077⚫️予兆
どうして?!雨が!
この礫砂漠に!こんなこと、めったにないよ!
しかも、乾季だ。ほとんど年中、乾季だけど。
雨水がタンクに集まってくる。
これで少しは命が繋がる。
雨はここだけ?いや、遠い地平線にも雨雲が見えている。
こんな風景、見たことがないよ。
・・・ブリッツ、あんたは事も無げに見てるんだな。
いつも揺れないな、あんた。
信じられん!
こんな天候は、ジイさんに聞いたことがあったが、本当に目にすとは。
スクラップを掘り出すことだけに、人生を捧げてきたが、
神はわしの苦労に報いてくださるのか?
伝説の大戦は、勝敗を決することなく終わり、
長く乾いた時だけが過ぎたという昔話。
それ以前の世界はこのようなものだったのか。
おや、ボブが来た。今度はジャーキーじゃない、柔らかいもんがほしいぞ。
ジイさん、いや、長老!どうなってんだ?雨がふってる!
しかも、まとまった雨だ!なんか悪いことがあるんじゃないか?
えっ?こういうのがイイんだって?いや、確かに水は貴重だからな。
でもよ、なんか気持ち悪いじゃないか。良くないことが起きるんじゃないか?
うん、とりあえず雨を溜められるもんは、みんな出してるよ。
礫砂漠に、草が生え始めた。
成長は異様に早い。
そのいくつかは食用になることもわかった。
都合が良すぎる変化に、スクラップ・ポイントの住人たちは歓喜した。
ただ一人・・・この’環境改善’が、
新たな闘いの予兆であることを悟っている者がいた。
ブリッツである。




