ハランド編10 51階②
こちらの心配をよそに、リリスは首をはね続けていく。
1本……2本……3本……。
もうどれだけ首を落としただろうか。
――ザザッ
リリスの頭に、ノイズが走る。
こんな時に何?
嚙みつきを避け、また首をはねる。
――ザザッ
再び、ノイズが走る。
頭がふらつく。
ヒュドラの体当たり。
なんとか身をよじってかわす。
その間隙を縫って、2つの首が襲ってくる。
リリスは妖刀を抜いた。
スキルポイントは残り少ない。
だが、キョウとキキラが動けない以上、私が足止めをするしかない。
「キョウと同じ、身を捨てた戦い方はいやなんだけどな」
そうつぶやきつつ、切り刻んでいく。
首の根元に飛び込み、スキルを放つ。
「スキル・円陣斬!」
一気に3本の首をはねた。
さすがのヒュドラも、同時の再生は難しいらしい。
好機。
胴体へ攻撃を仕掛ける。
≫
キキラは胴体に核があり、それを破壊することでヒュドラを倒せると言っていた。
ならば、そこまで切り刻むのみ。
「スキル・居合い斬り!」
ぱっくりと大きな傷ができた。
「スキル・刺突!」
突撃のスキルで傷を大きくする。
あった。核だ。
まだ奥にあるが、光を放っているのがわかる。
あと少し。
その時、再生を終えた首がリリスを襲った。
胴体に意識を持っていかれていたリリスは、吹き飛ばされる。
壁に激突し、血を吐く。
しくじった。内臓をやられたようだ。
だがまだ動ける。
キョウとキキラを見る。
まだ回復には時間がかかりそうだ。
ギリッと奥歯をかみしめて、苦痛に耐えながら戦線に復帰する。
スキルの多用。
妖刀によるスキルポイントの消費。
リリスのスキルポイントは、三分の一を切っている。
だが二人を守るためにも止まるわけにはいかない。
3本の首の噛みつきをなんとかかわし、再び首元で円陣斬を放つ。
首が全部吹き飛んだ。
――ザザッ、ザザザッ、ツー......
一番大きなノイズ。
リリスは頭を抱えて膝をついた。




