住んでいたのは・・・
「中への入口は水上ではないようだ。それから、中に今は誰もいない」
「じゃあさっさと魔法でぶち壊そうぜ」
「そう思ったが、何かの魔法が邪魔で簡単には無理そうだった。おそらく巣と生物は一蓮托生の魔法で繋がれている」
「巣と自分の命は一緒っていうことですか?」
「そうだ。懸けているものが命なだけに、とても強固な守りでできている」
たしかに、一生を過ごす家が自分の命で繋がれているのならば、これほど安心なことは無いかもしれない。
(というか魔法を使えるような存在ってことだよね?)
3人でどうするべきか思案していると、
「誰かこっちに来てるな」
ジェスタさんが川の向こう岸の森から誰か来ているという。
遠目から見ている感じ、人の形でセローさんと変わらないくらいの体格、髪の毛は緑色だ。
「toeka! noohokroae!」
その人? は、なにやらよくわからない言葉を叫びながら、こちらへと指を指し、右の手のひらを広げてきた。
すると、そこから炎の弾が複数打ち出される。
「土よ! 我が身を守りたまえ!」
私はとっさに杖を腰から抜いて、魔法を唱えた。
砂利の下の土がせり上がり、自分の前に土でできた壁を作り出して防御する。大きさは高さ2m、横の長さは1mくらいで厚さは10㎝くらいだ。
うまいこと炎の弾は壁に直撃して防いでくれた。
ちなみにジェスタさんは身をよじって、セローさんは川の水を操って炎を打ち消して難を逃れていた。
「やめろ! ちょっと待て! こちらの話を聞いてくれ!」
セローさんが身振り手振りで敵意が無いことを伝えようとする。
「ジェスタ! 動きだけ封じれないか?」
「ほい」
ジェスタさんは腰のポーチから敵の影に向かって針を投げる。
きちんと針は相手の影を捕らえて、動きを封じたようだ。魔法はこなくなった。
「あれはエルフだと思われる。ジェスタ、エルフ語の読み書きできたよな?」
ジェスタさんは頷く。
相手の動きを封じている間は、ジェスタさんも満足に動けないらしい。
セローさんはロープの端を持って魔法で川を渡り、敵をロープで縛って括って、こちらに合図を出してきた。
それを見たジェスタさんはこちらのロープの端を持って引っ張る。
(川の中を引きずられてるけども、あの人溺れないの?)
見かけより水深が深いらしい川を無理やりロープで引っ張られるエルフ。
そうして無事? 縛られた状態で私たちのもとまでたどり着いた。
エルフと呼ばれている人は耳がとても長かった。




