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機械仕掛けの白昼夢  作者: 乃月
【二章】殺人鬼の晩餐
31/36

0:変遷する世界

西暦、などと言う言葉は随分昔に廃れた。

それは教科書などにそう書いてあるから。と言う理由もあれば、歴史学者でもない限りそんな言葉を口にすることが日常で滅多に無いから、と言う理由もある。

なぜか。そんな事は、千年前の偉人にでも聞いてもらいたい。

ただ、少なくとも千年前、時代が大きく動いたのは事実だろう。



西暦の終わりとともに、世界は一つになった。たった一人の独裁者の元に。

その男は、名前をコーニリーアス=バッセルと言った。

彼は歴史の教科書の一番初めのページに、その威厳の染み込んだ(しわ)を多く携えた顔を大きな写真に写している。

西暦世界で言うところの経済大国アメリカ。その最後の大統領として、或いは世界で初めて人類統一国家を樹立した人物として。

ただ、その国家が長く続く事はなかった。

人類を統一した国家が誕生し、それに正式な名前がつく前に指導者が死んだからだ。

テロであった。

周囲一〇〇(メートル)を巻き込む大爆発。その爆炎の裡に、人類の指導者の悲願は消えた。

世界中の人々の思想は、二つに別れた。

コーニリーアスを祭り上げ、神格化し崇拝する統一思想派。

それとは真逆で、彼の思想、理論、生涯。あらゆる物を否定し、批判。一部ではその思想を持つものを粛清と謳って虐殺する者もいた、反統一思想派。


「人類社会の統一。これこそ、かのバッセル大帝の為された人類史上最大の偉業である。それに相対する思想など無知蒙昧も極まる事だ。無論、それに与する叛逆者共も同じ穴の(むじな)である」


統一思想派筆頭のオルクス=フォン=ウィンザー、後に神聖オルクス帝国を樹立、初代皇帝の冠を手にした彼は、殆ど国家としての機能を果たさなくなった人類統一国家の議会にてこのように説いた。

批判も多かったが、人類統一国家の中では賞賛と賛成がそれを上回った。


「案の定というか、時間はないらしい」


反統一思想派の一人、後に十字(クロイツ)連邦の初代国家元首となるロン=リーキーはテレビ相手にそう呟いていたと、友人のバンジャマン=ダレイラクは後に語っている。


その演説から三年後。

オルクス=フォン=ウィンザーは、三八〇〇万の軍勢を率いて国内の異分子の掃討に取り掛かった。

これに対して、反対勢力は全くの無力であった。

当時の地球の総人口は、先の大戦の事もあり四七億人にまで減少していた。その内、四〇億人以上は統一思想(オルクス)派、残りは反オルクス派と、中立、双方に反対と言う人々もいた。

勢力の差から言って、それが一方的な虐殺であるこは火を見るよりも明らかであった。


「我々と異分子との戦端を開いてから三日。たった三日で四つの都市と一〇〇万を越す無法者を捕虜とした。この事実こそが絢爛極めたる帝国の行動の、正しき事の証明である」


右手を天高く掲げ、若く鋭気に満ちたその英雄的で端正な顔に大きな影を落としつつ、民衆に訴えかける。

そのオルクスの姿は、後世に美しく強き者の形容として伝わるほどであった。それを間近で見た民衆は、例外なく沸き上がったという。

連日、うねる波が如く彼の演説を聞きに来た人々の数はその広場の温度を二、三度上昇させるほどであった。それを快く思って、彼自身も毎日、自分に反抗する者への熱烈にして辛辣な批判を繰り返し、自らの思想と、それに付き従う多くの人々を美辞麗句で飾り立てた。

人々は熱狂の中に住んでいた。しかしそれは民衆が望んだのではなく、妥協点としてそこに住み着いたというだけのことである。

しかし誰一人として疑わないその建物は、床下で何かが蠢動していた。

それに人々が気づくのにはかなりの時間を要したのだった…………。



そんな熱狂と同棲する人々を見て、ロンは大きな溜息を一つならずした。そして必ず次にはこう言った。


「あと数回。彼らが勝ち続ければ、それでこの戦争は終結する。だが、その先にあるのは弾圧と圧政、不公平の楽園だろう。だからこそ、いつかは彼らの不敗神話に終止符を打たねばならない」


その後にぼそりと、あと数万人いれば今日にでも取り掛かれたのだが、と独語したのは部下の間で暫く話題になった。

その時、彼らの陣営は幾つかの理由から、もはや軍と呼べる規模で殆ど最小規模と言ってよいほどまでに縮小していた。

一つはオルクス軍による死傷者。

一つはそれによって捕らえられた捕虜。

そして一番の要因としては、上記の事を恐れて逃亡ないし、旗色を変えた者の続出であった。

無論、リーキーは彼らを止めようとはしなかった。

もし止めようものなら、それはオルクスのやっている事と大差無くなる上、自分の考えにそぐわないからであった。


僅かに四〇〇〇。その半分以上は正式な戦闘員ではなく二ヶ月程度の短期間で生き残れる術のみを身につけた、兵士と呼べるものでは無いレベルの人々であった。

圧倒的な絶望であったが、それでもロンは絶えず薄ら笑いを浮かべていた。



それから一年か経った。

ロン=リーキーと、その同士はどこかへ姿を消した。

これによって世界の全土を名実ともに手に入れたオルクス=フォン=ウィンザーは、再び人類統一国家を樹立した。自身の名前からその国を神聖オルクス帝国と名付け、数十億の帝国臣民の中から、特に武勲、功績をあげた十二人に特権と、帝国支族という名誉ある名を与えた。それは一般的な貴族などとは比べ物にならないほど強大であった。

これによってオルクスの政治体制は強固な壁に守られることになる。

皇帝オルクスは軍備の増強、一部による多数の支配、平民の憲法と貴族の規則、その他経済、政治など様々な面で劇的な改革を推し進めた。その全てが完璧、そして平等であったとは言い難いが、少なくとも愚にもつかない指導者ではないことは明白で、それを証明するように平民の中で皇帝に批判的であった者はほぼ皆無であった。

無論それは皇帝を崇敬し奉る、独裁体制下の専制主義国家にとっては当然のことであるが。

しかしそのような安寧の日々もそう長くは続かなかった。皇帝オルクスはある日帝国全土に向けてある宣言をした。

帝國暦ニ年六月四日、新たな年号に人々が慣れようとした頃である。

空には、太陽の光を遮るものは無い。一切の翳りを見せない太陽と、その下に威風堂々と歩み出でた、長身で肉付きが良く、鍛え上げられた強靭な肢体を金と銀と赤で織りなされた豪華絢爛たる正装の内側に隠し、鋭気に満ち満ちた顔つきの男。神聖オルクス帝国初代皇帝オルクス=フォン=ウィンザー。

彼のその凶暴な双眸は、これから始まる狂乱を予期していたのかもしれなかったが、それを知り得ていたのは少し増えた人類、62億人のうち片手があれば数えられるほどの人数だったであろう。

統治者はその薄い唇を開き、白い歯を見せびらかしながらこう言い放った。


「人類が造物主に創られてから幾万年。

その中であらゆる人種が、あらゆる国家、社会形態を樹立しては戦争と、その後に訪れる僅かな平和によって勃興と滅亡を繰り返してきた。

この愚かさたるや、かつて神聖不可侵たるオルクス帝国皇帝に反旗を翻した逆賊共と何ら変わりはない。

しかし、今や世界は余の統治下の元絶対的な安寧に置かれている。

これこそが時間と空間を問わずあらゆる人類の熱望する世界の形であり、同時に人類の最高統治者たる余の理想の形である。

しかし、この理想の楽園たる余の帝国は未だ問題を抱えているのだ。

それは、先の対戦によっておきた人口の劇的な減少と、その後の爆発的増加である。これによって帝国はおよそ二年で6億人以上の人口増加が見られた。これはまだ所詮序の口である。これより先幾億もの人口増加が予測される。であれば、それに対する政策をとるのが余の務めである。よってこれより、帝国王侯貴族、高級官僚及びその他の官僚とその家系のものを臣民とし、それ以下のものを卑しき農奴とする」


声高々に告げられたそれは、六二億人の帝国人を驚愕させた。その中にロン達は含まれてはいないが。

この当時の帝国内部における人口の比率は、王侯貴族0.02%、高級官僚とその家族1.3%、その他の国家公務総合院に役職を持つ者とその家族13.8%。

残りはこれらのごく僅かな数を100から引くだけだ。

圧倒的大多数である"元"平民からの抗議が殺到したことは言うまでもなかった。しかしそれによって殺された250万人の人々によってその抗議も次々と消えていった。

これらの一連の行動は、明らかに自己陶酔とそれに伴った自己神格化を表すものであった。


しかし、全世界に向けて流されたその放送を見て驚かなかった者、むしろ笑い飛ばした者達もいる。

それはロン=リーキーと、その同士達である。

ロンは察知していた。オルクス=フォン=ウィンザーという男がいかに有能であるかを。

そのスポークスマンとして、更には統治者としての才能を。

しかしそれと同時に彼の危うい部分も、彼以上に見えていた。

そしてその時を待ったのだ。オルクス=フォン=ウィンザーという長大にして巨大、そして堅牢極まりない難攻不落の要塞の、要所が崩れるのを。

ロンの洞察力、更にそこから得た情報で作り出す人物像の精密さ。多様性に富み、いかなる事態にも対応する柔軟さを兼ね備えた作戦指揮能力、相手の行動を数手先回りし、あらゆる可能性を考慮した作戦立案能力。そして時には自分自身が陣頭に立つという覚悟と指導者としての自覚。

いつも一人で薄ら笑いを浮かべるという不気味な欠点と、それ以外の細かな事さえ無視すれば、歴史上類を見ない戦略家であり、戦術家であり、用兵家であり、指導者であった。

彼自身が望めば、神聖オルクス帝国なるものを、現皇帝から簒奪(さんだつ)することはおろか、滅ぼすことさえ出来たかもしれない。

しかしそれをするには運が無かった。周りの人々は彼の本当の能力を理解する前に去ってしまったし、そもそもそのような指導者として立ち上がる事は彼にとって苦痛でしかなかった。

それは、彼にとって人生の存在する理由が、歴史文学や怪奇小説などに埋もれて過ごすための時間であり、決してその他の生命活動に必要なもの以外に時間を割くためのものでは無かったからだ。

それでも今こうしてここに立っているのは、単に彼ら帝国皇帝の思想が嫌いだったからだ。

なにせ彼らは文学は軟弱の学問と決め込んでいたのだから。




それから数日経ち、帝國暦ニ年、六月十四日。

その日の気温は人が最も過ごしやすいと感じるような適温で、時折吹き抜ける風は、僅かながらにほとばしる緊張感を更に増大させるものだった。

そんな緊張感を抱いているのは、ロン達だけだであっただろうけれど。



九時四十八分

オルクス帝国領、第四区画。全ての事業において最優先される帝国本土ならいざ知らず、本土と海を一つ挟んだ東の橋の国などと言う辺境では殆どの事業が停滞している。インフラ整備が完全に行き届いていないなら地下からの侵入は容易いだろう、というロンの予想は悉く的中していた。

無論、その他にも理由があるのは彼の頭の中だけのことであった。

なんの苦労もなくそこに集まった数十人の男達は、全員の息が荒い。それは下水の息苦しさからではなく、未来に対する漠然とした不安からであった。


「作戦は、成功するのでしょうか……」


不安げな声が伝播するのを、ロンはにこやかに笑って


「ああ、成功するとも。いや、しなくてはならない、のほうが正しいか」


彼は上に立つ者のあるべき姿を熟知していた。時には、自分自身さえ欺かねばならぬということを。


「しかし、敵との戦力差を考えれば……」

「確かに不安だろう。けど、今だけは私を信じて欲しい」


そう言いながら時計を見やる。時計は九時五十二分を指し示している。

あと八分。

その作戦が成功するかで、世界の命運は確実に変わる。

その時ばかりは、冷静沈着と深慮遠謀を親としたロンでさえ一筋の汗が頬を流れた。



十時四分。

帝国首都、軍務省本部。

平和過ぎると言ってもいい通信室の中の空気はひどく甘かった。

その脱力が飽和した室内に、突然通信が入った。


『第四区画にて、突如大規模な暴動が発生。首謀者は未だ判明せず。至急、来援を乞う』


突如として入った報せに、通信士は驚きにその身をのけぞらせた。

そして一秒後には叫び声が通信室にこだました。

怒号にも似たそれに、最初は室長も難色をしめした。しかし、すぐに顔色を変えて長官室に連絡を入れた。

その報せが、皇帝の耳に届いたのはロン達が行動を起こしてから十分も経った後だった。


「なに、暴動だと!無能者めが……何故察知できなかったか!」


怒りに思考を委ね、玉座から立ち上がった世界の権力を一手にした男は、この上ない屈辱を感じていた。


「今すぐに軍を動かせ。全力を持ってして、暴徒共を駆逐せよ!」


彼もまた、ロン=リーキーと同じく冷静沈着と深慮遠謀が豪奢を着て呼吸しているような人物であったために、その荒れ狂い方にはその場に居た臣下を震え上がらせた。



それから軍隊が出動するのにおよそ三〇分。

海を一つ超えるには、高速飛行艇で五時間。その他爆撃機、戦艦では一日を必要とした。

更に言えば、内乱などは未然に防ぎ切っていた為に慣れていなかった。

それがロンにとっては天の助けであり、オルクスにとっては自らの迂闊さを物語った象徴であった。

この時ほど、自身の才覚を恨んだ事は無かったであろう。


暴動発生から二時間。

すでに第四区画の統制局は暴徒に包囲されつつあった。

なぜ、こうもうまくいったのか。

ほぼ作戦が成功したと言っていい状況下で、ふと一人が聞いた。

すると彼はにこやかにこう言った。


「単に運と、時間の問題さ」


と。

しかし、しかし事はそんなにも単純ではなかった。それは周知の事であったが、彼自身は明言していない。

後の歴史家が額を寄せ合って考え抜いたところ、今最も有力な説はこうである。


まず、彼には二つの選択肢があった。

一つ目は、自分含め仲間たちが帝国の高官に就き、内部から変えていく。

二つ目に、どこかの国を武力占領してそこの自治権を帝国に認めさせる。

他の方法もあったが、どれも現実的でなかったり、時間がかかる為に放棄された。


当初から前者の困難さはほぼわかりきっていた。

大きな理由としては、そもそも帝国の高官は全て帝国貴族であるために、なるのが困難である。

そして、権力を持った人間が何を行なうかわからない。

以上のニ点から前者は切り捨てられた。

では後者はと言うと、まず帝国との間に戦端を開くのは、戦力差からして自殺行為と言える。

そして、領土となっている為少なからず駐留軍がいる。まずはその二つの関門を突破せねばならなかった。

しかしその分だけ、うまみがあった。

まず帝国領土の人間全てが帝国に服従したとは思えないので、時間かければ大勢の反対派を率いるのが可能であること。

その駐留帝国軍の武器を奪えば交渉の材料となること。

更に、一つの国が自治権を回復し得れば周辺国でも同様に自治権回復運動が起こること。

以上の点から彼は後者を選択した。



では次の問題として自治権を認めさせるにはどこが適しているか。

選択肢としては第一区画(旧ロシア)、第三区画(旧イギリス)、第四区画(旧日本)、第五区画(旧インド)の四つであった。

そこで、歴史資料をじっくり眺めるとある事実が浮かび上がってきた。

当時はまだ駐留帝国軍の官舎さえ完成しておらず、軍隊としての能力は微々たるものであった。

しかし、侵略に使われた武器類は未だ回収されず臨時の武器庫に収められており、その数は兵士の八倍にものぼったという。

そしてその大部分が第四区画に収容されていた。

理由として、辺境であること、そして武器の収容に適した倉庫が多数あることが挙げられたが、帝国の歴史上最悪の内乱であることから、帝国文化省は沈黙を決め込んでいる。

以上のことから、ロン=リーキーは第四区画を選んだと思われる。



翌日、六月十五日。

先日ほどの気温は無く、やや肌寒かった。

第四区画臨時本部が暴徒たちに占領されてから、二十時間が経っていた。

兵士たちは拘束され、簡易的に設けられた監獄に放り込まれていた。

一般的に見れば暴徒たちの優勢に見えたであろう。しかし、レーダーを見ていた者たちからすれば未来は絶望一色であった。

レーダーに捉えられた敵艦の数は八〇隻という大艦隊であった。

これだけの大艦隊を用いた軍事侵攻は、オルクス帝国発足して初めてのことだった。

この大艦隊を率いた艦隊司令官はアーノルド=プィリニョフというエリート士官であった。

栄達に愛され、失墜とは無縁の男であったが、結果からみて八〇隻の艦隊は大敗を喫する事になる。その報せを聞いた皇帝は顔色変えて、手にしていたグラスを地面に叩きつけた。

何があったのか。謎に思ったのは、その報せを聞いた者全員が同じであった。しかしロンから言わせてみれば、単純に敵の行動を読んだだけのことであった。

ロンは考えたのだ。

八〇隻もの大艦隊を指揮する指揮官は優秀でないはずがない。

だとすれば彼らは完璧な布陣と、高度な作戦をたててくるであろう。()()()()()であれば。

しかし今回のこれは、戦争と言うより動乱の平定。言いかえれば一方的な虐殺を旨としたものであり、そこに法的な整合性や、理論性は必要ない。

そうなれば、八〇隻の艦隊は隊列などは気にせず、各々が好き勝手に暴れていくだろう、と。

そして案の定、レーダーの捉えた八〇隻もの大艦隊は心拍数のグラフにも似た、理路整然とは最も疎遠な隊列をなしていた。

すでに相手の行動が読めたロンは、この戦争とも言えない戦争がどのように終わるのかだけに興味を持っていた。

なぜなら彼にとって、最初の一手が読めた時点で勝利とは確実なものであったから。


そこからはまさに、ロン=リーキーの智略と策謀の多彩さ、大瀑布の波がごとくであった。

まず、敵艦の目前にはりめぐらされた多数の機雷群。

それを避けるように迂回路をとろうとする帝国軍であったが、連絡は混乱し右に避けようとする艦、左に転回しようとする艦、あげく機雷群に突っ込む艦さえあった。

その僅かな混乱に乗じて、地上からはミサイルが放たれる。

目前の機雷、混乱する艦隊、そして降り注ぐミサイルと言うと三重の壁に翻弄された帝国軍はその時点で半数が撃沈した。

残る半数は、怒り狂い、闘牛が如く基地に向かって直進した。

無論その時点で彼らの負けは確定したのである。

直進を初めて一分もたたないうちに、我を忘れた帝国軍艦隊は機雷の人工的で冷たい光に飲み込まれた。


八〇隻の大艦隊敗れる。

この報は世界中に知らされた。

結果として、オルクス帝国領土の半分近くが独立の宣言をした。

法的には認められずとも、そこに住む人々がそう主張し、各領土の司令本部を武力占領したことで認めざるを得ない状況となった。

そして独立した人々は連邦制の新政府を作った。

それが現在の十字(クロツ)連邦である。


その後幾度となく二つの大国は戦争を繰り広げる。その戦死者は今日の地球の人口を超えるとも言われているが、事実は定かではない。

未来永劫続くと思われた二大大国の戦争は意外な形で終結を見るのだった。


それが今から十年前の災害であった……………。

リアルのほうが忙しく、なかなか書き終わらなかったのですがなんとか終わって一安心です。

まあ、読み飛ばしても物語には影響しないのですがね。

単純にこういうのを書いてみたかったのです。

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