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ブランク
ーーブランク。空白の期間。
イチローの引退の前には大きなブランクがあった。いざ復帰と言っても実戦感覚というものはそう早く戻るものではない。
かく言うわたしも、先週、水曜に代休を使い、金曜に有給を使い、穴埋め5連休を作り上げていた。月曜はブランク明けである。
不安はいくつかある。休んでいる間の仕事がどうなったとか、久しぶりで朝起きられるかとか、そういったことが主だが、一番の不安は、「どこか行ってたの」である。
確かに「どこか」には行った。だがそれは彼、彼女らが想像するような「どこか」ではない。きっと彼らは「そこら」と言う程度の「どこか」なのだ。
だから、お土産も買っていないし、買ったところで失笑(思わずふきだすさま、という意らしい)をかうだけだろう。
一方で「どこにも行ってません」というのもいかがなものか。穴を埋めてまで、有給を使ってまで作り上げた5連休を、まさかどこにも行かずに過ごすなんて、と思われた暁には、赤面して蛸人間(足は2本)になってしまう。
昨日も出社していたかのように「おはようざいまーす」と言おうと思う。ブランクを悟られぬよう、上手に言おうと思う。




