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064⚫️変わる空気
ブリッツが、奇妙な形状の金属片をテーブルに置いた。
カツン、と硬質な音が響く。
「なんだ、これは?」
横にいるキャサリンを見るが、彼女も小さく首を振るだけだ。
これを探している、と? これが報酬の代わりになるというのか?
「手にとってもいいか?」
ブリッツが頷く。俺はおっかなびっくり、その欠片を摘み上げた。
・・・わからん。見た目は金属だ。
だが、指にに吸い付くようにすべすべしている。
陶器のような滑らかさと、ガラスのような透明度が同居している。
何より、見た目より遥かに重い。
錆びついたスクラップとは根本的に違うモノだ。
いつものことだが、ブリッツはそれ以上、何も言わない。
ふと、キャサリンを見る。昨夜の交渉はうまくいったのか?
ブリッツがここにいる、
ということは、少なくとも決裂はしなかったということだな。
「・・・わかった。長老たちに聞いてみる。この辺りの伝承や、古い地図に詳しい者がいるはずだ。時間をくれ」
ブリッツは短く頷くと、この奇妙なモノを残して部屋を出ていく。
ヤツの後をキャサリンが黙って追いかけていく。
その背中に声をかけようかと思ったが、やめた。
なんか、彼女の纏う空気が変わったよな。
俺は金属片を光にかざして見つめて、長老たちに会いに行くことにした。




