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お気に入り
新しいものをキャッチするのが苦手だ。
流行りモノを手に取るまでにはたくさんの葛藤があって、下火になってから良さに気づくことが多い。乗り遅れる。
反対に、気に入ったものは、古いものも新しいものも関係なく、何度も何度も繰り返し読む、聴く、観る。暇があればお気に入りの本や漫画を本棚から取り出しては、時間を忘れて読み耽る。内容も描写も知っているはずなのに、毎回新鮮に心を打たれる。
いまやサブスクリプションの時代で、未知の音楽を聴き流して愉しむらしい。一期一会で、また出逢うかどうかはAIのみぞ知るという。
私もサブスクに登録しているのだが、お気に入りフォルダの曲をループし、狭い世界で居心地よく暮らしている。宝物に囲まれた部屋。
人との接し方もこれに近い。性である。




