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狼人と雪の森の生活 その2 家族の想いとヴェルクの決意


「……へっくしょい」


 う~、このところ寒さが一段と酷くなってきた。

 俺はここ三ヶ月真面目に群れの訓練に取り組んできた。

 アドルフ兄さんとの自主訓練もきっちりしている。

 最近では棍棒に振り回されることも無くなった。


「では、本日の訓練はここまでとする」


 ノルドのおっさんがこちらへと近づいてくる。


「おう、坊主。最初思ったよりもなかなか根性あるじゃないか」


 最近はノルドのおっさんの俺に対する態度が軟化した。皇素直に褒められるのは慣れていないからちょっとこそばゆい。

 たき火の周りに集まる群れ全体を見回しながらノルドのおっさんが言った。


「そろそろ本格的に冬が来る。そろそろ谷に向けて移動する。直ちに荷物をまとめるように」


 『谷』と言うのが冬の間に過ごすことになる拠点だ。

 俺の生きる雪に覆われた森は巨大な谷の周りをぐるりと取り囲むような形となっている。

 その谷の底に氷で覆われた洞窟の入り口が存在する。早めに移動しなければ谷はブリザードで埋まってしまう。よって秋の中頃から群れは森の中心を目指し始める。

 俺達の群れがいるのは森の南端。森の南部は雪原へと繋がっているらしいが、雪原に出るのは禁忌とされる。森の外には鈍い銀色の甲殻を持った凶悪な連中が住み着いているからで戦っても棍棒では攻撃が通らず、絶対勝てないからだそうだ。そしてその連中は森から出なければあまり襲ってこないらしい。

 俺は雪原はヒュームという種族の生存権なのではないかと推測をたてている。

 纏っているのは鉄の鎧。文明の格差があれば敗北が必至なのは頷ける。

 それでも森の南部に陣取るのは、南の方が僅かにだが気温が高く食料が得やすいためだ。

 方角の指針は森の北部に聳える氷の霊峰。

 俺達の群れはこの霊峰に向かって進めば谷へと着くことになる。

 秋から冬にかけての移動は壮絶を極める。夏場と違って雪が降りやすい。気温が低い。

 そして拠点をしっかりと作らない。具体的にはたき火が小さい。

 毎日四時間以上ぶっ通しで歩く。当然雪が積もっているから歩くだけでも困難だ。

 大人の男はそれに加えて狩りと夜の見張りも加わる。

 将来群れを守る立場になったらと考えると少し憂鬱である。

 


 「……けほっ。こほっ」


 降りしきる雪の中を一塊となって狼人の群れは進んでいく。

 頭がぼーっとする。顔が熱い。足取りがふらふらとする。

 体中の関節や筋肉が悲鳴を上げている。

 咳や鼻水はそれほど出ないが、尋常じゃないくらいに寒い。

 ガチガチと歯が打ち鳴らされる。

 次第に遅れ始める俺に、エミリオ兄さんを背負ったままの父さんが聞いてきた。


 「どうした、ヴェルク?」


 「……けほっ……ずびっ。大丈夫」


 「どう見ても大丈夫じゃないぞ。疲れたのか?」


 父さんは俺を気遣ってくれているのがわかる。

 出来れば心配させたくないけれど、体が思うように動かない。  

 なんとか懸命に歩を進めていた俺だったが、最後は膝がガクリと抜けて雪原へと倒れこんでしまった。

 朦朧とした意識の中、とても大きな背中を肌に感じた。

 その事に安心感を覚えると同時……俺は意識を手放した。




 ■□□■



 パチパチと火の爆ぜる音が聞こえてきた。体がだるくて動かない。

 この世界にインフルエンザのウイルスいるのかどうかわからないが、その症状に極めて近い気がする。


 森の中の簡易拠点。近くに父さんの悲痛な顔があった。

 その顔を見て俺は何となく事態を飲み込めた気がした。


 ……なるほど。この世界には医療が無い。

 特効薬が無い以上、感染症を確実に防ぐ方法は間引くしか無い。

 日本だったら大抵治るインフルエンザがこの雪の森では死病扱いらしい。 

 畑の元気な作物を守るため病気の作物を引っこ抜くのと同じ事だ。

 その対象が人間であると言うだけの違いしか無い。


 ……はぁ、折角転生したのに短い人生だったなぁ。まだ死にたくないな。

 何より父さんにこれ以上の悲しみを与えたくなかった。


 「……父さん。一つ聞きたい」


 「な、なんだ?」


 父さんは俺の真剣な声音に僅かに動揺したみたいだ。


 「ノルドのおっさんは俺を早急に殺せと言ってきただろう?」

 「……っ!」

 

 やはりか。

 

 「もし、俺を苦しまないように殺して楽にしてくれようと思っているならばそれは避けて欲しい。俺は今すぐにでも一人でここを出る」


 「……たった一人で看取られることもなく死ぬ気か?」


 「ああ、そんな所かな。父さん前に木の前で泣いてただろう。俺は父さんに無駄に後悔を重ねさせるような真似もしたくない。俺は自分で自分の最後に決着をつけるよ」


 俺は動きの鈍くなった体を無理矢理起こす。


 「……待って」


 どうやら母さんも近くにいたらしい。

 弱々しい言葉で俺を呼び止める。


 「ごめん。もう決めたから」


 「……っ! ならせめて、最後に少しでいいから親らしい事をさせて欲しい」


 母さんは泣いていた。

 それを見て流石に俺も嫌だと突っぱねるような真似をしたくは無かった。

 

 母さんの要望は一つだった。

 いつかの夕飯の時のように俺を膝の上にのせての食事だった。





 

 アドルフ兄さんと父さんは食事の準備を始めた。

 母さんは横になっている俺の前に付き添ってしきりに頭を撫でている。

 前世では病気になったとき、俺は一度も看病して貰ったこと無かったな。

 俺の両親は医者だったのに何という皮肉だろう。

 今世の母さんは医療知識など無いけれど、俺のことを見守ってくれている。

 それだけで嬉しかった。

 ふと、エミリオ兄さんが少し離れた所でじーっとこちらを見ている事に気づいた。

 そして俺止めがあうとびっくりしたのか遠くへと走って行った。

 必要以上に寄ってこないところを見るに、気を使ってくれたのだろうか。


 夕食の準備が終わると、俺は母さんに抱きかかえられた。

 そしてそのまま膝の上に降ろされる形となる。エミリオ兄さんは今日は父さんに抱きかかえられていた。


 「……病気がうつるから」

  

 俺は母さんに抱かれるのをやんわりと断ろうとしたが、母さんの目から強い意思を感じて俺は何も言えなくなった。

 体が動かないので、肉を切って貰って食べさせて貰う。

 ただ、それだけのことが無性に温かかった。

 俺は誰かの愛や好意に飢えていたのだろうか。


 「……こういうのも……悪くない……気がする……な」


 気づいたときには俺は泣いていた。釣られたのか母さんまで泣き始めた。そしてそれは伝播してとうさんやアドルフ兄さんにまで伝わる。唯一事情がわかっていないのはまだ幼いエミリオ兄さんくらいのものだった。

 俺はもうじき死ぬと思われている。その死を痛ましく思われている。

 俺は改めて自分が愛されていることを実感した。

 だからこそ俺はこの家族に病気をうつして同じ運命に引き入れることはしたくないし、死にたくないと思う気持ち以上に死へと対する覚悟が固まっていった。


 もうすぐやってくる冬。

 この状況で病気の俺が一人群れを出て狩りをして生きていく事は非常に難しいと言わざるを得ない。冬になれば日々の積雪が一メートルを超える。俺の推測だが狼人達が冬の拠点にしている谷は冬の間だけ雪原に変わるのではないかと踏んでいる。

 死ぬ確率は十割に限りなく迫るだろう。

 父さんや母さんやアドルフ兄さん、全員が俺の死は避けられない運命と受け取っているはずだ。

 実を言うと俺もそうだ。生き残る勝算なんて全く無い。

 最後に家族の元で苦しませずに殺して貰えるならと思わなくもない。

 それでもこの温かさを捨てて今から死の運命に立ち向かうのだ。

 だったらせめて父さんや母さん。アドルフ兄さんの悲しみを減らしてやりたい。

 例えその結果嫌われようと、俺は後悔しないだろう。


 「……恐らく最後になるから聞いて欲しい。今まで隠していて済まなかったと思う。実を言うと俺には前世の記憶がある……」


 俺は前世の両親のこと。過ごしてきた三十年のことをつぶさに語った。

 成沢誠という今は亡き男の生涯を。

 父さんや母さんは俺の話をただひたすらに黙って聞いていた。

 息子だと思っていた俺の中身が別人だったと知ってきっと失望したことだろう。

 これから死ぬのは息子ではなく、赤の他人だと……そう思ってくれればいいな。

 


 「……それじゃ、俺は行くよ。父さん、母さん。今まで育ててくれてありがとう。俺は父さんや母さんの息子の皮を被って欺き続けた悪い奴だったかもしれないけど、俺は父さんと母さん達のこと、結構好きだったよ。その気持ちは嘘じゃないよ。さよなら」


 俺はその場から立ちあがると、未だ火を囲んでいる家族から背を向けた。

 森の深くへと重い足をずるずると引きずって歩く。

 よたよたとふらつきながら歩み、俯いているからか延々と白ばかりで同じ景色が視界を流れていく。


 ――どん、と俺の頭に何かがぶつかった。

 見上げると父さんの顔があった。


 「……ヴェルク。もう戻らないつもりか?」


 「……うん。俺の中身が赤の他人だって事はもう話したよね。なるべく考えないようにはしていたんだけど、ふとした拍子に俺は思うんだよ。本来産まれてくるはずだった父さんか母さんの子供の場所を俺が取り上げちゃったんじゃないかって。それでいてさ自力じゃ生きられないから父さんのことも騙し続けてさ、家族になりすまし続けて。そう考えると嫌な奴でしょ?もう、父さん達には嘘もつきたくないし迷惑かけたくないから、これもいい機会だと思ってさ。だから俺のことはもう構わないでくれるかな。忘れて欲しい。」


「……あんまり淋しい事をいうな。俺はお前のことを嫌だと思ったことはないし、今でもいなくなって欲しくないと思っている。前世の記憶があるなんて事は聞いたことないし、俺達に気を使って言えなかったんだろ。でもな、前世の記憶があろうと無かろうとお前が俺の子として生まれてきたことには変わりが無いんだ。だから必ず生きて戻ってこい。お前の居場所はここだ」


 「……ははっ」

 その言葉に俺は涙が止まらなかった。前世を通して『ここに居ていい』なんて言われたことは初めてだったからだ。

 前世では家から追い出された俺の魂が尤も渇望していた言葉だったのかもしれない。


 『ここに居ていい』『必ず帰ってこい』


 そうか。だったら意地でも生きなきゃな。


 「父さん。悪いけどここで見送って欲しい。これ以上ついてこられると決心が鈍る」



■□□■


 簡易拠点の端っこまでやってくると再び立ちふさがる影があった。

 「どこへ行くつもりだ?」

 「……ノルドのおっさんか。なんだ、俺を始末しにきたのか?」

 「……なるほど。病に冒された者の処遇を知ってしまったらしいな」

 「ああ、そうだよ。だから群れを出る」

 「ほう、なるほど。ここにいると殺されると踏んで、谷へと落ち延びるつもりか? 臆病者が。そんな事をすれば犠牲がどれほど出ると思っている」

 「……ああ、そうだ。俺は臆病だ。俺は死ぬのが怖いんだよ。ここにいたら狂ったおっさんに殺されちまうからな。だからといって自分可愛さに誰かを巻き添えにするほど自分勝手でもない。だからな、俺は群れを出て単独で生き延びる。もし、この冬の間に俺がどこかの群れや谷の拠点に現れるようならばすぐに殺してくれて構わない。そしたらいい笑いものだがな」

 「無謀だな」

 「ああ、無謀で無理なことを言っているだろうな。だが病にただでくれてやるほど俺の命は安くねぇ。無様だろうと足掻けるだけ足掻いて死んでやる」

 俺が言うと、ノルドのおっさんがようやくにやりと笑った。

 「……いいだろう。認めてやる。確かにお前は病如きにくれてやるには惜しい男だ。だからこれを持って行け。戦いに出るのに丸腰じゃ流石に厳しかろう」

 ノルドのおっさんは訓練で使っている棍棒を一本俺に寄越した。

 棍棒は群れの備品である。

 一時の感情に流されて、悪戯に資材を消費することはノルドのおっさんの性格上あり得ないことである。

 「勿体ないから無くすんじゃねぇぞ」

 と、言いながらはじめっから俺に渡すつもりで棍棒持ってきてるんじゃねぇか。

 ほんと、素直じゃねぇおっさんだ。

 「礼は言わねぇぞ」

 「……ああ。後で礼を言いたくなったら帰ってきてから言うんだな」

 ノルドのおっさんは俺に道を譲る。


 俺は真新しい雪面に足を踏み出した。


 


 ■□□■


 

 何度かちらちらと背後を確認しながら進んでいたのだが、ついに簡易拠点の炎が見えなくなった。

 ふいに去来する孤独感。

 俺はその寂しさを払拭するために今後の指針について考える。

 ノルドのおっさんに処分されないように慌てて森の中に出てきたはいいが、どこを目指せばいいのかという話になってくる。

 それについて今までの記憶を総動員した結果、神の爺さんの言葉を思い出した。

 魔法が使いたければ氷の霊峰に行ってみろと神の爺さんが言っていた。

 どうせなら死ぬ前に魔法が使ってみたい。

 いや、もしかすると魔法を習得できれば生存率が上がるかもしれない。

 

 俺は、遙か遠くに聳える霊峰を睨み付けた。


 「……遠いな、ちくしょう」


 俺の所持品は棍棒のみ。あの場所までたどり着くには大分困難だと予想される。

 そのためにもまずは病気を治さないといけない。

 だが、藥、食料、防寒具、現状ではあらゆる物が不足している。

 どうにかして入手できないかと考えて……俺は神の爺さんに『ショップ』の能力を貰っていたことを思い出した。

 群れの中で地球製品を使っていたら、俺の正体についても恐らく言及しなければいけなかったため今まで使用するのを控えていた能力だ。余りに控えていたので今の今まで出来る事を忘れていたくらいだ。


 『ショップ』


 俺が宣言すると半透明のウィンドウが出現した。

 俺は初めてこの技能を使用する。このショップの機能はあらゆる地球の店舗に対して通貨取引を行う能力だ。だから買い物をするためにはまずは買い取りショップにアクセスして金銭を獲得する必要がある。

 ……と、思ったのだが。

 何故か最初から『十六万七千二百四十二円』とウィンドウの右上にある所持金の欄に記載されていたのだ。

 大分半端な金額だ。だがどっかで見覚えがあるような。

 何故だろう……と、十分ほど記憶を探って俺はようやく原因に思い至った。 

 この金額は恐らく、俺が死亡した瞬間の預金通帳残高だろうと。

 最後に利用したときの残高明細がこんな金額だったはずだ。

 俺は天国側のミスで死んだので、気を使って生前の財産を引き継がせてくれたのだと思う。

 もしくは、俺の通帳データをそのまま流用して向こうで引き落としやカード決済などの通帳を介した金銭取引を行っている線も考えられる。

 決して少なくは無い金額だが、十分と言えるほどでもない。

 だが、今は過去の俺に感謝するべきだろう。

 

 さて何に金を使うかが重要だ。まずは病気を治すのが先決だ。

 過去にインフルエンザにかかったときの処方を思い出してまずは抗生物質などを取り寄せる。食料の調達はまだ難しいので次にパンなどの食料を出す。

 毛皮の腰蓑と毛皮チョッキじゃ病気が治る気がしないので、まずメジャーを取り出して体のサイズを測った後、サイズが合いそうな丸首の長袖シャツとダウンジャケット、カーゴパンツ、ベルト、スニーカーなどを取り寄せた。

 取り寄せた服をすぐさま着用してみたが尻尾の付け根当たりが苦しかった。

 なので少し勿体ない気がしたが、刃渡り二十センチのコンバットナイフを購入して尻尾の部分に最低限の大きさだけ穴を開けた。そして尻尾を開けた穴から引っ張り出すようにして着用し直す。

 

 これで見た目の文明レベルは相当に上昇したに違いない。

 どこから見ても地球人だろう。未開の蛮族は卒業だ。

 尤も地球人にはケモミミも尻尾もないんだけどね。


 しかし、服が変わっただけで大分体感温度が変わったな。もうあの腰巻きチョッキには戻れる気がしない。着替えについては荷物になるので今着ているのが汚れるまで買うのはもう少々我慢しよう。腰巻きチョッキをどうするか処遇に悩んだ結果持って行くことにした。

 あれはあれで群れでの思い出の品だからな。

 俺はリュックを購入すると、腰巻きとチョッキを放り込んだ。

 かなり買い込んだので残金は五万円ほどになった。

 

 最低限を買い終えたので、俺は移動して今夜寝る場所を確保することにした。

 移動したのはノルドのおっさん達が通る可能性のあるルートを避けたかったため。

 俺は移動先で一人用のテントを購入。

 今後の持ち運びも考えてかなり迷ったが、今はともかく暖かい空間が必要だ。

 拠点で暮らしていたときはたき火の管理を交代で群れの男がやっていたが、今は俺一人だ。

 たき火をして寝て延焼して死んだら目も当てられない。

 だったらテントを用意して密閉空間を作りなるべく体温を逃がさないようにする方がいいと考えた。

 俺は雪をどかして地面を露出させるとその上にテントを組み立てる。

 そして真新しいテントの中に入るとショップを呼び出した。

 ショップで購入したのは百個入りで千円の鈴と麻糸五十メートル。鈴は上部に丸穴のついている物を選んだ。

 俺は鈴と麻糸をひたすら結んでいく。そうして出来上がった物をテントも周りの木々をかこうようにピンと張った状態で張り巡らせる。


 見張りを立てられない今、寝ている間に急襲されないための備えだ。

 もし、魔物がやって来た場合麻糸に引っかかれば鈴が警鐘を鳴らしてくれるはずだ。

 問題は強い風が吹いたときも鈴が鳴ってしまうことだが、この際贅沢を言えないだろう。


 一仕事を終えた後、俺はテントの中で横になった。

 欲を言えば寝袋が欲しいがもう所持金が割とカツカツだ。

 残りは一万弱と言ったところか。

 この残金は出来る事ならば使わずに緊急時の食料品代に当てたいと考えている。

 寝袋は何らかの形で稼いでからの購入になるだろう。

 薄い布地で密封された空間の中にいるだけでも直接風に身を晒されない分少しだけ暖かい。

 後は病気を治すためになるべく寝るだけだ。

 俺は魔物との実戦はない。

 群れの男達が狩ってくる魔物の死骸を見て何となくで魔物の強さを理解しているくらいだ。

 この状況で魔物が来たら勝ち目は薄いだろう。

 魔物が襲ってきたら戦わないといけないが、基本的には病気が治り体力が回復するまで襲われないことを祈るのみ。

 

 一休みした後、なるべく栄養価のありそうな食事を用意して食べ、薬を飲んだ。

 やれることはやった。後はひたすら寝るだけだ。 


……なんか改めて読んでみると茶番だなぁ。なんか恥ずかしい。

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