14-① 秘密にしたいこと
「マシロー?誰と喋って…………って!!お前!チンポコ丸出し幸運男じゃん!!」タトラス
「あ!若作りナンパおじいちゃん!」トラヴィス
「誰がおじいちゃんだ!見た目年齢25歳ですぅ!」タトラス
「実年齢80歳だろ?」トラヴィス
「んなぁあ!失礼な奴め!性病かけんぞ!こらぁ!って!!え?!あ!マリさん?!あら。いらっしゃったの?!ご機嫌麗しゅう。本日もお綺麗でぇ。」タトラス
「…………タト。」マリ
課長専用のデスクの後ろの空間が、ぽっかり円形にあき、全く別の空間に繋がったかと思えば、その左側からタトラスがひょっこりと顔を覗かせた。
向こうの空間はさながら、高級ホテルのエントランスのようで、大きなガラス窓から、暖かい太陽の日差しが目一杯に差し込んでいる。
中央にはオシャレで大きなオープンキッチンがあり、その周りはカウンターとなっていて、バーなどでよく見る、座る位置の高い椅子が数脚並んでいる。
そこに座っているマシロ。
オープンキッチンの中にはライナックスが居て、こちらに気づいて声を掛けてきた。
「あらあらあら。またどーーーしたの。」
そう言うライナックスに、マシロが声を掛けている。
「だから、あそこ早く閉じてって言ったのにー。」
「早く閉じてって、ちょっと前に聞いたばっかりやんかぁ!そんなすぐにできませんよ?!私、あんたらのご飯つくって、掃除して、洗濯してやなぁ!そもそもあんた、ラーメン食べるの先でいいってゆったんやんかー!」ライナックス
「あー。そーだったね。ごめ…………。」マシロ
――。
コトンッ
マシロが話してる最中。イーネの能力がマシロに発動されたようだった。
マシロの首が裂けて綺麗に分断され、前に向かって首が落ちる。
その落ちてきた頭を、マシロ自身が膝の上で、両手でキャッチしていた。
椅子に座りながら、マシロの体はこちらを向いて、両手で頭を扱うと、顔がこちらに向くように回して止める。膝の上で両手で持たれたマシロの頭。その表情は笑顔を崩さないまま喋り出した。
「いきなり首を切り落とすなんて、仕事が早いなぁ。」
「…………………………。」
(……どーなってる……。)イーネ
その異質な光景に、誰も何も言えずに、こちら側の空間にだけ緊張感が漂っていた。
タトラスが言う。
「あーあー。いきなり首落とすとか……。何て奴だ。マシロじゃなきゃ死んでるっつーの。」
「僕で良かったよねー。……その様子だと、ラスターには逃げられたのかな?」
マシロのその言葉に返したのはイーネだった。
「まぁな。」
マシロが話す。
「全員初めましてになるのかなぁ。面と向かって挨拶したことなんて無いもんね。どーも。僕がマシロです。」
それをかわきりに、それぞれが口々に話し出した。
「タトが可愛いって言ってたこ!どのこ?!あー。あの子でしょ!あの黒髪ボブの。うわぁ。たしかにタトが好きそうねぇ!」ライナックス
「マリさん……でしょ?」マシロ
「……あ。…………どうも。」マリ
「ちょっとちょっと!気安く僕のマリさんに話しかけないですれる?!」タトラス
「あなたのじゃいです。」マリ
「おい!マリさん!なんか、敵さんにめっちゃ気に入られてるじゃん?!ええ?!やっぱり魔性の女ってやつ?!」アエツ
「なんか。マリばっかりずりぃ。」トラヴィス
「あれが噂のマシロなのか?」レン
「マリさん、良ければこっちでお茶でも?!」タトラス
「結構です。」マリ
「綺麗な所だなぁ!あちゃー。俺パジャマで来ちゃったよー!」アエツ
「ラーメン食いたくなってきた!」トラヴィス
「あ。食べる?ライナックスつくってあげなよ。」マシロ
「ええ?ちょっと何人前よぉ。」ライナックス
「……………お前ら黙れよ。」イーネ
どんどん緊張感からはかけ離れていく状況にイーネが苦言を呈す。
一度、喋り声が止んだところで、イーネがマシロに話しかけた。
「マシロ。悪いが俺はお前のゲームからは降りるよ。この慄華はミコに消してもらう。」
「あらぁ。どうして?」マシロ
「どうして?理由が必要か?」イーネ
「いいや。別に。好きにするといいよ。そうだな。でも、ゲームマスターは僕のつもりだ。君が駒から外れるというなら、他の誰かを立てようか。…………そうだな。変わりに、ベリーって子に呪いをかけるとか?」マシロ
「………………。」
また張り詰めた空気が流れ始めた。
マシロは両手に持っていた自分の頭を持ち上げると、断面をつなげるようにくっつけ、角度を調節すると、首は綺麗に繋がって元に戻ったようだった。
マシロが言う。
「お祭りだって言ったでしょ?君が参加しないと決めるのは自由だけど、お祭り自体は通常開催させてもらうよ。」
「随分とまどろっこしいことすんだな。お前が何をしようとも、お前が崇める神とやらは、お前に微塵の興味もねーんじゃねーか?」イーネ
「…………。」
こちら側だけじゃない、向こう側にも緊張が走ったようだった。
マシロは顔色を変えずに言う。
「そうだよ。君の言うとおりだ。神は僕なんかに興味ない。僕1人じゃ成し得ないから、皆んなを巻き込んでるんだよ。」
「いや。そんな事をやってもお前の望みは果たされない。」イーネ
「君は僕を怒らせたいみたいだね。あまり懸命じゃないと思うけど。いいよ。その言葉は間違いだ。それは、ミコとの出来事で既に確証を得ているからね。」マシロ
「………………。」
イーネとマシロの間で会話が進むのを、他のメンバーは黙って見守る。
マシロが続ける。
「君達は、おそらく既に、僕が会いたい人と接触している。その………………。なんだっけ。チンポコ丸出し幸運男君?」
「トラヴィス・ゼイリー・アッシュカスターです!!」
「そう。アッシュカスター君。だってね。」
マシロがトラヴィスを指差した。その瞬間。
ドンッ




