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舞踊劇酔夢譚 (バレエすいむたん)、僕は白鳥のバレリーナ  作者: 優鶴
経緯、衝撃の配役、女子バレリーナとしての出演要請、強要と励まし
2/22

序文、読むに当たって、視点と楽しみ方

この第2話は、ストーリーの流れとは直接関係はありませんが、ぜひ読んで頂ければと思っています。この話しを100%楽しむための、良い視点になると思います。

第2話


百人一首の、

・忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな  ⦅右近⦆

(あなたから忘れられる私のことは構いません。でも永遠の愛を誓ったあなたの命が神罰で失われるのではないかと、案じられます)


去っていった恋人の身を案じる殊勝な女性の詩と詠める。が、

見方を変えると、相手への皮肉ともとれる。



万葉集の

・あかねさす 紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖振る ⦅ 額田王 ⦆

(紫草の生えた御料地のあちこちに行ってあなたが袖を振るのを、御料地の番人に見られてしまいますよ)

紫野(むらさき)の にほへる(いも)を 憎くあらば 人妻ゆゑに われ恋ひめやも  ⦅ 大海人皇子 ⦆

(美しいあなたが憎かったら、人妻のあなたにどうしてこれほど恋こがれよう)


美貌の元妻の額田王と大海人皇子が交わした詩である。大海人皇子は兄である天智天皇に妻を奪われていた。

668年、天智天皇は額田王を伴い近江の蒲生で狩りを催したが、大海人皇子も同行した。

その際の詩だが、大海人皇子の奪われた元妻への想いが強く感じられると詠める。が、

一方これらの詩は、狩りの後の宴会での詩とも言われている。

そうならばその時、座は静まりかえったのか、それとも酔酒の座興詩として大いに盛り上がったのか。

また別の宴であるが、大海人皇子が舞った際に、酔ってか意図的か天智天皇に向けた槍を敷板に突き刺し、天智天皇を怒らせた話しなども伝わる。

ちなみに大海人皇子は、天智天皇崩御後その息子の大友皇子(額田王の子ではない)と壬申の乱で皇位を争い、勝利し即位して天武天皇となった。複雑な国際情勢と勢力争いなどもあったようだが、妻を奪われた事が遠因にあったかもしれない。



私は授業でこれらの百人一首と万葉集の詩を知った頃は、まだ純であり、なんと美しくロマンチックなのだと感動した。

しかし後に、読み方でイメージが大きく変わる事も分かった。


私が書いた酔夢譚もそうである。

女の子に囲まれた環境で何の疑問もなく過ごしているうぶな少年が、少し色気付きだした頃、思いもしない状況に遭遇し、なんとか対応して進む時の様子と心情が描かれている。

と読むか、

誇大にエロチックに仕立てた低俗なお話しと読むかである。

どちらの読み方でも結構です。


読んでくださり、ありがとうございます。

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