お仕事完了?
肌寒くて目を覚ますと、知らない風景。
首を振って左右を見ると、うち捨てられた炭焼き小屋のようだった。
背負い袋の枕に旅用のペラペラの毛布を掛けられて寝かされていた。
上半身を起こす。
「おい、起きたか?」
「はい」
「起きてられそうなら見張り変わってくれねーか?」
「わかりました」
ジェスタさんは壁にもたれかかって宙をみていた。
「私、どのくらい寝てました?」
「6時間くらいじゃねーか?」
かなり時間が経っているらしかった。
私の近くでセローさんも似たような姿勢で寝ている。
「なんかあったら起こしてくれ」
ジェスタさんはそういうと、すぐに支度して寝てしまう。
僅か数秒で寝息をたてはじめている。
2人に怪我は無いようだ。けれど流石に戦闘後で疲れているみたいだった。
(1人だと不安だけど起きてなきゃ)
ここがどこだかわからないが、砦に戻っていないということはまだ遠い場所なのだろう。
1時間ほど経過したところでセローさんが目覚めた。
ジェスタさんを寝かせたまま、私たちは静かに会話する。
「おそらく敵が死体に罠を仕掛けてきた。誰かが回収することを知っているのだろう」
「やっぱり頭のいい相手もいるんですね・・・・・・」
「そのようだな。ただの魔物とは違い、こちらを確実に仕留めに来ている。これは報告しないとならんな」
さらに時間をかけて休んだ後、3人でもとの窪地へではなく、砦へと戻ってギルドから派遣されている指揮官へと報告をした。
その日はそれで仕事を終えたことになった。
(傷、ホントに全然残らないんだな・・・・・・)
夜、ベッドの中で今日受けたお腹の傷あたりを確認した。
治癒の薬や魔法は傷が残らないと聞いていたが、自分の体で体感することになるとはつゆほど思っていなかった。
昼間、あれだけ寝たので眠れないかもと思っていたが、すぐに睡魔に襲われて、気が付くと翌朝だった。
「報告した結果、キチンとした隊が組まれて捜索することになった。ひとまず俺たちの仕事は終わりだ」
「え? もう終わりですか?」
朝の食堂でセローさんから告げられる。
「どこまで危険があるかわからない以上、俺たちより専門的な回収屋を使うそうだ」
「報酬はどうなるんですか?」
「別に俺たちが失敗したわけじゃねぇんだからなんもかわらねぇよ」
ジェスタさんがポテトの刺さったフォークを振りながら言う。
この人、今日の仕事なくなったからって朝からお酒飲んでるし。
ということで依頼は完了。馬車に乗って街へと帰還したのだった。




