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犯人は

 もう1人はジェスタさんが武装解除させたうえで、首にナイフを当てている。


「お前ら、どうするよ?」

「なんだ!!」


 ジェスタさんの声が聞こえる。


「構わねぇ! 弓で撃っちまえ!」


 ジェスタさんへ崖上の3人から弓が放たれる。

 捕まえている人質もろともだ。

 ジェスタさんは人質の盗賊を突き飛ばして、宙がえりして矢を避ける。

 1発は盗賊の腕に刺さる。


「マジで撃ってきやがる」

「レイチェル、弓矢を風の魔法で吹き飛ばせるか? 馬を守って欲しいんだが」

「やってみます!」


 私は矢をつがえた一人に向かって杖を向けて、風の魔法を唱える。

 私の炎のと水の魔法は近くにしか届かないが、風の魔法は崖の上まで届くと思う。

 射手は風のせいできちんと構えられなくなっている。思ったより妨害できていた。

 対面の弓兵から矢が放たれて同士討ちする。


「あとはお前だけだが?」


 いつの間にか両方の崖の上の弓兵は倒れていた。


(何がおきたの?)


 盗賊のリーダーはニヤリと笑う。

 御者の1人がセローさんに向けて、後ろから短刀を振りかざす。


「危ない!!」


 そう叫んだ私だったが、セローさんは後ろも見ずに短刀を避けて、剣の柄で御者の胸を突く。

 

「手引きがあるのも依頼に織り込み済みだ。どうする?」


 盗賊のリーダーに言い放つ。

 私はそいつに捕まえられて、ナイフを突きつけらていた。


「お前こそどうするよ」


 遠くから山なりの軌道を描いて針が盗賊のリーダーの影に突き刺さる。


「な、動きが・・・・・・」


 急にナイフを手放す男。

 男は、振りかぶったセローさんのアッパーカットが綺麗に入って昏倒させられていた。

 セローさんとジェスタさんは、荷物に入っていた細いロープで、盗賊6人と御者1人の手足を縛り上げていく。

 崖の上には盗賊たちが使っていた縄梯子をジェスタさんが器用に登って、3人を雑にあつかって下ろしていた。

 もちろん弓矢による怪我をしていたので、それも治療したうえで。


「商人さん、御者くらいやったことありますよね?」

「もちろん見習いのときにやってたよ」

「このあとの道はお願いします」

 

 盗賊を荷物の上に転がして、セローさんが言う。

 6人も増えたから座る場所もギリギリだ。

 柵をどかして出発する。

 私たちは街に着いて、警らの人たちに盗賊たちを引き渡す。


「なんで盗賊に仲間がいるってわかってたんですか?」

「ここのところ、毎回のように金品だけを盗られることが多くなっていたらしい。それで、怪しい御者を2人まで絞り込んだ」

「要は殺さずに何度も金目の物だけ奪いとろうってやつだな」


 なんでも、旅商人なら盗賊に襲われるのは普通にあることらしかった。

 ただ、誰も殺されずに、毎回の荷運びをちょうど待ち伏せされすぎていたらしい。

 何事もやりすぎると捕まる。


「えぇっ? 今回の依頼、こんなに貰っていいんですか?」


 私が受け取った金額は8000ゴールドだった。


「あのリーダーが結構有名だったらしくてよ、報奨金があったんだと」


 思わぬ臨時収入で私は嬉しかったのだった。

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