになりました。心愛様は、まだ、覚醒しておられませんが。」

「いいのよ。時間軸の先では、うまくいくんだから。」

「そうなのでしょうが、わたしがジン様の姉上様を務めるというのは、どうも。」

「落ち着かない?ふふ、いいじゃないの。世界線を渡るものとして、いろんなことを経験しなければ、ね。」


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