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プロローグ
この世界は、魔法に満ちている。
人間を始めとする生物は生まれながらに特別な力を宿し、人々はそれを“魔材”と呼んだ。この世界の文明は、魔材によって築かれてきた。
しかし、事代クロは魔材を生み出せない体質――無為体だ。
自分の意思では、何ひとつ生み出せるはずがなかった。
それが本当なら、この光景の説明がつかない。
「ご主人様!」
同じベッドの上で、少女が何も知らないような笑みを浮かべる。
銀白の髪。
青天のような瞳。
煌びやかな純白のドレス。
「……君は誰?」
全てを失った夜。クロが少女を創造した。
それが、この世界の理に反していたことを、知る由もなかった。




