アニト編1 旅路と魔法使い①
ダンジョン50階踏破により、僕とリリスの冒険者ランクはDになった。
冒険者ギルドでのランク更新を終えた僕たちは次の街、アニトを目指すことにした。
アニトは海に近い街でダンジョンがある。
ダンジョンを攻略すればまた精霊水が手に入るはずだ。
また、アニトは魔法の街として有名だ。
もしかしたら魔法使いの仲間を見つけることができるかもしれない。
【Lv.15 現世: 剣術士 前世: サムライ スキルポイント: 150】
現在のリリスのステータス。
僕はレベル13まで上がった。
以前より筋力があがり、より俊敏に動けるようになった。
近いうちに盾をより大きな物に新調するのもいいかもしれない。
スミスの工房でダンジョンでドロップした魔石を使ってキキラの槍を強化してもらった。
彼曰く、切れ味がかなり上がったそうだ。
街の出口へ向かう。
アニトへはいくつかの町を経由する。
徒歩での移動は時間がかかるため、乗れる馬車を探す。
広場には馬車が多く止まっているが、なんだか様子が変だ。
近くの人に話しかけた。
「あの、普段からここにはこんなにも多く馬車があるんですか?」
「いや、今は馬車が止まってるんだ。
街道に複数のバジリスクが出て、そいつらが討伐されるまで運休するそうだ」
困った。
アキを治すためには一刻も早く次の街に向かいたい。
「どうしようか、リリス、キキラ。馬車は止まってるんだって」
「だったら歩けばいいじゃない。
バジリスクが出ているのはこのあたりだけでしょ?
それなら次の町で馬車に乗ればいい」
至極まっとうな意見だ。
僕らは近場の店で野営をするための準備をした。
≫
門の前に戻ってくると1人の男が声をあげていた。
「誰か、バイ村まで同行してくれるやつはいないか?」
長身でやせ型。
整った顔立ちで茶髪を長く伸ばしている。
手には杖を持っている。
彼が僕らに気づき歩み寄ってきた。
「その恰好からするに、おまえたちはこれから旅に出るんだろう?
行先は?」
「アニトの街です」
「それならバイ村を通るな。オレと一緒に来てくれないか?」
男が提案してくる。
リリスとキキラに視線を向ける。
二人とも僕に一任してくれるようだ。
「見た所、あなたは魔法使いのようですね。
僕たちのパーティーには魔法使いがいません。
ぜひ同行してもらえると助かります」
「助かるぜ!
オレの名前はアル。よろしくな」
「こちらこそです。僕はキョウ。
こちらの二人はリリスとキキラです。
バイの村までは徒歩でどれくらいかかりますか?」
「3日ってところだな。オレはバイ村出身なんだ。
おふくろの薬を買いにここまで来たんだが、帰りの馬車がなくて困ってたんだ。
早く薬を届けたくて、徒歩で向かうために仲間を探していたところだ」
「それは大変ですね。急いで向かいましょう」
「おう!ただ1つ大きな問題があって。
オレ、戦闘経験がないんだ......」




