見張り
もちろん、私たちの食料や寝袋を持ってくるように頼んでくれていた。
私たちはしばらく野営らしい。
「俺たちでは解体しても運べないからな。街から専門の人間が来るまで2、3日くらいだろう」
「これって傷んだりしないんですか?」
「多少は質が落ちるだろうが、魔力が残っている数日間は腐敗しにくいらしい」
そんな話をしながら、私たちは散らばっていた動物の骨や排泄物を埋めて片付ける。
流石にあまりにも不衛生な場所で寝起きはしたくない。
1時間ほどかけて綺麗にして、野営の準備を済ませる。
(3日もここで過ごすのか~)
今までそんなに長い期間を野営したことは無い。
村まで歩いて戻れる距離とはいえ少し不安ではある。
日が暮れかけてきたころ、ジェスタさんが簡易テントなど寝泊まりする一式を持ってきてくれた。
「今日はテントあるんですね!」
「村に売ってたから買っといたぜ。明日までならまだしも3日も地べたに寝るのはきちぃからな」
私たちが街から持ってきていたのは寝袋だけだったので、当初よりは楽に過ごせそうだ。
もちろんテントは3つ、個人で使える小さなやつだ。
「さっさと設営しよう」
セローさんの言葉と共に作業に入る。
(これは・・・・・・ここ?)
実は私は初めてのテント泊だ。
なので建て方をよくわかっていない。
「これそっちな。んで、棒を通せば終わりだ」
ものの10分くらいで自分のテントを建て終えたジェスタさんが手伝いに入ってくれた。
この人は、いかつい見かけや乱暴な言葉遣いだけど、周りを見ていて、キチンと教えてくれる。
まだ半年くらいの付き合いでしかないけど、そのくらいはわかってきた。
すでに作業を終えたセローさんは焚火を作っていた。
3人で焚火を囲んで夕ご飯を食べる。
「この世界最強の生物はドラゴンっつってもよ、流石に体の中への攻撃には耐えられないって」
「結局、セローさんは何をしていたんですか?」
「秘密だと言っただろう。ジェスタ、余計なことを喋るな」
「へいへい」
本当に教えてくれないらしい。よほどの秘密なのだろう。
私に見えていたのはセローさんがドラゴンの傷口に手を押し付けていたところだけ。
その直後にドラゴンは死んだ。




