表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/81

036●旅の目的地

新三郎は旅に出た。澄んだ朝の空気が、頬を撫でる。隣にはマナがいる。

彼女の歩みは軽やかで、白い衣が風に揺れていた。


あの一件以来、二人は文を交わすようになった。

短い言葉のやり取りが、心を近づけていった。

そんな折、黒峯藩から沙汰が届く。


「新三郎儀、領内外出入御免、行動自在たること、御沙汰候。右、当藩に於て特に許容仕り候条、諸事妨げ無き様、相心得べく候。」

家老の新三郎を遠ざけたい、という思いが透けて見える。

だが、要するに藩の許可のもと、

何の咎めもなく自由に動ける身となったということだった。


やがて、新三郎は九龍山高宮寺に兵法修行に赴く。

山門をくぐると、杉木立の間から光が差し込み、静謐な空気が広がっていた。

無幻斎が柔らかな笑みで迎える。

マナたち巫女も、白衣の袖を揺らしながら微笑んでいた。


穏やかな日々が続く。剣を振り、呼吸を整え、心を澄ます。


ある日、無幻斎が新三郎を呼んだ。

「縁のある社にマナがご機嫌伺いに参ります。護衛をお願いしたいのですが。」

新三郎に異議があるはずがない。

マナと道中を共にするという喜びを押し隠す。


目的地は山奥にあるという。深い森に抱かれた、古き神の座。

社の名は「日ノ御子神社」であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ